【愛の〇〇】アンダンテでも、距離を縮めて

(-_-;)けっきょく、おかあさんがわたしの部屋に入ってくることになった。

 

「キレイにしてるじゃない」

「あたりまえよ」

積ん読がタワーになってるのは感心しないけどw」

「うぅ…」

「(積ん読タワーを眺めながら)あんた、古い翻訳小説の読みすぎでそんな口調になったんじゃないの、学校で浮いてない?」

「浮いてないから」

 

「……ま、あなたの語尾うんぬんはどうでもいいとして」

「(;´Д`)なにかあるの、おかあさん!?」

「(CD棚を見て)あら、ブランキーじゃない」

「ぶ、ブランキー・ジェット・シティのはなしがしたかったわけじゃないんでしょっ」

 

 

C.B.Jim

C.B.Jim

 

 

「『C.B.Jim』ね。けっきょくこのアルバムがいちばん聴いたかしら。

 愛、このアルバムで、どの曲が好き?」

 

わたしは、正直に『C.B.Jim』でいちばん好きな曲を答えた。

 

「(´∀`*)ウフフ、愛らしいと思う」

「( ;-_-)」

 

おかあさんが、ベッドに座っているわたしの隣に寄り添ってきた。

 

「(;´Д`)な、なに?

 スキンシップでもしたいの、わたし高校2年生なのよ!?」

「親子でしょ。忘れないで」

「( ;´・ω・`)」

 

「(わたしの頭をナデナデしながら)寂しくない? 日本にひとりで」

「さみしいわけないじゃない。この邸(いえ)のみんながいるおかげで」

「ウソでしょw」

「は!?

 ウソって……怒るよ、おかあさん、他のみんなが支えてくれる、戸部邸のひとだけじゃない、友だちも、先輩も、ウソなわけないじゃん!!」

「落ち着きなさい」

「くっ……」

「ウソでしょ、って言ったのは半分ウソ」

「わけわかんない」

「特に、アツマくんがいてくれるのが、あなたの助けになってる」

 

「どうして、どうしてわかるの、おかあさん!?

 いっしょに暮らしてるわけじゃないのに!」

 

バレバレ

「(;;´・ω・`)」

「半分は、女のカンだけど〜」

 

「あのね、おかあさん」

「なにかな?」

「アツマくんには、わたし、いっぱい助けられて、支えられてる。

 だけど、頼ってばかりじゃ、だめだと思うの。

 どうすればいいと思う? わたし

 

「……うん、わかった。

(´∀`)おかあさんが、相談にのってあげる♬︎♡」

 

 

こうしてーー、

おかあさんとの距離は、

緩やかに、しかし着実に、縮まっていくのであった。