こんにちは!
だいぶ、寒くなってしまいましたね!
アカ子です!
ーー、
えーっと、
きょう、朝からずっと自宅にいるんですけど、
サボりとか登校拒否とかではなくて、
ほら、わたしの学校、土曜が文化祭だったでしょう?
それでーー振替休日です。
そして、
なぜかわたしは、
蜜柑のために、
アップルパイを焼いているんです。
蜜柑が焼いてるんじゃないんです。
わたしが焼いてるんです、
アップルパイを。
「ーー料理は、作るより食べるほうが好きなんだけれど、じつは」
『きこえてますよおじょーさま』
「蜜柑💢
まだ焼き上げてないわよ?」
「お嬢さまのエプロン姿も微笑ましいですねえ」
「は、ハルくんには内緒よ」
「見られたくないんですか?」
「は、はずかしいんだからっ」
「アカ子さん、料理できないわけじゃないのに、作るより食べるのが好きなんですか…ちょっとガッカリです」
「作るのが嫌いなわけじゃないわ。
でも、蜜柑、あなたがいつも作ってくれるごはんが美味しすぎるのがいけないのよ」
「え~っ、なんですかそれ」
構わず、オーブンに向かうわたし。
「でも食べるのが好きだっていうの、アカ子さんらしいかも」
「らしい、ってなによ」
「いくら食べても太らない体質w」
「あのねえ…💢(ピクピク)
オーブンにブチ込むわよ!!」
× × ×
「ごめんなさい…言い過ぎた」
(焼きたてのアップルパイをテーブルにのっける)
「あなた、これ好きだったでしょう」
「はい、わたしこれ大好きなんですよね」
「『アップル』パイがいいの?」
「リンゴが好きなんですよ♪」
「名前が蜜柑のくせに。」
「オレンジパイってあるんですかね?」
「さあ? レモンパイよりポピュラーではないわよね。
それより、早くしないと冷めるわよ。
あなたが『焼いてほしい』ってわたしにリクエストしたんじゃないの。」
「そういえばそうですね」
(黙々とパイを切り分けるわたし)
「(紅茶をお互いのカップに注ぎ入れながら)う~ん、いい匂い♪」
「『わたしのワガママを聞いて下さいっ!』って突然あなたが言い出したときは、ちょっとビックリしたけど」
「(アップルパイに眼を落とし)……」
「もっとワガママ言ってもいいのよ、蜜柑」
「………いいんですか?」
「今回はそのワガママの結果がアップルパイだったわけだけれど、ほかのことでも」
「ーーー」
「どうしてそこで静かになるのかしらw
蜜柑、最近あなた、なにか思い悩んでいたんじゃないの?
なにか、暗い過去を思い出したとか」
「どうしてわかったんですか……」
「(椅子の背にもたれて)ま、あなたも昔はいろいろあったからねえ、高校生のときとかーー、」
「そ、それ以上はダメっダメダメっ」
「あーらw
蜜柑らしくない慌(あわ)てかたね?w
熱いうちにアップルパイ食べて、
元気出しなさいよ。」
「アカ子さん…」
「どうしたの?」
「いえ……」
「感激して、口数が少なくなっちゃったのかしら」
「そうではないんです、
わたし…わたし…」
「??」
「猫舌で」
「Σ(^_^;)」