【愛の◯◯】バレンタインの務めと部長の務め

 

はい、あすかです!

久々の、更新再開です!!

 

――久々、といっても、4日間休んだだけなんですけどね……。

 

いままでの更新頻度が、おかしかったのかも??

去年とか、365記事……つまり、毎日欠かすことなく更新していたし。

 

ただ、管理人さんにとっては、もはや、休んでしまうと調子が狂ってくるというのも事実。

管理人さんにとっては。

そう…管理人さんにとっては。

 

ブロガーホリックですか。

 

× × ×

 

『更新再開1発目が、バレンタインデー当日だなんてね』

 

そう思いながら、邸(いえ)を出て、学校に向かった。

 

――お邸(やしき)には、3人、男子がいるわけで。

バレンタインにおける、兄や利比古くんや流さんへの対応については……べつの話だとして。

 

わたしはチョコレートが入った袋を2つ持って、学校に向かっていった。

校地に入るなり、じぶんの部活の活動教室へと、まっしぐらに突き進んでいく。

 

× × ×

 

放課後から登校したから、重役出勤みたいな感覚だ。

 

重役出勤が良いか悪いか、はべつとして、スポーツ新聞部活動教室の扉を元気に開け放ち、元気に後輩のみんなに挨拶する、わたし。

 

……スポーツ新聞部。

男子がふたり、いるわけで。

 

将棋盤の上の世界に没頭している加賀くんのほうに、まず向かう。

 

「ヤッホー」とわたし。

「なにがヤッホーだ」と加賀くん。

生意気だ。

将棋盤から、顔を上げてくれもしない。

 

「あいも変わらず、素行不良だねぇ」とわたし。

「……不良じゃないから」と彼。

反抗しちゃってー、もう。

「――あんまりお行儀が悪いと、『藤井聡太のなりそこね』って言っちゃうゾ」

はあっ!?

挑発にまんまと乗り、立ち上がる加賀くん。

こうでもしないとねえ。

「ひでぇよ、あすかさん。いつも以上に」

「それはゴメン」

「……」

「お詫びに……」

「……お詫びに?」

「おねーさん……羽田愛さんの画像、見せてあげよっか」

 

「羽田愛さん……??」

 

「だれ、とか言わせないよ。わたしんちに居候してる、超美人なスーパーカリスマ女子大生だよ。説明したことあるよね?」

 

「……」

 

「おぼえてないの。信じられない」

 

「……」

 

「きっとキミはおぼえてくれてるって思ってたのにぃ。信じられないなー。……加賀くんの大好きな、年上のお姉さんの画像なんだけどなー」

 

「……『年上のお姉さん』を強調すんな。バカバカしい」

「見たくないの?? それも信じられない」

「……。あのさ」

「??」

「きょう、どんな日か……知ってんだよな、もちろん、あんたは」

「!」

「去年は……その、くれただろ? あんた。義理チョコ、だったけど……」

 

あら~~。

 

「もしかして、欲しがってるの!? チョコを。信じがたい積極性!!

「……ショックだから」

「なーにが??」

「去年、もらえて、今年、もらえなかったら、ショックだから」

「たとえ、義理だとしても??」

「……ああ」

 

予想外の加賀くんの積極性だったが、こころを乱すこともなく、わたしはバッグのファスナーを静かに開ける。

 

「――はい。義理チョコ2連覇達成だね、加賀くん」

手渡すわたしに、受け取る加賀くん。

「ありがとう」

ぶっきらぼうに彼は言う。

ちゃんと言えたね、「ありがとう」って。

嬉しいよ。

 

× × ×

 

義理チョコを手渡されて気恥ずかしいのか、加賀くんは将棋盤の前を離れ、窓辺に立って外を見ている。

 

そんな加賀くんのことをさして気に留めることもなく、もうひとりの男子のもとに――わたしは近寄っていく。

 

会津くん」

と呼ぶわたし。

「はい」

と応答の会津くん。

堂々としてるなー、だれかさんと違って。

偉い。

 

「…当然、会津くんにも、バレンタインチョコ、持ってきてる」

「ありがとうございます」

「渡すね」

 

会津くんにチョコ袋を手渡すと同時に、

「キミには……この部活の、『舵取り役』になってほしい」

と言う。

「舵取り役、ですか」

「そ。……わかる? わたしが言わんとしていること」

「フィーリング……ですけど」

「オッケーオッケー。フィーリングでもオッケー」

 

頼むよ、会津くん。

頼もしいから、キミは。

 

 

…背中に、女子ふたりの気配。

 

「もうふたつ、もらえそうだね、会津くん」

「…そうですね」

「わたしは、加賀くんといっしょに、外の風景を眺めておくから……」

「……はい」

「あとはよろしく」

 

× × ×

 

女子ふたり、とは、

モチのロン、日高ヒナちゃん&水谷ソラちゃんの、1年生コンビであったわけなのだが、

会津くんをめぐる、バレンタインのご様子は……また、べつの話。