【愛の◯◯】アツマくんにあらぬ妄想を促す短縮版……

 

「アツマくん」

「なに」

短縮版!!

「おー」

 

× × ×

 

「なんかさいきん、短縮版、多くねえか?」

「…気のせいでしょ」

「ほんとかなあ」

「きょうは…900字程度で」

「900字!? 少なっ!!」

「す、少なくないわよ、短縮版なんだし」

 

「――なんかさあ」

「なによアツマくん」

「近ごろ、短縮版じゃなくっても、記事の文字数が、全体的に減ってきてるような気がするのだが?」

「…気のせいじゃないの?

 …減ってるとしても、分量短めなほうが、読むひとにとってはサクッと読めていいでしょ。読者のかたがたの手間も考えてるのよ」

「考えてるって、だれが?」

「管理人さんが。」

「フム……。

 ま、書く分量が短めなほうが、管理人のヤローもじぶんへの負担が少なくていいだろうな」

コラ!!

「うわっなんだ愛。怒鳴りやがって」

「あなたはもーちょっと管理人さんを敬いなさいよ」

「ヤダよ」

「ヤダって言わない!

 わたし、『愛ちゃんパンチ』するわよ!?」

「『愛ちゃんパンチ』、って」

「な、なにかおかしい!?」

「ずいぶんかわいいネーミングだなあ~~」

 

× × ×

 

「けっきょく、パンチ食らっちまった。『管理人さんに代わっておしおきよ』ってか」

セーラームーンネタは古いわよ。――今年で放映開始30周年なんでしょ?」

「なんでおまえが知ってるんだ」

「こ、こ、こまかいことは、ともかく!

「ぐわ」

「話を変えるわよ…。いいわよね?」

「なんの話すんの」

「…おとといときのう、あすかちゃんが、アカちゃんのおうちに泊まりに行ってたわよね」

「行ってたが」

「……」

「…なんだぁ??」

「……ヌフフ」

「そ…そんな笑いかたするなよ。せっかくキレイな顔してるんだし」

「ヌフフノフ」

「おい!」

「あのねえ」

「…??」

「おとといの、夜ね……。

 あすかちゃん、アカちゃんといっしょのベッドで寝たんだって♪」

 

「……それが?」

 

「ずいぶん、ふたりの距離、急接近してると思わない?」

 

「急接近もなにも……。女子同士だろ? いっしょのベッドで寝たって、違和感とか、ない……」

 

「――想像してるんでしょ、アツマくん」

「なにを」

「ベッドのなかで寄り添う、あすかちゃんとアカちゃんを――」

 

「……してねーよ!! どんな趣味だよ、おれにそんな趣味ねえよ!!」

 

「でも、顔、赤くなってるわよね??」

 

「…けっ」

 

「否定できな~い☆」