【愛の◯◯】『ヒカルの碁』世代の先生は、いらっしゃいませんか?

 

「こんにちは~。今週もお疲れ様です。

 金曜日のランチタイムメガミックス(仮)、行ってみたいと思います!!

 

 ――さて。

 明日から3連休ですよ、皆さん!

 そして、連休明けの火曜日から3日間登校したら、またもや3連休!!

 すごいですね~~。

 

 …まあ、ぼく3年生だし、刻一刻と受験シーズンも近づいてるんで、連休ずくめだからといって、あんまり浮(うわ)ついてはいられないんですけどね。

 でも、2年生と1年生は思いっきり満喫しちゃってください。

 ね?

 ぼくとの約束ですよ、下級生の皆さん☆

 

 ――さてさて。

 今日は早速ですが、新しいコーナー、行ってみたいと思います。

 

 題して、『部活PR(仮)』!!

 

 えー、コーナー名そのまんまで、部活動の部員のかたに自分の部をPRしてもらう、という趣旨のコーナーであります。

 あまりにも平凡なコーナー名ゆえ、(仮)が付いているわけなんですが。

 

 …それはともかく、栄(は)えある第1回のPR部活は、囲碁です!!

 

 ぼくのもとに、囲碁部のメンバーからPRメッセージが届いていますので、読み上げてみたいと思いますよ。

 

 

『羽田先輩こんにちは。わたしは、いつも楽しくお昼休みの放送を聴かせてもらっています。これからも頑張ってください。

 さて、わたしたち囲碁部は、現在総勢18人の部員で、日々囲碁の腕を磨いております。

 囲碁の上達のために、どんな内容の活動をしているのか…を説明するのも、いいんですけど。

 

 …最近、囲碁部のあいだで、すごいブームになっている漫画があって。

 

 そう――『ヒカルの碁』です。

 

 週刊少年ジャンプに連載されていたのも、アニメが放映されていたのも、わたしたちが産まれる前のことなんですけど、そんなことはどうだっていいんです。

 

『それでも歩(あゆむ)は寄せてくる』とか『龍と苺』とか、最近は将棋漫画のほうが目立っている感じがありますけど、『ヒカルの碁』だってめちゃめちゃ面白いんです!!

 

 詳しいあらすじ説明は省きますが、特に、主人公の進藤ヒカルに取り憑(つ)く最強の棋士藤原佐為(ふじわらのさい)が、とにっかく魅力的なキャラクターなんですよ!!

 佐為大好き!!!

 

 ――『ヒカ碁』は部室に全巻あるので、読みたいひとは訪ねてきてください。

 もちろん、『ヒカ碁』にハマったら、そのまま囲碁部員になってくれてもいいんだよ!?

 

 わたしたちと一緒に、神の一手を目指しませんか……!』

 

 

 ……これは、囲碁部のPRだったんでしょうか、『ヒカルの碁』のPRだったんでしょうか。

 とにかく、『ヒカルの碁』がすごいんだよ、っていう想いは伝わってきました。

 …実は、ぼくも『ヒカルの碁』、読んでいて。

 姉のほうが先に読んでて、『あんたも読んだら?』って勧(すす)められたんですよ。

 月並みな感想ですが…ぼくも佐為は好きでしたね。

 放送時間の問題で、詳しい感想は後日に回しますけども。

 

 …囲碁部の子から、『ヒカ碁』が好きなのが存分に伝わってきましたので、この楽曲をかけてみようと思います。

 

 お聴きください。

 

 片瀬那奈で、『FANTASY』」

 

× × ×

 

「――はい。どうだったでしょうか。

 いま流した曲は、アニメ『ヒカルの碁』のオープニングテーマだった曲です。

 アニメの『ヒカ碁』は主題歌がいろいろあるみたいなんですが、その中からこの曲を選んだのを、意外に思われたかたもいらっしゃるかもしれません。

 

 ぼく、調べたんですよね。

 なにを調べたかっていうと、『ヒカ碁』の連載期間と放映期間について。

 漫画の連載期間は、1999年から2003年。…正確には98年から、なんですけど、まあいいでしょう。

 アニメの放映期間は、2001年から2003年。

 

 なにが言いたいかっていうと――この作品は、ぼくら生徒よりも、先生がたの世代の作品なんではないか? って言いたいんですよ。

 だって。だってね。

 漫画もアニメも終わった2003年に中学1年だったひとって、1990年産まれってことでしょう?

 となると、現在はもう30代ですよね。

 だから――わが校の先生がたの中にも、直撃世代で『ヒカルの碁』を愛読されていた先生が、何人かいらっしゃるんではないか――と、こう推測するんです。

 

ヒカルの碁』が好きな先生がいらっしゃったら、是非ぼくに、ご連絡ください。

 どういった手段でもいいんで、ご連絡ください。

 

 ――あ。

 下駄箱にお手紙を入れるのだけは、厳禁で……。

 

 そんなことする先生なんて居ないって、信じてるけど。

 信じてるけど、ね…」