【愛の◯◯】史上最大の引き継ぎ

どうも皆様こんにちは。

一宮桜子(いちみや さくらこ)、スポーツ新聞部です。

 

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…昨日は、お見苦しい茶番を演じてしまいました。

ですが、気を取り直して、きょうを乗り切れば三連休なわけなのです。

 

そしてきょうは。

「あのひと」が、とある場所から帰ってくる日ーー。 

 

スポーツ新聞部

活動教室

 

瀬戸くん「中村部長がきょう、福岡から帰ってくるんだよな。

 そうだろ桜子?」

 

わたし「そうよ、大学入試を終えて。

 わたし部長の引き継ぎをしないといけないと思ってるんだけど」

 

岡崎くん「そんなの後回しでいいじゃないか」

 

わたし「よくない! 卒業式はすぐそこだし」

 

岡崎くん「あせるなよ、桜子」

 

わたし「あせってない!!

 岡崎くんはいつも落ち着いてるよね、落ち着きすぎなぐらいに」

 

岡崎くん「『急いては事を仕損じる』ってのがウチの家訓でな」

 

わたし「(わざとらしく)へえ! 家訓?

 ずいぶんごりっぱなことで」

 

岡崎くん「なんなんだよ……ったく」

 

 

あすかちゃん「内心は、中村部長に早く帰ってきてほしいんですよね、桜子さんw」

 

 

 

 

 

 

 

あすかちゃん「あ、桜子さん『どうしてわかるの』って顔してるw」

 

 

 

 

『思慕』とか、そういうのとは違う。

 

純粋な、『あこがれ』だけ、わたしは中村部長に持っている。

 

混じりけのない『あこがれ』で、2年間、中村部長とやってきた。

やってきたんだ。 

 

 

わたし「あすかちゃん、わたし、中村部長が好き」

 

 

 

 

 

 

 

わたし「なにみんな愕然(がくぜん)としてるの?w

 部活の先輩として、好き、に決まってるじゃない」

 

 

ガラッ

 

ただいま~~

 

 

わたし「ぶっ部長っっ

 

 

あすかちゃん「おかえりなさいませ、部長!」

瀬戸くん「おかえりなさい部長、お疲れ様です」

岡崎くん「お待ちしておりました」

 

 

部長「YOYOYO。入試受けてきたぜよ」

 

わたし「なにがYOYOYO、ですかっっ」

 

部長「桜子、棒立ちになってどうした?

 

 全身ガチガチで、固まったアイスキャンディーみたいだぞ」

 

わたし「季節外れで下品なこと言わないでくださいよ」

 

部長「下品かなあ?」

 

 

 

わたし「(くすっと笑って)

 ……なにやってんだろ、わたし。」

 

 

一同『?』

 

 

 

部長「あ! みんな入試の結果知りたいだろう」

 

わたし「部長、入試の結果はあとです。引き継ぎです

 

部長「こ、拘束力は!?」

 

わたし「史上最大。