「はい、みなさま、こんにちは!
浜辺美波と申します、
――、
――、
というのは、嘘で、
いつもどおり、2代目パーソナリティのわたくし板東なぎさがお送りする、『ランチタイムメガミックス(仮)』のお時間なわけです。
浜辺美波になれたらなあ。
……というのは、冗談ですが、
ともかく、金曜日です。
金曜のお昼ですよ!!
プレミアムな放課後を過ごすために、みなさん、残りの半日、がんばっていきましょうねー。
金曜といえば。
みなさんのお家(うち)は、金曜の夜に、カレーライスを食べますか?
そういう風習がある家庭もある、って聞いたんですけど――。
ソース?
出典の在(あ)り処(か)ですか?
そんなもの、あるわけないじゃないですか。
ソース、といえば、
わたしの家では、カレーライスの隠し味に某食品メーカーのソースを入れるんですけど、
これって――たぶん、ウチだけじゃないですよね。
カレーの隠し味に、ソースって。
そーすっと、味わいが深くなる……、
ソースだけに。
――はい、冷えました。
脱線はともかく、ウチではべつに金曜日に必ずカレーだとか、そういう風習なくて、どんな曜日でも勝手に食べてるんですけど、『金曜の晩はカレー!』って家訓みたいなルールがあるお家(うち)も、少なからずあるみたいですね。
海上自衛隊とかも、そうなんですっけ。
――で、こんな話が、きょうの放送の主目的(しゅもくてき)なわけじゃーないんですけれども、
ここで1曲、
くるりで『カレーの歌』」
× × ×
「――はい。
2001年のアルバム、『TEAM ROCK』から。
…20年前の曲を流してしまいました。
わたしたち、まだ産まれてませんよね。
そもそも、くるりってバンドの存在、知ってますか?
わたしたちヤングジェネレーションのあいだでの、知名度的に、心もとない……、
ま、いいんですよ。
音楽に、旧(ふる)いも新しいも、ないんです!!
ないんです!!
たぶん!!
――どうしてわたしがこのアルバム知ったかっていうと、
『立命館大学に絶対に入りたい』
っていう確固たる信念を持った、クラスメイトがいて。
もちろん名前は明かさないし、性別も明かしませんが、
『立命館大学信者』みたいなその子から、アルバムのCDを渡されて、知ったわけなんです。
だから、その子は当然のごとく、くるりを認知していて、CDも持っていたと。
…受かるといいですね、立命館大学。
わたしは応援してるよ。
嘘じゃないよ、
本気で。
マジで。
……、
え~、きょうは、ゲストコーナーと朗読コーナーは、お休みです。
代わりに、おたよりを読んでいきます。
まず、
ラジオネーム『セレッソ大阪信者』さんから。
『板東さんは、将来どんな仕事がしたいんですか?』
お答えします、
――まだ早いでしょ。
言うのは、まだ早いよ、セレッソ信者さぁん。
まだ、高校2年の3学期でしょ?
そういうこと打ち明けるのは、焦(じ)らすだけ焦らしたいの、わたし。
面白くないっしょ。
セレッソ信者さん、もしかして――、せっかち?
せっかちなだけじゃ、ガンバに勝てないよ。
――すみません、
Jリーグの力関係とか、良く知らないまま、言ってます。
知ってるのは、セレッソがヤンマーディーゼルで、ガンバがパナソニック、ってことだけ――。
そうですよね?
……そうですよね? って言ったって、だれも教えてくれない状況なわけですが。
ブースにひとりだし。
釜本邦茂さんは、どっちのOBでしたっけ??
教えてくれたリスナーのかたには、タコ焼きおごってあげます。
嘘じゃないですよー。
ほんとにタコ焼き食べさせてあげますよ。
……そのタコ焼きが、銀だこのタコ焼きであるかどうかは、保証できませんけど。
――続きまして、
ラジオネーム『佐倉綾音大好き人間』さん。
……覚悟のこもったラジオネームですね。
『板東さん、ファンです。
ファンなので……、
こんど僕と、埼玉県に行きませんか!?』
これは――、
正直、コワいなーっ。
だいいち、
『埼玉県に行く』って、抽象的すぎるでしょ、あまりにもっ!
抽象的な、あまりに抽象的な――、
キミ、
埼玉県のどこにわたしを連れて行きたいの??
秩父?
長瀞?
飯能?
所沢?
川越?
大宮?
浦和?
いったい、どこに……。
コワいよ。
しかもさぁ。
キミ、『佐倉綾音大好き人間』なんだよね。
声優さんだよね、佐倉綾音さんって。
そんなに彼女が好きなのなら――、
ファンを貫き通しなさいよ。
なんでわたしなんかナンパしてるわけ!?
二股(ふたまた)!?
ねえ!!!
あ、そうか。
声優さんと現実の人間は別腹、ってことか。
どういう線引きかなあ……。
キミ。
こんなことでは、キミの将来が思いやられるよ。
岡村隆史さんだったら、『毒まんじゅう差し上げます』とか言ってるところだけど……これは元ネタ古すぎるか。
オールナイトニッポンってわかる?
コーナーにハガキ投稿するひとを『ハガキ職人』って言うんだけど、
あんまりにも酷いネタハガキばっかり送りつけてると、『破門』されてしまったりするんだよ、ハガキ職人。
……キミを、試しに、破門してみようか。
名誉の犠牲ですよ、これは。
『佐倉綾音大好き人間』さん……」