どうも皆様こんにちは。
羽田愛さんの1年後輩の、川又ほのかと申します。
さて、晴れて文芸部の部長も、羽田センパイにバトンタッチされたわけです。
羽田愛部長のもと新体制で活動する文芸部に乞うご期待ください……で終わってしまっては元も子もないので、
今までなぜか紹介してこなかった、わが文芸部の構成メンバーの方々を何人か、わたしが紹介してみたいと思います。
・松若 響子(まつわか きょうこ)センパイ:2年
「松若センパイは文学に造詣(ぞうけい)が深く、読書量の多さで有名です」
「川又さん、盛りすぎ盛りすぎww」
「え……でも……」
「あたし悪いクセがあるのよね」
「悪い、クセ?」
「読み始めた本を、最後まで読み終えられないの」
「そんなバカな、松若センパイはいつも本を持ち歩いていて…」
「でも持ち歩いてる本が、しょっちゅう変わるでしょ?」
「…」
「飽きっぽい、ってことよwww」
「…でっでも、読書会であんなに発言されてますし、言われてることもスジが通っていて、知識や読書力がないととてもあのような、」
「あたしの知識なんて羽田さんの半分以下だよ」
・口ごもるわたし
「ね?w そーでしょ。
それに『読書力』っていったいなんなんだろうね」
「といいますと」
「あそこに分厚い世界文学全集があるじゃない?」
「ありますが」
「あの一冊に何作品も収められていて、長編だって一冊に何作も入ってたりするわけじゃない?
全集だと一冊に複数入ってる長編小説が、ひとつの作品だけ、単独で文庫本になってること多いじゃん。
作品Aがあったとして、『作品Aだけで成り立ってる文庫本を読む場合』と、『全集のなかに入ってる『作品A』だけを読む場合』があるとするよ。
ーーどう思う? 川又さん」
「ど、ど、どう思うと言われましても」
「後者、『全集のなかに入ってる『作品A』だけを読む場合』って、作品Aを読んだことになっても、一冊の本を読んだことにはならないのかな」
「ならないのでは」
「でも、前者、『作品Aだけで成り立ってる文庫本を読む場合』は、作品Aを読んだら、一冊読んだことになるのは明らかだよね」
「つ、つ、つまり??」
「ーー読書力ってなんなんだろうね、読書ってなんなんだろうね」
「けけけ煙(けむ)に巻かないでくださいっ松若センパイ。松若センパイらしくないと思います」
「そんなになにからなにまでロジカルじゃないのよあたし。文系だし」
「『文系だし』が余計ですっ」
「たは☆ 後輩に怒られちゃったっ☆」
「……ごめんなさい。」
× × ×
・木幡(こわた) たまきセンパイ:2年
「大丈夫川又ちゃん? マツワカにいじめられた?」
「いじめられてはいません。でも優しくなかった……」
「マツワカだもの。そんなときもあるよ」
「あきらめるしかないのでしょうか」
「そんなときもあるってw」
「ところで木幡センパイは、
先々週は占いの本を、
先週はテントウムシに関する研究本を読まれていらっしゃいましたが、
今週はーー、
、
、
『誰でもわかる』…の、つぎのアルファベットは、なんて読むのでしょうか?」
「『誰でもわかるPython(パイソン)』だよ、川又ちゃん」
「パイソン、って、な、なんですか?」
「orz ああ…
木幡センパイが、また文学から遠ざかっていく…」
「しょげないでよ。
プログラミングだって文学要素あるじゃん」
「あるんですか!?
というか『文学要素』っていったいなんなんでしょうか!?!?」
『プログラミングも馬鹿にできないわよ川又さん。将来性あるし。
作ったり読んだりするひとには、文学のような芸術に見えてるかもしれないでしょ?』
「あっ羽田センパ~イ!!」
「どうしたのよ川又さん、
抱きついてきて、まるで迷子の子猫ちゃんみたいよw」
「(抱きついたまま)…言い過ぎです。
でもたすけてください」
「松若さんとたまきさんにメロメロにされちゃったのね」
「メロメロ???」
「羽田さん、メロメロはダサいよw」
「(ふー、とため息ついて、)たまきさんも困りものねえ。
今週はついにプログラミングに手を染めちゃったかー。
先週はテントウムシ研究本、
先々週は占い講座を読んでた。
いつになったら文芸書を読んでくれるのか……」
「ここは文芸部なので、木幡センパイ。
肝に銘じてもらわないと」
「てへへのへ♫」
「3週間前はヨーロッパの製薬会社創業者の自伝を翻訳で読んでた」
「羽田さんよく覚えてるね」
「4週間前はブラジル音楽の事典を読んでた」
「(少し動揺して)よ、よく4週間前まで覚えてるね」
「5週前はグリーンランド居住者の生態を文化人類学的に論じたーー」
「ちょっとまって! ちょっとまって!! 覚えすぎだからっ」
ーー木幡センパイも、けっきょく羽田センパイにはかなわないか。