戸部邸
浴場
「かーっ!! 気持ちいいねぇ!! ねえ、愛ちゃん!!!」
「はい、藤村さん!!」
アツマくんの高校時代の同級生の藤村さんが、お邸(やしき)にやってきた。
で、いまは、夕飯前に、ふたりしてひとっ風呂浴びているところ。
「この邸(いえ)のお風呂、温泉みたい」
「いつも思ってますw」
「なにか効能とかないの?」
「まさかw」
× × ×
おふろあがり
「はいよ、コーヒー牛乳」
「あら戸部、珍しく気がきくじゃない」
「(`-д-;)珍しくとはなんだっ!!」
「なんかいいですね、こういうの。
銭湯みたい。
行ったことないけど」
「愛ちゃん、マッサージしてあげよーか?」
「えっ!? いいんですか!?
ぜひお願いします!」
「愛ちゃん、こってるねえ」
「肩ですか?」
「当たり。特に右のほう」
「たぶん利き腕だから」
「一生懸命勉強してるんでしょう」
「はい……期末テストで成績、落としちゃったから」
「くやしかった?」
「くやしいです」
「よし! 負けるな! がんばれ!」
「(`-д-;)どういう根性論だ藤村…」
「アツマくんは黙ってて」
「(;´Д`)ナンデダヨヒドイナ……」
「それにしても藤村さんマッサージうまいですね、サッカー部のマネージャーだったからですかぁ?」
「ひみつ」
「えっ?」
あっ。
なんだかきもちよくなって、
目がとろーんとしてきた。
「おい眠いのか? 愛」
「( - - *)ウトウト」
「せっかく今晩の料理当番はおれだっていうのに」
「( - - *)ウトウト」
「( ºΔº )エッ、戸部、料理作るの」
「作るよ!w
この前、愛に弁当作ってやったんだぞ。どーだすごいだろ」
「( - - *)ウトウト……」
「自分のことなのに、愛ちゃん反応してないね、かわいそうに戸部ww」
「( ´・ω・`)チッ」
「ねぇ、わたしにもお弁当作ってよ」
「だめ」
「どうして?」
「弁当は……愛とあすかのためにしか、作りたくない」
「wwwwwwwww」
「(`-д-;)爆笑すんな、馬鹿!」
「ーーでも、戸部のそういう律儀なところ、わたし、すごいと思うよ」
「すごいかぁ!?」
「( - - *)ウトウト……」