わたしは、同年代の友達との、「話し方」がよくわからない。
わからないまま、ここまで来た、来てしまった。
2000年度生まれだというのに、90年代はおろか、「昭和」のものごとが好きすぎて、同級生とのコミュニケーションで、度々「すれ違い」を起こしてきた。
そんなとき、ネットで『京王閣』さんというひとと知り合い、スカイプやLINEで、サシ向かい、つまり1対1で、ことばを交わし合うことを重ねた。
『京王閣』さんも、自分が生まれる前のことにしか興味がないと、わたしに打ち明けてくれた。
『京王閣』さんの顔も声も知らない。
年齢も。
性別が男性であることだけ。
ーーどこに住んでるかどうかは、『京王閣』というハンドルネームで、かなり見当がついてしまう。
わたし「えー、次で最終問題です」
葉山「あれ、つぎ第7問でしょう」
羽田さん「そうですよ、1問はやいんじゃないですか?」
わたし「・・・・・・最終問題、
わたしの誕生日はいつでしょう」
葉山「(ガバァと立ち上がって)ちょっと小泉! 適当に流すんじゃないわよ」
わたし「・・・・・・( ・_・)」
葉山「(・へ・;)」
羽田さん「落ち着いてください葉山先輩、あんまり急に立ち上がると先輩本気で危ない状態になっちゃう」
葉山「危ないってのは、身体(からだ)のこと、それとも精神(こころ)の?」
羽田さん「両方です。」
葉山「小泉・・・・・・、
ヒントを3つくれなきゃ納得できない」
羽田さん「その前に倍率? はどうなるんですか」
わたし「最終問題なので『さらに倍』です」
『おおおおおおおーっ』
わたし「さらに倍。ドンッ!」
『・・・・・・』
タハハ、ずっこけた。
わたし「・・・・・・やっぱ、大橋巨泉がやらないと、さまになんないよね」
羽田さん「そ、そんなことより何点が何倍になるんですか」
葉山「(アサッテのほうを向いて)もう面倒くさいし当てたほうが勝ちにしたら」
わたし「じゃあほんとうに当てたほうが勝ちになるような得点にするから」
葉山「それ、意味あんの?(・へ・💢)」
わたし「ないよ。
( ^_^)」
葉山「開き直りじゃん」
羽田さん「そんなこと言っちゃだめですよ葉山先輩。葉山先輩も筋を通すなら、ちゃんと小泉さんにヒントを要求して・・・!?」
あれ・・・・・・
なんでわたし、泣いてるんだろ?
コントロールができない。
わたし「……わ、た、し…の、ぐすん、誕生日、は、とあるアイドル、の、ぐすん、誕生日と、お、おんなじ」
葉山「(頬杖ついて)……巨泉とは正反対。泣き落としなんて」
『あっわかっちゃった』
葉山・羽田さん「!?」
伊吹先生の付き添いだったはずの皆口先生「ご、ごめんなさい、大きな声出しちゃって」
羽田さん「小泉さん、それが、ひとつめのヒントなんですね」
ハンカチで顔を拭ったわたし「うん。もう泣かない」
わたし「ふたつめのヒント。
ふたつめに少ない公倍数は8」
葉山「は!?」
羽田さん「冷静になってください。これ、かなり絞れるーーというか、よっつにひとつじゃないですか?」
皆口先生「アッたしかに」
伊吹先生「公倍数ってそもそもなんだっけ」
皆口先生「そんなんだから早稲田にたまたま引っかかるレベルなのよ」
伊吹先生「皆口先生もわたしの出た大学早稲田だと勘違いしてる」
皆口先生「違ったっけ」
伊吹先生「違います、私大文系しか受けなかったのは、事実ですけど」
冷静さを取り返したわたし「最後のヒント。
『みずがめ座』」
葉山「・・・・・・なんで自爆みたいなことするかなあ。」
羽田さん「(^_^;)」
葉山「ところで、
『さらに倍』って、いったい何点だったのか」
羽田さん「『得点が何点かに意味がない』って小泉さんにキレてたの、葉山先輩じゃないですか(-_-;)」