あたし、伊吹!
伊吹は旧姓で、ほんとは「白川」だけど、
みんな「伊吹先生」って呼んでくれるから、
伊吹!!
放課後
図書館
で
文芸部
羽田さん(高等部2年)「あっ、伊吹先生が読書してる」
川又さん(高等部1年)「ほんとだ、珍しいですね」
あたし「orz あのねえ……
あたし、文芸部の顧問なんですけど」
川又さん「そうでした、すみませんでした」
羽田さん「……」
川又さん「は、羽田先輩もあやまるべきでは」
あたし「そうよん♫」
羽田さん「図書館にありましたっけ?」
あたし「(;・∀・)し、しつれいなっ。わたしの所有物に決まってるじゃないの」
川又さん「そ、そうですよ先輩、先生に失礼ですよっ」
羽田さん「すみません。
そういえば先生は、荷風の『濹東綺譚』で卒業論文を書かれたんでしたっけ」
あたし「…どうして知ってるの…」
羽田さん「前に先生が自分からおっしゃっていたじゃないですか」
あたし「ウソっ」
bakhtin19880823.hatenadiary.jp
羽田さん「読者の皆さんは証拠があるので↑を閲覧してください。
ーーCMでした」
あたし「…(;・∀・)羽田さん、なんか、フキゲン?」
羽田さん「(ムスッとして)……別に」
あたし「さ、沢尻エリカのモノマネ、うまいねw」
羽田さん「……誰ですか?」
× × ×
喫茶店『メルカド』
羽田さんのテンションがおかしい。
甘いもので手懐(てなず)けるわけじゃないけど、
教師として心配なので、
案の定『メルカド』で緊急面談を行うことに。
「羽田さん、ドリンクはホットコーヒーだったよね?」
「コーラがいいです」
Σ(;・∀・)え、ええっ、どうしちゃったのこの子
「し、知ってる? 羽田さん、きょうは永井荷風の誕生日なんだよ。
それで『断腸亭日乗』を学校に持ってきて、読んでたの」
「(知らなかったのが心底悔しそうな顔で)
そうだったんですか……」
・コーラが運ばれてくる
ジュゴゴゴゴ…とストローでコーラを一気飲みする羽田さん。
やっぱり、変。
なんか、コーラ飲んだら、彼女の顔が、次第に赤くなってきたし。
まるで、お酒を飲みすぎたみたいに……
まさか……
「アツマくんが!!!!!!
アツマくんが、わたしが貸したCDのケース割った!!!!!!
おとうさんからもらったCDだったのに!!!!!!」
「( ゚д゚)ポカーン
ーーもしかして、アツマくんとそれ以来クチきいてない、とか?」
「そうなんです!!!!!!!
アツマのバカ、バカ、大バカ!!!!!!!」
「それでご機嫌斜めだったのかー。
で、でも、少しおちつこう?w」
…羽田さんって、
こんな大きな声、出せたんだ。
「いぶきせんせえ~ こんばんいぶきせんせえのいえにとまらせてください~ アツマくんのかおみたくない~ なんでもしますから~りょーりだっておそうじだってせんたくだって~ ダンナさんのじゃまはしませんから、なんならふーふせいかつのじゃまだってしませんから~ わたしがごほうししてあげますから~いぶきせんせえのかぞくになったっていいんですから…」
「(; ^_^)…出ようか。」