帰宅した。
そしたら愛が、グッタリしたような表情でソファーに座り込んでいた。
「おかえり、アツマくん…」
「なんだ。
おまえらしくないぞ。
ーーもしかして、
本が思うように読めないのか」
「どうしてわかるの……」
「顔を見ればわかる」
「あのね、集中力が1時間もたないの。
本の内容があたまに入って来なくなるの」
「集中力が1時間ももてば充分だと思うが?
おまえはなー、読書っつーもんを、絶対視しすぎるんだよ」
「ウチの学校の保健の先生みたいなこと言うね。」
「いいか?
いろんなものに、眼を向けてみろよ。
音楽とか、
料理とか、
スポーツとか。
おまえは、いろんなものの神様に、祝福されてるんだから。」
「神様に…祝福!?」
「ほら、たとえば、ピアノの神様とか」
「(微笑んで、)変なの。」
「よ、よーするに、愛、おまえはいろんな才能に恵まれてるってことだよっ」
「わかったわかった!w
(おれの右肩に手を置いて)ありがとう。
部屋で音楽でも聴いてくるわ。」
× × ×
『ただいまー』
「おーあすか、おかえり」
「(ソファーに身を投げ出して)
ふぁー、もう、くったくた!!」
「ギターにスポーツ新聞に忙しいもんなあw」
すると、またたく間に、
おれの隣で、妹が、
睡眠を開始したのである。
・15分経過
ほんとうにスヤスヤ寝てやがる。
・45分経過
・起きる気配がない
…困ったぞお。
× × ×
あすかの部屋
とりあえず、爆睡しているあすかを、
部屋まで運んでやった。
・そして……
『むくり』
「あれぇ?
なんでわたし、わたしのへやにいるのかな~?w」
「帰ってきた途端グーグー寝始めたんだよっ!!」
「やだっ、兄貴エロいw
連・れ・込・み?ww」
(゜o゜; こ、こいつ……、
寝ぼけてやがる!!!
「(部屋のドアに向かい)ほ、ほら、はやくその制服着替えて、夕飯食いに降りてきなさい」
「おにーちゃーん、
わたしの制服、
脱がしてw」
「 (;´Д`) 」