【愛の◯◯】大河ドラマ『いだてん』が始まるまで待機する

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大河ドラマって、

チャンバラや合戦ばっかやるんだと思ってた。 

 

「『玉鷲』って、いい四股名ね」

 

「愛、きょう、葉山と会ったよ。」

「ふーん、呼び捨てになったのね」

「(-_-;)びくともしねえのな……、

 というか、別に葉山を呼び捨てするかしないかに関心もないのか」

 

NHKを観るのに集中してるのよ」

「(゚Д゚;)は? そりゃあまたどうして」

「8時から、大河。」

「おまえ西郷どん一切観なかっただろ」

「それは時代物だったからよ。

 

 金栗四三(かなくり しそう)って、ストックホルム(1912年)で、日本人ではじめてオリンピックに出場したひとでしょう?

 金栗四三が主役の大河ドラマって、何が起こるかわかんなくて面白そうじゃない」

「……愛ペディア。」

 

ハンガリーと言えば、超絶技巧のフランツ・リスト*1よね~」

「(-_-;)『ダーウィンが来た』観ながらでもいいからおれの話も聞け💢」

ダンディ坂野ってだぁれ?

 

orz

 

あと20分

*1:19世紀のピアニスト、作曲家

【愛の◯◯】戸部くんの「呼び捨て宣言」

都内某書店

ふー、岩波文庫、収穫なし、っと

 

「…………」

 

「………あれ!?

 

戸部くん!

 

 戸部くんじゃないの

 

「(-_-;)いかにも」

 

岩波文庫に何の用があるの?

「( ;∀;)ひでぇ

 

 

 

T・S・エリオットの『荒地』

 なんでまた」

「いや、じつは、大学入ったら、イギリス文学を学ぼうと思って。

 で、西脇順三郎っていう詩人の詩を読んで、かれがエリオットっていう詩人の『荒地』っていう詩を翻訳してるってーー」

「西脇……好きなの?」

「お、おれは好きだけど……愛の仲間内では西脇、評判悪い…って」

わたしは好きだよ

マジで!

『西脇が好き』って言ったらヤな思いしたこともあるけどねん♫

「あ(;´Д`)」

 

 

荒地 (岩波文庫)

荒地 (岩波文庫)

 

 

「訳者が西脇順三郎じゃない」

「西脇訳の『荒地』は、古本屋じゃないとなかなかねえ。

 新潮社が出してた『世界詩人全集』のエリオットの巻に、西脇が訳した『荒地』が入ってるから、戸部くんちに郵送してあげるよ、わたし」

「えっ!? いいの?」

「いいよぉ~」

 

「ねえ、エリオットは、またこんどにして、別の詩人を買ってみない?」

「詩人を『買う』か。

 いいセンスしてんな、あんたw」

「( ´ー`)文字を書くことからしておっくうだけどね」

「……へ??」

 

文芸書コーナー

 

 

オーデン詩集 (海外詩文庫)

オーデン詩集 (海外詩文庫)

 

 

「あった。あるかどうか微妙だったけど。

 やるじゃないの、この書店も。

 たまには」

「(^_^;)ひとこと余計な気がw」

 

「オーデンは、イギリス生まれだけど、アメリカに移住して、帰化するのね。

 ちなみにエリオットは、アメリカ生まれだけど、イギリスに帰化したの」

「詳しいんだな、あんた」

「それほどでも」

「やっぱ英語を使う国って多いから、イギリスだけ見てちゃあだめなんだな。

 もっと広いくくりじゃないと」

「それはそうでしょうね。至近距離にしたって、アイルランドとイギリスの複雑な関係とかーーほら、世界史Bでやるでしょ? アイルランドの諸事情」

orzそこが世界史Bでいちばんわからないんだ…

「(;^o^)あー」

 

 

「ところでーー」

「なあに? 戸部くん」

 

「その……。

 

 

 

 呼び捨てにしていいか?

 

 葉山『さん』付けじゃなくて、『葉山』で」

 

Σ(@_@;)

 

わたしはーーーーーー、

 

思わず、

首をタテに振っていた。

 

 

 

 

【愛の◯◯】フェアウェルのまえにーー

おれのセンター試験はーー、

1日目で、終わった……

 

 

 

 

 

文系科目しか受けなかったから 

 

 

戸部!」 

「あいかわらず広橋涼みたいな声してんな」

 

「(ものすごく動揺して)と、戸部、広橋涼知ってたのぉ!?

「『カレイドスター』ってアニメがありまして」

「『藤村杏』って名前とこの声のせいで、名前だけ百万遍と聞かされたアニメだ…」

「(  ・∀・)それでですね、ぼくの年上の知り合いの彼女さんがねーー」

「(・_・;)もういいよ、話が際限なく長くなりそうだから」

 

「ーーで、戸部はどうだった?」

「試験?」

「試験」

「どうってことないよ。」

「言うと思った」

 

近くの公園

 260円出して、おれと藤村、ふたり分の缶コーヒーを買った。

 

「(缶コーヒーを手に持ったとたん)おわっあっつあっつあっつい

「(^_^;)そんなに熱かったのか?」

「(;´Д`)と、戸部……平気でよく缶コーヒー、素手で持てるね?」

「手を鍛えてるからかな」

「(;´Д`)あんま関係なくない?」

 

無言でおれと藤村は缶コーヒーを飲み続けた。 

 

「とーべーっ。」

「なんだよ。

 なんだか気色悪いぞ」

「ひっどーい!

 

 

 ( ´ー`)……そんな、わたしに気を使って。

 ベンチの端っこまで遠ざからなくてもいいのに。

 そのほうが不自然でしょ、距離感。」

「距離が近いほうが不自然に決まってるだろが」

「( ´ー`)せめて、そのベンチの真ん中に座んなさいよ。

 そのほうが、お互い堂々としてて、カップルか!?』って不審に思われなくて済むから」

 

「(・д・)チッ」

 

おれはベンチの真ん中に座った。 

 

 

藤村とは、2年のときから、同じクラスだった。

 

『おねがい、苗字で読んで、ごめんけど』

ーー杏(アン)、つまり、下の名前で呼ばれることを、極端に嫌がる。

一緒のグループで、昼休みに弁当を食べるような仲の女友達に対しても、それは徹底していて、

そこが、藤村に対する最初の印象だった。

 

サッパリした女だ。

ちょっと攻撃的で、

ちょっと無神経なのが玉にキズな、

クラスメイトの女子だった。

だけど、ときには頼りになり、助けになってくれる。

 

そんな藤村が、弱さを見せたことーー。

高2の冬、ちょうど去年の今頃か、

野球部の4番打者とつきあい始めて、

それで、

3日で破局した。

 

涙こそ見せなかったが、その後しばらく、藤村の口数がモロに少なくなった。

ある日の放課後、うつむきつつ3階へと校舎の階段をのぼる藤村の後ろ姿を見た。

藤村の異変を感じ取ったおれは、『なにしてんだ、おまえ、』と、藤村に声をかけた。

すると、藤村は、何かに気がついたようにハッとした横顔になって、おれに振り向いて、早足で階段を1階まで降りていった。

それから藤村の口数は元通りになった。

 

「ねえ戸部……」

「なんじゃいな」

「なんじゃいな、じゃないって。

 

 

 

 

 

 ありがとう

 

「(゚Д゚;  )ハァ?」

 

「ありがとう、2年間、ともだちでいてくれて

 

「(゚Д゚;  )……そりゃどうも」

 

「……戸部さぁ」

「まだなんかあるのかよ」

関関同立とか産近甲龍とか受ける?」

なんだそれ

「……そっか。

 関西の大学、わたしも受けない。

 (苦笑いするように)なんか、嫌な予感がする、

 腐れ縁が、卒業したあとも続きそうで」

「(^_^;)よけいなおせわだ。

 

「おれさぁ」

「(無言)」

「イギリス文学を勉強してみたいよ。」

「(無言)」

「愛が持ってた『ハムレット』と『西脇順三郎詩集』を、偶然手にしたのが動機っていう、ちゃらんぽらんだけどさ」

 

バゴッ

 

こ、こいつ、いきなりカバンでおれの背中を叩きやがった!

 

「(その場に立ったまま)じゃあもっと勉強しろ、

 ばぁか!!

 

藤村の声はーー、

なぜか震えていた。 

 

 

 

 

 

 

【愛の◯◯】はーちゃんがキッカケをくれた

戸部の邸(いえ)に行き、戸部、あすかちゃん、そして愛ちゃんと晩ごはんを食べた。

 

鍋。

鍋に入っている野菜は不思議と美味しい。

 

 

 

食後

 

「あすかちゃんと一時間ぐらい勉強しますんで」と、席を離れようとする愛ちゃん。

 戸部の顔をいぶかしげに見る愛ちゃん。

 ふふ……w

 

「大丈夫だよ愛ちゃん。こいつが何かしてきたら、急所蹴っちゃうから」

「(;´Д`)いきなり下ネタはやめろ!

「(#・∀・)思いきり蹴っちゃってください」

 

戸部とサシ向かいになった

 

「何もしねえよバーカ。

 ところで……」

「ところで?」

「藤村、おまえ、どんな学部に行きたいんだ?」

「んー、文学部か、外国語学部」

「えっ!? 外国語学部?」

「おーかーしーいーー?💢」

「意外だったんだよ。おまえは英語より国語のほうが得意だったから」

「そんなこと、選ぶ学部や学科と関係ないよ」

 

フランスに興味があるの

「フランス文学?」

「興味あるけど、まったく読んでない」

「そりゃやべーだろ」

「大学入ってから読めばいいんじゃん」

 

「はーちゃんが、ね」

「葉山センパイ?」

「バカぁ!! はーちゃんとわたしと戸部、タメでしょタメ」

「(-_-;)今度、『葉山、って呼び捨てにしていいか?』って訊いてみるか」

「( ´∀`)それがいいよ」

 

「はーちゃん、学校でフランス語勉強してるの」

「あー、第二外国語があるんだってな、愛はドイツ語だって言ってた」

「ーーで、いま、はーちゃんが家庭教師に来てくれてるんだけど、勉強の合間にしてくれる、フランス語やフランス文学の話が面白かったの」

「だから?」

「だから」

 

はーちゃんが、

キッカケをくれた。

 

戸部には話しちゃった。

はーちゃんには、いつ打ち明けようかな。

ちょっと照れくさいな。

【愛の◯◯】「まるで音楽を聴くように詩を読んでるみたい」

 

太陽の石

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  • 作者: オクタビオパス,阿波弓夫,伊藤昌輝,三好勝,田村徳章,松山彦蔵,後藤丞希
  • 出版社/メーカー: 文化科学高等研究院出版局
  • 発売日: 2014/04/04
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「先輩、先輩はほんとうに、詩を楽しそうに読みますね」

詩はリズム

「意味も追ってくださいね」

だめよ

「(゚Д゚)ハァ?」

リズムは意味に先行する(キリッ)」

「(´・_・`)……サルトルは、たぶんそんなこと言わない人でしたよ」

 

「( ´・ᴗ・`)でも、葉山先輩は、まるで音楽を聴くように詩を読んでるみたいでーー、

 才能です、才能ですよ、やっぱり」

読みながらカラダが揺れてるからねっww

「でも……、

 全身を使って、全身全霊で読んでるってことでしょう!?」

 

「(^_^;   )……、

 おおげさ。

 

 

 でも……、

 ありがとっ

 

 

・みんなもいろんな国のいろんな詩人を読もう!

【愛の◯◯】葉山先輩の「小泉さんファン」宣言

……センター試験まで1週間になってしまったことはあまり重要でないにしても、戸部くんの大学受験はまさに差し迫っており、剰(あまつさ)え妹のあすかちゃんも高校入試を控えているのだ。

 

三連休のしょっぱな、昼間は青島さんがこのお邸(やしき)に来て、あすかちゃんの家庭教師、羽田さんは、手伝ってあげられるところは戸部くんの勉強をサポート、手伝ってあげられないぶんは、家事・炊事etc...でカバーしていた、らしい。

 

で、青島さんが帰って、入れ替わるように、夕方、厚かましくも、わたしが、戸部邸に泊まりに来たんである。

 

戸部兄妹のお母さん・明日美子さんと羽田さんとわたし、3人がかりで、受験生ふたりの身体に優しい夕食を作り、羽田さんは戸部くんの部屋に、わたしはあすかちゃんの部屋に、ごはんを運んだ。

(わたしはそのときあすかちゃんと少し話をした)

 

ーーで、いまは兄妹のじゃまをしないように、階下の広間でくつろいでる。

 

わたしはオクタビオ・パスの詩を読んでいた。 

 

 

太陽の石

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羽田さんはなにやら岩波新書を読んでいる。

カバーが新しくなってからのやつ。

といっても、新しくなってから10年以上だけど。 

 

 

 

歌舞伎の愉しみ方 (岩波新書)

歌舞伎の愉しみ方 (岩波新書)

 

 

 

山川静夫だ。」

「知ってるんですか?」

NHKのアナウンサーだったんだよ」

「奥付に書いてありましたっけ、そういえば」

 

紅白歌合戦ってあるじゃん」

「ありますね」

「小泉は、かならず『NHK紅白歌合戦』って言うけど」

「すごいですねw」

「その著者(ひと)ね、山川静夫さん、紅白歌合戦で、白組の司会を9年連続やったひとなの」

「9年連続!?」

「70年代から80年代にかけてーー」

「昭和じゃないですかぁ」

「小泉は暗記してるのよ」

「すごいですねww」

 

「変でしょ? 小泉」

「たしかにw」

でも、だから、面白いんだけどね

 

わたしはーー、

小泉の、ファンだ。

 

羽田さんに、小泉の下の名前を教えてあげた。

 

 

 

ーーこはる。

 

【愛の◯◯】フランクな彼女(はねださん)

わたしはーー、

腕時計を、つけない。

 

持っていないわけじゃない。

机の上にあるけど、いつも出るときに腕に巻くのを忘れてしまう。 

 

「(^_^;)羽田さん、いま、何時だっけ」

「(^o^)20時10分ですよー」

 

「すぐにわかったね」

「(^o^)わたしの位置から壁時計が見えるので」

「(^_^;)そうか、この広間、壁時計があったんだ。

 (´・ω・`)周りが見えないので、わたし」

せんぱ~い、そんなこと言いなさんな!!

 

「(・_・;)…」

「つぎ『周りが見えない』とか言ったら、デコピンしちゃうぞ♫

「(・_・;)…あんた、無理してない?」

(^o^)全然♫

 

 

【愛の◯◯】『ぐりとぐら』の作者って誰だっけ

夕方

いわゆる おやつタイム

 

「ねえ、アツマくん」

「なんだよ、ホットケーキ食べてる最中なんだぞ」

「そのホットケーキわたしが焼いたんですけど」

「(*_*; くっ……」

 

「さらなる受験勉強の息抜きに、クイズ出そうと思ったの」

「どんな?」

 

「アツマくん、『ぐりとぐら』って絵本が子どもの頃好きで、明日美子さんに、よく読み聞かせてもらったそうね」

「( ゚д゚)どうしてそれを!?」

「情報提供者3人。

 明日美子さん、あすかちゃん、そして藤村さん」

「m(_ _;)mどうして藤村がそんなこと知ってるんだよ」

 

「さて。

 ぐりとぐら』の作者は、誰でしょう?

「( ゚д゚)えっ」

 

 

 

 

 

「……(´・ω・`)

 ホットケーキおかわり」

「中川李枝子(なかがわ りえこ)さん。」

「ホットケーキおかわり」

「ほかにも『いやいやえん』とか、有名作品いっぱいある、児童文学の超ビッグネーム。

 でも、不思議と、中川李枝子さんの名前を、みんな知らないか忘れているのよね。

 不思議ね。」

「(;´Д`)ホットケーキおかわりって何度も言ってるんですけど!!」

「だーめ」

(;´Д`)なんでや!

「眠くなって勉強できないし、晩ごはんが食べられなくなるでしょ?

 何度も言わせないで💢」

(;´Д`)どう考えても一度しか言ってないよな? なあ!?

 

 

 

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

 

 

 

「ちなみに実はわたしは、ぐりとぐらの良い友だちではありませんでした」

「じゃあどんな絵本が好きだったの?」

「いい質問ですね。

 

 それは今度お教えしましょう」

(;´Д`)なんでだよ!

 ホットケーキミックスだって余ってるのに! 愛の理不尽!!