羽田愛「……でね、このニコライ・スタヴローギンってヤツが、とんでもないヤツなの。もちろん悪い意味で。知ってるでしょ、スタヴローギン? 有名な小説の登場人物だし」
青島さやか「うん、知ってる」
愛「スタヴローギン、単に主語が下の名前で『ニコライ』とだけ書かれることも多いから、気をつけてね」
さやか「翻訳のロシア文学っぽいね、それ」
さやか帰宅
戸部アツマ「いい子じゃないか」
愛「一度いっしょに演奏してみたいわ。こっちはピアノ、あっちはバイオリンで」
アツマ「でも、青島さやかさんだっけ、彼女もワケありというか……問題を抱えてるみたいだなあ」
愛「あなたも支えになってあげて、アツマくん」
アツマ「おれになにができる?」
愛「できるじゃん。いろいろ」
アツマ「たとえば?」
愛「……あのね、最近思うの」
アツマ「どんなことを」
愛「アツマくんは、『いてくれるだけ』で、わたしたちのためになってくれるって」
アツマ「へえ……そりゃどうも(^_^;)」
愛「いてくれるだけで、わたしたちを幸せにしてくれるって、すごいことよ」
アツマ「そこまで言うかいな(^_^;)」
愛「ねえ、前にわたしを立ち直らせてくれたように、わたしとアツマくんで、さやかさんの支えになってあげようよ」
アツマ「……そうだな」
夜
浴場の付近で、愛の悲鳴がーー?!
愛「(脱衣所にあったあらゆるものをアツマに投げつけて)バカバカバカバカバカバカ!! カバ!!!!!」
逃げ惑うアツマ「うわあああああああああああ! ゆるせええええええええええええええええええええええ」
戸部あすか「お兄ちゃん」
アツマ「あっ」
あすか「だいたい見当つくけど、うっかりお姉さん(=愛)が服を脱ごうとしているところに入ってしまったと💢💢」
アツマ「名探偵アスカだ」
あすか「まったく性懲りもなく💢💢」
アツマと愛は携帯電話の通話を通して和解することに
『あのな!! あんまり見てないから』
『わたしのブラジャーのカップは、水色でなんの模様もついてなかった。◯か×か?』
『◯』
(ドカドカドカドカドカ)
あすかの声『気持ちはわかります!! 気持ちはわかりますから』
アツマ「((((;゚Д゚))))ヒェー 愛にとうとう殺されるのかおれ」
ドアをテニスラケットの柄のようなもので小突く音
『ごんごんごんごんごん』
アツマ「えーっと、パンツは見てないから(;´Д`)」
『はぁ!?』
アツマ「下は制服のスカートだったはず」
『ゴンゴンゴンゴンゴンゴン』
アツマ「その、上の……ブラジャーが見えたのは、ほんの一瞬であって」
『ゴンゴンゴンゴンゴンゴン』
アツマ「というか、自分で自分のブラジャーの柄を晒すとか、読者サービス良すぎて違和感あるな!?」
『ゴンゴンゴンゴンゴン ミシッ』
アツマ「ぎゃああああああああああ」
追記
流さん「えーっと、ぼくの先輩が、愛ちゃんとあすかちゃんの似顔絵を書く、という話があったと思うんですが、」
bakhtin19880823.hatenadiary.jp
流さん「似顔絵を書く先輩が、腰を痛めてしまったので、無期限延期になりました……申し訳ありません(*_*;」