【愛の◯◯】「文字数が多いから良いってわけでもない」

 

「アツマくん、今日は短縮版よ」

「あー、土曜だからか、愛」

「まさに」

「長さは?」

「今日はうーんと短く。500字か600字ぐらい」

「ハァ!?!? いくらなんでも短すぎだろが!! 500や600じゃ、なんにも表現できねーよ」

「アツマくん怒らない」

「や、怒るから」

「アンガーマネジメント。マインドフルネス」

「それがどうした……」

 

× × ×

 

「愛よ。おまえは、思わないか?? このブログ、記事1つ分の文字数がどんどん減ってる気がするんだが」

「それがどうかしたの?」

「2020年度の記事とか、分量がどれも今の倍ぐらいだったぞ」

「過去は過去でしょ」

「それを言っちゃ、なんにも言えんくなる」

「バカね」

「うるせぇ」

「――ブログの『中の人』が、先日わたしに話してくれたんだけど」

「どんなことを」

「かつては、下書きをせずに、書いたものを『その場』でブログに放流(アップロード)してたんだって。でも今は、前もって下書きを作ってから、プリントアウトした下書きを見ながら当日に編集画面に打ち込んでるそうで」

「……あれか? 下書きと『清書』で2倍手間がかかるから、文字数が半減するのもやむを得ないってことか」

「その代わり、ブログ記事の『精度』は上がっているわ」

「『精度』とか、曖昧模糊な」

「曖昧模糊でもいいじゃないの。モコモコだし」

「……おまえの言ってることも管理人の言ってることも呑み込めねぇぞ」