愛「えー、まず最初に、最近聴いて好きになった曲を弾きます。
MOSHIMOの『めくりめく夏の思い出』」
♫「めくりめく夏の思い出」(弾き語りby愛)♫
葉山「なーんか、ポカリスエットのCMに使われてそうな曲じゃないの。
わたし、ポカリスエット、好きじゃないな」
愛「じゃあ、アクエリアスならいいんですか」
葉山「アクエリアスのほうが好きだな。風邪ひいた時とかは」
愛「……スポーツドリンクじゃ、こころの風邪は治せませんよ」
葉山「わたしがこころの風邪をひいている、とでも言いたいの?」
愛「だって先輩、こころの病み上がり、じゃないですか」
葉山「でもピアノは弾けるわ」
♫Mr.Children「Innocent World」(インストゥルメンタルby葉山)♫
愛「呆れた……後奏のギターリフを何度も何度も繰り返し弾いて」
葉山「アレンジと言ってよ。料理みたいなものだよ」
愛「料理も音楽もアレンジだって言いたいんですね」
愛「わたしはスポーツが好きです。やるのもみるのも。わたしは野球をよく観るんですが、次に弾いて歌うのは、高校球児が登場人物で出てくる曲です」
♫松任谷由実「春よ、来い」
のイントロの伴奏の無限リピート(by葉山)♫
愛「ちょっと、割り込まないでください」
葉山「今の季節だったら『明日、春が来たら』より『春よ、来い』のほうがぜったい良いよ」
愛「うっ……たしかに(´×ω×`)」
葉山「ところでさ、羽田さん、なんか女子高生になった松たか子みたいだよね」
愛「……どうなんですか、そのたとえは?
わたし黒髪じゃないし」
葉山「黒髪? そこ?」
葉山「たしかに松たか子よりは髪長くなったね~羽田さんは。
中等部までは肩までしか伸ばしてなかったよね。
なんで高等部になって髪伸ばしたの?」
愛「……もう子供じゃないからですっ」
葉山「体と心の、どっちが大人?」
愛「どっちもですっ」
葉山「……羽田さんのからだは、大人から8パーセント引き、ってところかな」
愛「なんですか、そのいやらしい比喩!
消費税を引くんですか、消費税を!
足すんではなくて」
葉山「( ・∀・)ニヤニヤ」
愛「先輩どこ覗いてるんですか。
このむっつりスケベめ。」
葉山「( ;・∀・)……」
愛「先輩、弾いてばっかりじゃなくて、わたしみたいに歌ってくれないんですか」
葉山「じゃあ、歌ってみようかしら。
わたしたちが生まれる、はるか前の曲だけど」
♫原田真二「タイム・トラベル」(by葉山の弾き語り)♫
葉山「みんな~、
この歌知ってる人、どれくらいいる?
知ってたら、手を挙げてもらえるかな」
葉山「(ノ∀`)タハー、さすがに『まばら』だね」
愛「昭和53年でしたっけ?」
葉山「それぐらいだねえ。だいたい40年くらい前」
愛「伊吹せんせえ! 伊吹先生は、この曲、知ってますか?」
葉山「こら、急に先生に振らないっ( `o´)
しかも伊吹先生アラサーじゃん、アラフォーじゃあないじゃん」
愛「( ¯−¯ )……先生に向かって『アラサー』とか『アラフォー』って言うの、とっても失礼だと思うんですけど」
葉山「伊吹先生どこなの」
愛「ここに来てるはずですよ、
えーと、えーと、あっ、いた──」
愛「∑(ºAº///)ドキッ」
葉山「なに驚いてんの、伊吹先生の薬指に指輪でも見つけたの」
愛「(ºAº///;)ち、ちがいます、ちがうんですけど」
愛(葉山の耳元に)『せんぱい……想定外の事態です』
葉山(愛に身を寄せて)『なになに、気になるじゃないの』
愛『伊吹先生が』
葉山『うんうん、伊吹先生が?』
『伊吹先生が……』
『先生が、?』
『伊吹先生が、伊吹先生が、』
『が、?』
『男の人と一緒にいます』
『男の人っていっても色々でしょう。親戚だったりとか、それこそアラフォーの上司の先生だったり、アラフィフの教頭先生かもしれないし、もしかしたら伊吹先生の恩師の先生かもしれないじゃん』
『いいえ。
30歳前後の、ハンサムな一般男性のかたです』
『へっ?』
まさか、伊吹先生、まさかの──。