・競馬中継、終わる
G1レースで、1着入線降着って、
たぶん、リアルタイムで見たのは、初めて。
♫バイブ音♫
「あ、
羽田さんからだ」
× × ×
・TEL
『こんにちは葉山先輩。ちゃんと起きてましたか?』
「なかなかきびしーねー羽田さんは。こんな時間まで寝ないよ、わたしは」
『そうですかよかったです。
ーー雪、降ったんで。
ーー気温、急激に下がったでしょ?
だから、わたし心配だったのセンパイ』
「ーーあはw
たぶん、あなたからも電話が来ると思ってた」
『わたしから『も』?』
「そう。
いろんな方面のひとから、ガンガン電話がかかってきてさ~」
『きょうですか?』
「きょう。ひっきりなしに。
ーー考えてることは、みんな同じなんだなって」
『でも、気づかってくれて、うれしいんでしょ?』
「あたりまえよ!w
いろんなひとと、つながってて、
そのつながりが増えたんだなーって、実感した」
『センパイ、わたし、定期的に電話しますから』
「そ、そこまでわたし心配!?」
『いいえw
こっちもタイクツなんですよお~~!ww』
「あ、そうか。学校が始業するメドが立たないもんねえ」
『あまりにもタイクツなので、わたしが中等部のときのことを思い出したりしてました』
「その思い出、わたしも出てくる?」
『はい、センパイもふんだんに、出てきます』
「…じつはわたしも、羽田さんが『稚(おさな)かった』ころのこと、最近ときおり思い出してる」
『中等部のころのわたしですか?
やだなーそんなにこどもでしたかーっ』
「ピアノ、わたしよりヘタだったじゃん」
『……』
「わたしが読んでた小説の作者、名前すら知らなかったり」
『……』
『…………センパイ、
やりすぎは禁物ですよ』
「なにをやりすぎるの?」
『決まってるでしょ、それは。
…自分の胸に手を当てて、考えてみてください』
「やだなーw わたし、そんな胸ないからさーw」
『センパイ……』
「??」
『電話だから言えるんですけど、』
「???」
『センパイーー、たぶん、わたしが知り合ったときから、スリーサイズほとんど変わってませんよね?』
「こ、こらっ」