はいこんにちは! スポーツ新聞部の岡崎竹通(おかざき たけみち)です。
きょうも部活するよって、教室のドアを開けたら、同級生の一宮桜子(いちみや さくらこ) だけがいた。
「うーっす。部長は?」
「自分の胸に手を当てて考えてみて」
「…は?」
「だから、自分の胸に手を当てて考えてみて」
「(^_^;)あー、なるほど。
桜子、言葉が足りないよ。
『部長の在り処は』自分の胸に手を当てて考えてみて、
ほら、こういうふうに、言葉を補わないと」
「……」
「いい文章も、書けなくなるぞ」
<がたっ
いきなり立ち上がる桜子。
ムカついてんのか?
桜子は窓際にそれとなくもたれかかる。
「ラグビーさ」
「ラグビーがどうかしたか?」
「ラグビー、つまんないよね」
「そ、そんなことはないとおれは思うぞ!」
「つまんないというより、『難しい』」
「で、でも、観てるだけで激しくて、いいじゃないか」
「ーーま、人それぞれだけど。
それにイマイチ盛り上がってないと思わない?」
「それは……そうかもな」
「特定の大学のシンパである人たちには、『ラガーマン』ってこの上なくいい響きかもしれないけど」
「(;´Д`)そ、それは早◯◯や明◯の人たちに失礼じゃないか!?
おまえラグビーになんか恨みでもあるのか!?」
「早稲田や明治を受験したくないわけではないんだけど」
「答えになってねえぞ桜子!
ラグビーっていうスポーツを尊重してやれよ!
どのスポーツも尊重するのが、スポーツ新聞部精神ってものじゃないのか!?」
「それは岡崎くんがいま思いついた精神でしょっ」
「(# ゚Д゚)でもほんとのことだろがっ」
「わたしラグビーに恨みなんてないし」
「(# ゚Д゚)じゃあラグビーの悪口言うなよ、バカ!」
「ひどい!! バカ、だなんて。
バカって言ったひとがバカなのに!!」
『はい、ノーサイド』
ーーいつの間にか、
あすかさんが、教室に入っていた。