戸部あすか。
高1。
ーー夏休みも、わたしたち『スポーツ新聞部』は、フル活動する。
というわけで
部室
の
教室
「(一般紙の記事に眼を落としながら)…しかし京アニは、ひどいことになっちまったな」
「ソースケ、わたし感心したんだよ」
「マオだ」
「きょうの『夏休み特別壁新聞』、京都の放火事件の記事、いたってまじめな文章だったじゃない?」
「茶化すと思ったか、おれが」
「ううん……。
ソースケは、ほんとはまじめだから、茶化すなんて思わなかったし、じじつ、全然茶化してなかった」
「……あたりまえだろ。」
「そういうソースケの『誠実』なところ、わたしは好きだよ」
「えっ」
「…あっ」
「マオ…?」
「あのー、ラブコメ中すみませんが」
「Σ(@_@;)あっごめんサッカー部の取材行くんだったよねそもそもわたしサッカー部のマネージャーでしかも責任ある立場だしこんなとこで油売ってる場合じゃなかったよねごめんごめん行こう? あすかちゃん」
「(;^_^)落ち着いてください、マオさん」
× × ×
部活終わり@サッカー部
ハルさんが、スポーツドリンクを飲みながら、タオルで汗を拭いている。
「? あー、あすかさんか」
「ひとつお願いがあります、ハルさん」
「えっなんだい」
「あの、『さん』付けじゃなくってーーあすか『ちゃん』って呼んでくれませんか?!」
「……、
いいよ。
あすかちゃん」
からだの中をめぐる血液が跳ね上がったかのように、わたしは動揺してしまった。
自分で言ったのに…。
「(手を振り)じゃあ着替えるから」
「えっ、ハルさん、」
「なぁに?」
「あの……、
(・_・;)やっぱなんでもないです」
「おかしいなあw(去りゆく)」
バカ。
言えるわけ無いじゃん。
『もっとわたしのほうを見てください!!』
なんて。
バカ。
わたしのバカっ。