『ただいまーっ』
バイトから帰ってきたら、愛がソファーで本を読んでいた。
「おかえり~アツマくん」
「なに読んでるの」
「エミリ・ブロンテの『嵐が丘』よ」
「ああ、名前は知ってる」
「知らないわけないよね。英米文学やるんだもんね」
「(^_^;)……プレッシャーか、それは?」
「プレッシャーじゃないよぉ」
「わかったわかったから」
「それがーーどうかしたか?」
「あ、アツマくんがのってこない」
「はぁ?」
「(;・・)なんでもない。
でもいずれはアツマくんも『嵐が丘』は読んでおかないとね。
たとえ翻訳でも」
「にしてもずいぶん分厚い文庫本だな。
手が疲れそうだ。
でも、愛だったら、1日で読みきっちゃうのかな~って」
「(ムスッとして)ーーなにそれ」
Σ(^_^;)え、なんかマズいこと言ったか!?
「ーー読めるわけないじゃん、こんな長いの、1日で」
「(Д`;)そ、それはすまない」
「1日で読み切る体力と精神力があったとしても、もったいないよ、『嵐が丘』をたった1日で読み終えちゃうなんて」
「(Д`;)たしかにーー」
「(朗らかに)わかる!?」
「いやー、なんとなく」
「それでこそアツマくんだっ!w」
(^_^;)なんかーー機嫌直したから、よかったか。
オーライオーライ…。