「流（ながる）くん、今日も短縮版よ」
「……カレンさん！？」
「なーにギョッとしてるんだか」
「短縮版なのはいいんだけど……今日『も』っていうのは」
「つべこべ言わない！」
「ええぇ……」
「自己紹介しないといけませんね。
わたし、カレンって言います。
流くんの彼女さんです。
このブログでちょくちょく名前は出てくるみたいだけど、わたし本体が出てくるのはレアケースですよね？
今回は、そんなレアケースです」
「……おしゃべりだね、きみも」
「おしゃべりカレンちゃんよ」
「……」
「無言にならない」
「いや、すっかりきみのペースに巻き込まれてるから……」
「巻き込むよ！！」
「！？」
「８００字程度で『シメる』んだから、悠長なことはしてらんないの」
「せ、急かしたいってわけ」
「急いでよ流くん。あと、三点リーダ（『……』）を無駄に使い過ぎないで」
「厳しいなあ。……こういった会話文オンリーのときは、三点リーダに助けられてる部分もあるんだが」
「コラッ」
× × ×
「あーもうっ。あと４００字以下でシメなきゃ」
「もしかしてイライラしてる？ 仕事のストレスを抱えてるとか。抱えてるなら遠慮なくぼくに相談してよ」
「流くんの労りは嬉しい。仕事のストレスは確かにある。でも、立ち止まっちゃいけないの。あと３００字も残されてないんだから」
「文字数にこだわり過ぎじゃない？ それもストレスに」
「優しいのは嬉しいけど」
「うん」
「あと約２００字になっちゃってるんだよ！？」
「だ、だから、文字数のことは置いておこうよ。ただでさえ今回、メタフィクション色が強まってるんだから」
「わかったわよ。」
「……そんなに攻撃的なきみも比較的珍しいな」
「そう？？ ありがとう」
「『ありがとう』？ ……オイオイ」
「な・が・る・く・んっ」
「な、なに」
「今夜は、飲もうね。」
「わ、わかった」
