「ストレイテナー、襲来」
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「すっごいかっこよかったの!! 今まで生きてきたなかで、いちばん熱い気持ちになったの!!」
初夏。
高校2年生の戸崎(とさき)あかりは、ロックバンド「ストレイテナー」のライブを(彼氏のタイジュくんと)観て感化され、同じクラスの親友・御神本(みかもと)すずかに「バンドやろう!」と言い出す。
ギターの腕前が超一流であるという同学年の”的場マキ”をスカウトする、とか言っているあかりに、すずかは冷静に難色を示す。
ベースはすずか、そしてドラムは「体力だけはありそう」(byあかり)な真島正志(ましま まさし)がやる、という青写真をあかりは持っていた。
放課後、TSUTAYAに立ち寄ったすずかは、”的場マキ”らしい人物の後ろ姿を目にする。
「見知らぬ、洋楽」
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「たぶん、わたしのクラスの男子も女子も、『スライアンドザストーン』なんてひとりも知らないよ?」
「違う! (💢・_・)」
「え!? ご、ごめん、なにか気に障ること言った!?」
「『スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン』!!
( ー`дー´)キリッ」
「で、お父さんが持ってるその『ぼーどー』ってアルバムのほかに、代表作があって、それを探していたんだ?」
「There's a Riot Goin' On ( ー`дー´)」
「!?」
TSUTAYAのレジで店員と的場マキが揉めていたのだ。間にすずかは割って入り、マキにCDの検索方法を教えてあげる。結局マキが探していたCDは見つからなかったが、すずかは店外でマキと会話を試みる。
音楽のことになると人が変わるマキの性質を、すずかは知るのだった。
「鳴らない、打鐘」
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「大っ嫌いだよ、あんなヤツ!!!!!! (;´Д`)」
「おれはな、御神本」
「なによ」
「ロードバイクで日本一周したいんだ」
「え、え、え、えっ…… なにそれwww」
「笑うな!!(#゚Д゚)」
運動公園で、部活帰りの真島正志をあかりは待ち構えていた。バンドの件を真島に伝えるあかりだったが、「すずかが噛んでいる」ことと知ると、あからさまに真島は不快感を示す。
真島とすずかはたしかに同じクラスの体育委員同士だが、真島はすずかに「コケにされている」ように思っていた。
姉に買い物を頼まれていた真島は、用を済ますためデパートに行くが、そこでバッタリすずかと居合わせる。水泳部であるすずかは、そのデパートのスイミングクラブの所属だったのだ。
屋上で真島はすずかに自分の将来の夢を語らされるハメになる。
自転車部の真島は、「ロードバイクで日本を一周したい」という夢を持っていた。すずかは真島の夢を知り、思わず笑ってしまう。
しかし、すずかの将来は未だ漠然としていた……。
「雨、逃げ出したあと」
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雨が降っている。
止む気配がない。
あかりが、食堂の席でずっと突っ伏している。
あかりは、的場マキの教室に突撃し、マキのスカウトを試みるが、見事に失敗する。
「マキ、心のむこうに」
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あー、ムカムカする!!
許せない・・・・・・。
『ビートルズって人の名前だっけ』って言った子が、バンドを作ろうだなんて!!
あかりの申し出を拒絶した的場マキ。
彼女は、ビートルズがバンドであることすら知らなかった、あかりの厚顔無恥ぶりが、許せないのだった。
「わたしはジョン・ロードが欲しいんですっ」
「ジョン・ロードみたいな彼氏?」
「違います(即答)」
「この曲のリフに合わせられるようなキーボードを・・・・・・キーボードを弾けるひとを」
あかりの態度にイラついて、スタジオで攻撃的にギターを弾くマキ。
彼女は、ディープ・パープルにおけるジョン・ロードのようなキーボード奏者を探し求めていた。『ハイウェイ・スター』(ディープ・パープルの代表曲)における間奏のような、火の出るようなセッションがしたかったのだ。
総集編、つづく
(1774文字)