【愛の◯◯】【愛&葉山】失敗なんか、ないんだよ。

My Little Lover「Man & Woman」(弾き語りbyわたし)♫

 

evergreen

evergreen

 

 

羽田さん「先輩・・・」

わたし「なあに?」

羽田さん「歌上手いですね」

わたし「ほめてくれた!」

羽田さん「でもわたしのほうがもっと上手いです

わたし💢「( -_-)ふーん」

 

 

♫ラーズ「There She Goes」(by羽田さん)♫

 

La's

La's

 

 

羽田さん、イントロを弾き始めたがーー

 

羽田さん「あ、あれ、トチっちゃった」

わたし「めずらしい、羽田さんがピアノミスるなんて

羽田さん「( ;゚д゚)ウッ」

 

「( ;゚д゚)……」

 

わたし「どうしたの」

 

「(;;゚д゚)……」

 

冷汗をかき始めたわたし「ねえ、どうしたのよ!? 

 (本気で焦って)愛さん!!

 

愛さん「(((( ;゚Д゚))))ガクガクガクガク」

 

ピアノにしがみつき、なにも出来ないでいる愛さん。

 

どうしよう、

伊吹先生、彼氏さんとどっか行っちゃった。

ほかの先生は……、ほかの先生は、

 

いない!?

 

そんな、そんな、

 

わたしまでおかしくなっちゃう、

 

愛さん「はぁ、はぁ、はぁ、

 ーーそ、そうだそうだ、深呼吸、

 

 すーっ、はーっ」

 

愛さん。

落ち着きを取り戻したかに見えたが、両脚がまだ震えている。

 

愛さん「(胸を手に寄せて)

 ーーいまここで、ピアノほっぽりだして、この会場から脱走しちゃったら、

 同じことの繰り返しになっちゃう。

 それはイヤだから。

 もう一度失敗するのイヤだから!!

 

そんなこと言ったって、

今の愛さん、ピアノや音楽のこと考えてる場合では…、

 

どうすれば。

どうすればいい?

 

心の中で、整理する。

 

・つい「ピアノミスるなんて」と言ってしまい、

・コンテストでの失敗のことを、彼女に蒸し返してしまった。

 

 

彼女は、愛さんは、二度と失敗したくないようなこと言ってるけど、

 

そこまで自分を追い詰めなくてもいい」って、

 

とことんまで、自分を自分で追い詰めて生きて来て、

いま、破綻をきたし、こわれかかっている、わたしだから、

 

そこまで自分を追い詰めなくてもいい」、

 

そう、愛さんに、

言ってあげられれば、

言ってあげられれば、

言ってあげられれば、

 

わたし(絶叫)「あの失敗は失敗なんかじゃないよおおおおおおおお!!!

 

わたし「((((;゚Д゚  ))))ハァ,ハァ」

 

愛さんが、向かい合わせになってるピアノから立ち上がって、過呼吸気味のわたしに近寄ってくる。 

 

愛さん「(わたしの肩を抱いて)どうしたの、先輩?

 観てる人、びっくりしてるでしょ。

わたし「(とめどもない早口で)あなたあのコンテストで失敗なんかしてないから!あなたを威圧してきたのわたしの方だし!失敗と成功の境界線なんてない!!取り返しがつかないことなんて絶対絶対ない!!ごめんなさいごめんなさい羽田さん!!わたしのほうがあなたを圧迫してて!!あなたを追い詰めたのはわたしだから、羽田さんが自分で自分を追い詰めるなんておかしいから、追い詰めなくてもいい!!!

 

「(わたしのオデコに手を当てて)センパイ、嘘言ってる。」

嘘なんか言ってないよぉぉぉおおおおお!!

「わたしね、

 わたし、センパイに追い詰められたなんて、一ミリも思ってないから。

自分で自分を追い詰めてるの、センパイのほうじゃん。

 センパイには、そういうつらい思い、もうしてほしくないな。

 

そう言って… 

羽田さんは、

わたしの上半身を、包み込んだ。

 

会場から、かすかに、感動してるのかどうか知らないけど、すすり泣く声も聞こえてきて、

わたしの号泣を、かき消してくれている。 

 

「羽田さん……(´;ω;`)」

「苗字呼びに戻ったw」

 

 

 

「羽田さん。

 もう一度、あなたと歌いたい」

「わたしもだよ、セ・ン・パ・イ。」