【愛の◯◯】どうしてそんなにわたしが可愛く着こなせてるってわかるの?!

戸部邸

 

♫コンコン

 

<ガチャ

 

「愛か?」

 

アツマくん、あのね、あの、あたらしい、夏用の服、買ったから、見てくれない?

 

× × ×

 

「アカ子さん推しだったのか? そのシャツ」

「そう。」

なんだか、サッカーのウルグアイ代表みたいな色合いだなww

 

「さ、さすがアツマくん!! どうしてわかるのかはわからないけど、よくわかったわね!?w

 

コパ・アメリカ?」

「そう! アカちゃんが、『もうすぐコパ・アメリカだからってわけじゃないけど、それもあるかもしれない』って言って、こういう色合いをチョイスしてくれたの」

「( ゚д゚)なんかアカ子さん、急にサッカーに詳しくなってないか?!」

 

「でもなんでウルグアイなんだろう?」

「じゃあ、つぎのコーデに着替えてくるから、ちょっと待ってて?」

 

<バタン

 

(せわしないな愛のやつ……、

 ま、いっか)

 

× × ×

 

「さっきのがアカ子さんチョイスってことは、今度のはさやかさんがコーディネートしてくれたんだな」

「そう。さやかコーデ

「なるほどw」

 

 

 

「……(*´∀`)うん、ばっちりだよ、おまえにすごく似合ってるよ」

ほんとう!? 色も!?

「色も」

ほんとう!? 柄も!?

「柄も」

「(はち切れんばかりの笑みで)ありがとうアツマくん、さやかも喜ぶわ!!

 

ーーでも、どうしてそんなにわたしに似合ってるってわかるの?

 わたし、そんなに可愛く着こなせてる??

 

 

「(^_^;)……おまえなー。

 

 

 

【愛の〇〇】まぁ、夏服でも買おうか

いつも、96点か97点とっていたテスト。

 

90点しかとれなかった。

 

だから、すごく落ち込んで、

明日美子さんの助けも借りてしまう体たらくだった。

 

『90点もとったのに、どうして?』

そう言うひともいるかもしれない。

 

そういう問題じゃないんだけどねw

 

わたしのプライドが、大きく邪魔をするけど、

わたしはわたしのプライドを否定できない。

 

負けず嫌いなのは、生まれつき。

だから、テストでは、常に100点をとることを目指して、しゃにむに勉強しているのだ、

けれど…(´・_・` )

 

放課後

『羽田さん、青島さんがきてるよ』

 

さやかが、わたしの教室に来ている、らしい。

 

「どうしたのよ」

「( ^_^ ;)さやか……」

「あんたもアカ子も、心ここにあらず、じゃないの」

「へ、アカちゃんも!?」

 

 

「( ^_^ ;)ほんとうだ、窓の外じーーっ、と眺めてて、こっちの気配に、絶対気づかなさそう」

「や、あれは、じーーっとじゃなくって、ポケーーっと眺めてんのよ」

「ひどいよさやかw」

「(小声で)恋わずらいね」

「( ^_^ ;;)タハハ……」

 

「アカちゃんは、そっとしておいたほうが、よさそうね」

「問題はあんただよ」

「わたし?」

「わたしのクラスに伝わってきた情報。

 あんた、きょうの授業であてられて、うまく答えられなかったらしいじゃないの」

 

たは。

情報って、流れるの、速い。

 

「んー、そんなときもあるわよ、人間なんだし」

「『中等部から5年間ずっと同じクラスだけど、羽田さんがあてられて間違えるなんて初めてだった』」

「( ゚д゚)どうしてその子はそんなこと知ってるの……」

「(´Д`;)……、

 

 やれやれ。」

 

 

「愛、服を買いに行こう」

「服? なんで」

「なんでって、これから夏じゃーないの!?」

「それが?」

「夏の服よ、夏の服!!

 あんた、心配なんだけど」

「なにが?」

「書店かタワレコでしか買い物してないんじゃないかって、心配なんだよ」

ディスクユニオンにも行くよ?

 この前、文芸部の後輩の子に、高田馬場ブックオフにも連れてってもらった」

「(;´Д`)あのねえ……。

 あんたのそういうところが気がかりなの!」

 

「それに……あ、あんたにこの前ハンバーグ食べてもらったから、そのお返しがしたくて」

「ど、どういう因果関係、それ……w

 は、はははははっ、お、お、おもしろいっww」

「( •̆ ·̭ •̆ )べ、べつにいいじゃん、ハンバーグ食べてもらって、嬉しかったんだから」

 

「ふたりとも楽しそうね。わたしも一着、愛ちゃんの夏服、選んでもいいかしら?」

「( ^∀^ ;)あ、アカちゃん、もしかして聞いてたの」

【愛の◯◯】蜜柑の、嵐のように過ぎ去った反抗期

うちのお母さんは、

わたしのことを「あーちゃん」、

蜜柑のことを「みーちゃん」と呼ぶ。 

 

「ね、ね、あーちゃん」

「何かしら? お母さん。

 すごくワクワクしたみたいな表情で」

「あーちゃん、もしかして、

 好きな男の子、できた?ww」

 

「と、とつぜんなんなのよ!!」

 

「さいきんウチに、ハルくん? って男の子、よく連れてきてるじゃないのんっ」

 

「ぎくっ」

 

「ーーそ、そんなんじゃないもん」

(((o(*´∀`*)o)))どうかな~?

 

「💢そんなんじゃないって言ってるでしょ!!

 男の子の話はもうやめて!!!

 

(;´Д`)あ、あーちゃん

 

 

お母さんのことなんか、

お母さんのことなんかーー、

 

 

 

 

お母さんとケンカしちゃったっ。

 

何年ぶり?

お母さんに怒鳴り散らすの。

 

 

反抗期なんて、

とっくに終わったと思ってた。 

 

アカ子のへや

「(スマホを操作しながら)えっと……去年のバロンドールは、ルカ・モドリッチクロアチア代表…」

 

<ガチャァ

「は~い、おじょうさま~、洗濯物ですよ~~♫

 ーーあれ、『ノックぐらいしなさいよ!』って、言わないんですね」

「サッカーのお勉強に夢中で」

「お母さんとケンカしたから、気を紛らすという意味合いもあるw」

「よ、よくわかったわね蜜柑w」

 

「何年ぶりの反抗期ですか、アカ子さん」

「う・る・さ・い」

「ーーアカ子さんの反抗期、けっこう激しかったですよね」

あなたの反抗期もねーー蜜柑

「うっ」

 

蜜柑の反抗期が、いちばん激しかったのは、

蜜柑が中学1年生のころだった。

 

それまで、お母さんの言うことをよく聴いていた蜜柑が、

お母さんを突き放すようになってしまって、

お母さんが戸惑っていた。

 

娘同然に育てていた蜜柑。

はじめて、思春期にさしかかる娘を持ったのと同じ状況。

 

 

ところかまわず怒鳴り散らす中学1年の蜜柑を、

わたしはかなり怖がっていた。

 

「でも……ある日突然、お母さんとまた仲良くなって、蜜柑の反抗期は終わったのよね。

 蜜柑が中学1年のときの、ほんの短い期間の反抗期だった。

 (イジワルな口ぶりで)なんで反抗期が突然終わったんでしょうねえ」

 

「『女同士だから、なんとなーくわかるけど』って言いたいんでしょ。

 …お嬢さまのエッチ」

 

せいちょう期だったもんね、蜜柑」

「そのせいちょうは、どんな漢字で書くんですか?」

 

 

× × ×

 

「ごめんなさいお母さん、さっきは取り乱してしまって、どなっちゃって」

「はい、あーちゃんは良い子ね」

「子供扱いしないで…」

「はいはい、男の子の話は封印したげる。

 でもお父さんがどう攻めてくるかしら」

「ウッ」

 

「(ソファーにもたれて)あ~、なんだか、あーちゃんが中学に入るか入らないかのころを、思い出しちゃったw」

 

わたしの反抗期。

 

「まーあの頃はあーちゃんも(自主規制)ばっかりで(自主規制)も次第に(自主規制)って行くせーちょーきだったからねえ、

 こころとからだのバランスが、ちょっとねw」

お父さんいないからって深夜のAMラジオみたいな際どい話しないでよ

「聴くの!?」

「たとえ…ってだけ」

 

「みーちゃんはさ、」

「わたしは蜜柑の反抗期のほうが壮絶だったと思うけど、」

「うん、家のモノ壊したりするからお母さん、困り果ててたりしてたんだけど、

 ある日ーー明け方だったかしら。

 

 みーちゃん、困り果てた顔で、お母さんに甘えたいみたいで、モジモジしてーー、

 なかなか(自主規制)ってこと言い出せなくて、ほんとうに小声でわたしに耳打ちして。お母さんうれしかったから、ほら(自主規制)だから、思わずみーちゃんをハグしちゃって。でももうあの時、みーちゃんお母さんよりかなり背が大きくて、その時そのことに初めて気づいてーーほんとうの『母娘』にその時なれたんだなあ、って。

 あのときのうろたえてるみーちゃん、可愛かったな~」

「(-_-;)それ以上は公共の電波に乗っけられないわよ、お母さん」

 

 

(-_-;)・・・・・・せーちょーき

 

【愛の◯◯】ハルくん、『偶然』はもうイヤ!!

部活後、蜜柑さんから連絡があって、

アカ子さんの家に呼び出された。

 

何の変哲もない平日なのに……。

ま、いっか。 

 

私服のアカ子さんが、出迎えてくれる。

 

なんだか、待ち遠しそうな眼をしているのは、気のせい? 

 

「ごめんなさい、休日でもないのに」

「ま、いいんだよ」

「部活帰りよね?」

「そうだよ」

「疲れたでしょ?? なにか飲みものもってくるわ」

 

そう言って奥のほうに歩いていこうとするアカ子さんだったが……、

テーブルの支柱に足をぶつけて、ドタバタとすっ転んだ。

(^_^;)おいおい。 

 

「イタタタ…」

「大丈夫…じゃ、なさそうか(と言って手を貸す)」

は、ハルくぅん!?!?!??!dmjswmjswmjswrtf;ふぇ

 

どうしてそんなに混乱してるかは知らないが、

手を貸して、アカ子さんを立たせた。

 

転んでいるアカ子さん……、

なんだかとても小さく見えた。

こんなにアカ子さん、小さかったっけ。 

 

× × ×

 

「ねえ、きみ、身長何センチ」

「………………………………158センチよ。でも忘れて」

「えw」

 

それぐらいの身長だろうとは、

以前から思っていた。

 

でも、きょう、こんなに小さく見えるのは、

ぼくの身長が伸びたからかもしれない。

 

そんなに伸びたかなあ? 

 

アカ子さんは例によってピアノの前に座った。 

 

「ーーかなり前のことだけど」

「うん」

「音楽のはなしになったことがあったじゃない? 公園で」

「あー、ペット・ショップ・ボーイズがどう、とかいう?」

「そう!」

 

 

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「へぇー、きみもスマホで音楽聴いたりするんだね」

「( _・;)…20世紀に生きてるわけじゃないのよ」

「なんでソッポ向いてんの?w

 

 ぼくは音楽なんか全然聴かないからさー。

 そうだ、ペットショップ・ボーイズって知ってる?」

「( Д`;)音楽なんか全然聴かないひとが、なんでペットショップ・ボーイズを知ってるのかが不可解なんだけど…」

 

 

 

「あー、あれは、たまたまラジオかなんかで聴いた曲が、いいなあ~って思ってさ、そのアーティストがペット・ショップ・ボーイズだったってだけの話さ」

「それ、どんな曲だったか、憶えてる!?」

「ん~、『ワン・イン・ア・なんとか』みたいな題名だったと思う」

「……この曲よね??」

 

おもむろにアカ子さんはピアノを弾き始めた。 

 

"One in a Million"

 

 

Very

Very

 

 

 

あー、これだ、これだ、よくわかったねえ!

 というか、よく弾けたねえ!!

 

 なぜかピアノの前で硬直状態のアカ子さん。

 

「おーい、アカ子さん??」

うれしい

「?」

……

 

 

 

「うれしい、ほめてくれたのね、うれしいわ、ハルくん」

 

すごくいい笑顔だ。

 

もとから美人だ、とか、そういうの関係なく。

 

なにかをやり遂げたあとのような、すごくいい笑顔に、

ぼくは思わずドキッとする。

 

 

× × ×

 

「それじゃあ、遅くなっちゃいけないし、帰るよ」

「( ;・д・)えっ、もう帰っちゃうの」

「だってもう遅いし」

「だけど……」

「ま、どうせあの公園で会うだろうし、いいじゃないかw」

「(叫ぶような声で)『偶然』じゃだめなの!!!!!

 

いきなり、ぼくの腕を握るアカ子さん。

アカ子さんの手は、ふるふる震えている。

 

どうしたってんだ……。

 

 

ぼくが振り向くと、恥ずかしそうにしているアカ子さんがすぐそばにいる。

アカ子さんのからだが、これまでになく、小さく見えた。 

 

 

 

 

 

【愛の〇〇】明日美子パワー!!

昨夜

情けない……。

高校2年にもなって、明日美子さんに添い寝してもらうなんて。

( ´ㅁ` ;)

 

明日美子さんの寝室

「愛ちゃん、暑くない?」

「……だいじょうぶです」

 

明日美子さんとわたしはベッドに入っている。

 

「そんな端っこに行ったら、ベッドから落ちちゃうよw」

「(;・_・)」

「恥ずかしいんだw」

 

「わたし、こんなんじゃいつまでたっても自立できない……」

「わたしだって自立できてないよww」

「じょ、じょーだんですよね!?」

「(*´ω`*)ひみつ❤」

 

「(少しだけ明日美子さんに近づいて)なにもしたくないんです、気が滅入ってて」

「(    'ω' )フーム」

 

ねえ、愛ちゃんの髪、サラサラでうらやましいんだけどwww

「!?!?」

「もっと長くしないの?」

「しません(*˘^˘*,,)」

 

 

 

× × ×

 

翌朝

♫ちゅんちゅんちゅん

 

「おかあさん……おかあさん……おかあさ………、

 Σ(´□`;)ハッ!!」

「はーいおかあさんですよー」

「す、すみません、いつの間にか明日美子さんの胸の中で寝てたみたいで」

「顔色悪いねぇ」

「わかるんですか!?

 ど、どうしてこうなっちゃったの、わたし……」

「(わたしの背中をさすって)うなされてたよ」

「(;´д`)」

「(わたしの頭に手を置き)愛ちゃん……きょう学校、休もう?」

「だだだダメダメですっ」

「だーーーーめーーww」

「はいぃ!?」

明日美子パワー発動

「あ、明日美子パワー、久しぶり……」

 

 

明日美子パワー。

明日美子パワーが発動したら、なんでも明日美子さんの言うことを聞くこと。

 

稀にしか発動されない明日美子パワーにより、

わたしは学校を休んだ。

 

 

【愛の◯◯】90点ショック

戸部邸

よーし、きょうは、大学から早く帰れたぞ。

 

愛のやつ、『なかなか一緒に晩ごはん食べれない』とか言ってたからな。

きょうは一緒に食べれるぞい。 

 

「ただいまああああああっ」

 

「♪~(´ε` )」

 

「おーい、愛、お兄ちゃん早く帰ってきたぞ~」

 

「……『お兄ちゃん』って言わないで」

「んっ」

(>_<;)…『お兄ちゃん』って言わないでっ!! 普通に話して

 

愛の野郎、

なんかつらそうだ。

うつむいてる。

 

ちょっとしたことで、落ち込んだりしちゃうもんな。

案外センチメンタルなんだよ、こいつは。 

 

「ほ~い、アツマくんですよ~」

「自分で自分の名前を言わないで」

「……ちょっと、気が滅入ってるところに、高すぎるテンションで帰ってきて、うるさかったかな。

 ごめん。」

「(-_-;)」

「ーーで、なにがあったか、おれに話してごらん」

 

「90点……」

 

「はぁ!?」

 

「中間テストで90点取っちゃった!

 いつもは96点か97点取ってたのに!!!!!!

 

「( ゚д゚)」

 

ごめん…きょうの晩ごはんの当番わたしだったけど、ちょっと作る気力も体力もない……ごめんね

 

× × ×

 

ピンチヒッターで、あすかが晩ごはん当番になった。

おれはあすかを手伝っている。

 

「母さんと一緒に寝るって?」

「うん。

 贅沢な悩みに思えるけどね。

 わたしたちじゃ想像できない世界。

 おねーさんのプライド……ってやつが傷ついてるのかな」

「母さんに一緒に寝てもらうのか……。

 そうとう、まいっちゃってるときだな、そういうときの愛は」

「お兄ちゃん」

「?」

「まさか、『おれと寝てほしかった』とか思ってないよね💢」

「アホか(コツン、とあすかの頭を軽く叩く)」

「たたかなくてもいいじゃん💢」

「いいんだよ、こういうときは、母さんにまかせとけば」

「……いつまでも、お母さんに任せとく気、こういうときのアフターケア」

「ん……そこは……スローペースで……」

 

愛のおとうさんに、「支えになってやってくれ」と言われた。

 

愛に、どうやって寄り添っていくのか、

おれは試行錯誤だ。

 

ただ、愛は素直だから。

気持ちの表現がわかりやすい女の子だから。

だからーー、

こういうときは、母さんに寄り添ってもらえばいい。

おれの出る幕は、まだ、ない。

 

 

「おれ、高校時代、90点なんて取ったことあったかな」

「お兄ちゃん、賭けてもいい? 絶対ないから」

(;-_-)証拠がねーだろ…

 

【愛の◯◯】超次元サッカーマネジ・笹島(ささしま)マオ!?

放課後

教室・兼・スポーツ新聞部部室

 僕は中村創介(なかむらそうすけ)。

3年生。

スポーツ新聞部部長。

好きなトランプのゲームは、ブラックジャック

 

「(サンスポを眺めながら)ランフォザローゼスとはなんだったのか」←そこかよ!?

 

「うーん、それにしても」

 

 

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 ↑問題の日

 

検証VTR

 

ロジャーバローズ

 

 

マオ「( ´・д・)えっ? だれかなんか言った」

僕「(両手を広げて)だれも?」

あすかさん「たしかにどこかで、声が…」

瀬戸「おっかしいなあ」

 

 

「あれはほんとうに、幻聴だったのかなあ。

 ロジャーバローズって言ってたよなあ。

 未来からの人間の声だったのか・・・w」

 

ドドドドドド

 

 

バーン、と教室の扉を開けるマオ。

噂をすれば。 

 

「サッカー部行かなくていいのかよ」

「よかった、ソースケ停学になってなかった」

「はぁ!?」

「あんた金曜に配った新聞の欄外に小っさい文字でダービーのこと書いてたでしょ」

「(๑´ڡ`๑)ばれたかw」

て、停学になってたら面白かったんだからねっ!!

 

「なあ、木曜、マオにも聞こえたよな? 変な声」

「聞こえた」

「今週の木曜か金曜にも聞こえてこないかなあ」←おいやめろ高校生だろ

「(゚Д゚)ハァ?」

 

× × ×

 

「ところでなんでマオはサッカー部のマネジなんだ」

「唐突になに?」

「ご都合主義」

 

「…意味わかんないけど、みんなやっぱりサッカーに興味持ったきっかけはあるよね。

 あ、別に話を逸らしてるとか、そういうわけじゃないんだから、ね? ソースケ」

「(๑´ڡ`๑)」

「(ムカムカっとした様子で)藤(フジ)先輩は『ファンタジスタ』って少年サンデーの漫画を読んだのがきっかけだって。

 あのハルもきっかけは漫画、『ORANGE(オレンジ)』っていう、チャンピオンのサッカー漫画だってーー」

「(๑´ڡ`๑)」

「なに、その『なんでも知ってる』みたいな表情、ムカつくんだけど」

 

「なあマオ」

「は」

「小学生の時にさ、『イナズマイレブン』ってアニメが流行ったよな。

 ゲームもあったなあ。3DSだったっけ」

「違うでしょ。そのころは3DSまだなかったって

「だっけ? 水曜の飯時にやってたよねアニメ」

最初は日曜の朝! ・・・え、えっと、日曜朝だった、と思うけど」

「(笑いをこらえながら)主人公のキーパーが『円堂守』くんだったっけ、なんだかナルトに似た声の声優さんだったなあ

何いってんの!? 同じ人に決まってるじゃない、竹内順子さんでしょ!

 

 

……あっ」

 

 

 

 

【愛の◯◯】いつかあなたに『スロウダンス』を歌ってあげたい

わたし、葉山むつみ。

モラトリアム人間として絶賛生活中…。

 

ところでわたしの好きなロシア文学は、プーシキンの『スペードの女王』。 

 

 

スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

 

 

わたしは岩波の赤で読んだけど、中等部のときに新訳が出ていた模様。

望月哲男さんの訳だと、タイトルが『スペードのクイーン』に変わっている。 

 

スペードのクイーン/ベールキン物語 (光文社古典新訳文庫)

スペードのクイーン/ベールキン物語 (光文社古典新訳文庫)

 

 

ま、中身はおんなじ。

もしかしたら、望月先生の新訳のほうが、読みやすいかもね。

なにしろ、新訳だし(?)。 

 

 

さてさてさて、猛暑のなか、先週に引き続きキョウくんが、わたしの家までわざわざ来てくれた。

きょうもわたしが、キョウくんの家庭教師。

 

「ふ~っ( ´ー`)」

「むつみちゃん、しんどくないか?」

「今日はOKよ。気温高いけど天気いいから。

 でもそろそろ時間が、お昼だね」

 

× × ×

というわけで、そうめんを作ってキョウくんと食べた。 

 

『ツユが自家製のそうめんなんて初めて食べる!』って、

驚いて、喜んで、キョウくんは食べてくれた。

 

ダシのとり方を知っていてよかった、と思える瞬間である。

 

「あー美味しかった」

「ねえ、キョウくん、昼休憩も兼ねて、なんだけどーー」

「?」

「あのね、あのね、この家、ピアノ置いてある部屋があるの」

 

× × ×

ピアノの部屋

 

「なにか弾きたいと思ったの。思ったんだけど、思ったんだけど」

「んっw」

「ご、ごめんねw

 (・∀・;)実を言うと、何を弾けばいいか、迷ってるの。

 えっとキョウくんはーー電車好きだよね、もちろん」

 

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 ↑詳しくはこちら

 

「(・∀・;)そんでもって、中心人物が鉄道をこよなく愛している、わりと有名なロックバンドがあるんだけどね。

 

くるり』って知らない?

 

「(即答)知らないなぁ」

 

「(∀・;)そ、そうなのね。鉄道大好き云々別にして、いい曲いっぱい作ってるんだけど、」

 

どうしよっかあ・・・・・・。

 

岸田繁アイデンティティが反映された楽曲。

 

赤い電車』はポピュラーすぎる。

『トレイン・ロック・フェスティバル』はわたしが好きじゃない。

なら『オールドタイマー』が無難か……?

 

いや。

素直に、いま心に思い浮かぶ、くるりの楽曲を弾こう。 

 

 

ワルツを踊れ Tanz Walzer

ワルツを踊れ Tanz Walzer

 

 

「『ワルツを踊れ』っていうアルバムに入ってる曲なんだけど、ちょっとマイナーすぎかもしれないけど、けど、」

「いいじゃん関係ないじゃんマイナーとか。弾いてみてよ。

 ぼく、むつみちゃんが好きな曲、むつみちゃんのピアノで聴いてみたいよ

「ーーありがと。」

 

スロウダンス slowdance

 

「……すごいな、むつみちゃんは。

 すごいよ、すごい」

「すごい、って何回言うのよw」

 

内心すごく嬉しいけど。 

 

「なんて曲だったの? 今のは」

「『スロウダンス』。」

「欲を言えば、歌ってほしかったな。『弾き語り』ってやつ。

 むつみちゃん、歌うまかったじゃん」

「(体温の上昇を感じながら)え、えーっとね……、

 歌詞は、まだ早いかな、と思って

「?」

弾き語りは…もう少し待ってね、準備が要るの

「ああ、歌詞を覚えないといけないもんねえ」

「そう、それもある」

 

ほんとはそういう準備じゃない。

『スロウダンス』の歌詞は暗記してる。

「準備」を、「心構え」と言い換えてもいい。

 

ううん、「心構え」というよりもーー、

たぶん、恥ずかしさの克服。

 

 

 

「ところで、全然ちがう話だけど、キョウくん」

「はい」

「きょう、観たいテレビとかある?

 ぐ、ぐ、ぐたいてきにいうと、2時40分から4時のあいだで」

「いや、テレビなんかより勉強だよ」

「べ、べ、勉強もいいんだけど……2時40分から4時のあいだって、さっきわたし言ったけれど、」

「??」

「わたしその時間帯フジテレビ観たいの」

「ふーん。ずいぶん具体的だね。わかった、その時間帯は自習してるよ」

 

セーーーーーーフ。

 

波乱が観たいなあ。

コズミックフォースみたいな馬、いないかなあ。 

 

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