「(゜o゜; え、アン……、この本、わたしのために買ったの!?」
「( ^ω^)そうだよーん♫ 最初のバイト代が入ったから、はーちゃんにプレゼントで」
「(・・;)ほんとにもらっちゃっていいのかな」
「( ^ω^)なにいってんのw はーちゃんが前に『読みたい』って言ってたじゃん、この本」
「……よく『ソシュール』っていう人名と『一般言語学講義』っていう書名を覚えてたわね」
「その場でメモったから」
「あんたがなにかメモ書きしてるとこ、見たことないんだけど?」
「紙に、じゃあないよ。
スマホに」
「あ、そういう手があったか……」
「でもこの本たしか定価で4000円近かったでしょうに」
「余裕だった」
「なにが!?」
「おカネに決まってるでしょ❤」
「そんなにもらえるの!?」
「塾講の余裕♪」
ーーというわけで、
葉山むつみ、18歳、
生まれてはじめて、
人に本をプレゼントされた。
× × ×
「そういえば、はーちゃんの誕生日はいつ?」
「11月21日」
「愛ちゃんの誕生日の1週間あとじゃん!」
「羽田さんは2個下だけど…たしかにね」
「だから似てるのかなあ」
「な、なにが!?」
「体型がw」
「どういう因果関係!?」
「はーちゃん身長は?」
「160.5センチ」
「それ愛ちゃんとまったくいっしょだよ」
「もしかして体重も訊く気?」
「スリーサイズも訊きたかったんだけどw」
「ばかっ!」
「口で言うのはイヤだから、いま紙に書いて教える」
「(・∀・)えっ教えてくれるの♪」
(黙って数値を書いた紙を差し出す…)
「やっぱり愛ちゃんとほとんどいっしょじゃ~ん!w
よかった~w」
「(-_-;)なにがよかったわけ……」