・目には青葉 山時鳥 初松魚
(めにはあおば やまほととぎす はつがつお)
伊吹先生「山口素堂(やまぐち そどう)っていう人の俳句なんだけど、ねぇ、いい句だと思わない?」
川又さん「ダメじゃないですか。季語が3つもあっちゃあ」
わたし「それは違うと思うわ、川又さん。芭蕉だって、季語が重なる句を読んでいるし。
それに、たしかに季語が3つもあるけれども、『青葉』も『時鳥(ほととぎす)』も『初松魚(はつがつお)』もみんな初夏の季語だったはず。
ですよね先生?」
伊吹先生「たぶん」
わたし「(;´Д`)たぶんじゃ心もとないですよ!!」
わたし「でも、季語に関しては、季節の釣り合いはとれているでしょ、川又さん?
わたしは季語の重複よりも、3つの季語が釣り合っているほうが重要だと思うわ」
川又さん「(くやしそうに)違う季節の季語が混在してるほうが変です……」
伊吹先生「ねえ、この句、
- 目には青葉
- 山時鳥
- 初松魚
が、それぞれ『五感』に対応してるんだって」
川又さん「『目には青葉』は視覚ですよね」
わたし「『山時鳥(ほととぎす)』は…、
ほととぎすが鳴いているんだとしたら、聴覚か」
伊吹先生「そうね。『初松魚(はつがつお)』は、初ガツオを食べるってことで、もちろん、味覚」
わたし「そう解釈できるなんて、言われてみるまで気づきませんでした。
さすが国語の先生ですね」
わたし「(;´Д`)国語教師がそれでいいんですか!?」
川又さん「先生、センパイ、気づいたことがあります」
わたし「切れ字がないこと?」
川又さん「は、羽田センパイ、わたしの思考を先読みできるんですか!?」
わたし「そんなことないよー。
でもたしかに、五・七・五がぜんぶ体言止めっていうのは、カッコいいよね」
川又さん「わたしもそう思います」
伊吹先生「『三段切れ』だねっ!(シャキーン)」
わたしと川又さん『スマホでググりながら言わないでください!!」