「おはようございます、葉山先輩」
「おそよう」
「調子はどうですか」
「うん、悪くないよ。
ベッドに寝っ転がってるけど」
「無理しないでくださいよ」
「分かってる」
「キョウくんとね…」
「はい」
「あれからもう一回会った」
「いつですか」
「この前の祝日。
定期的に会うことになった」
「来てもらえばいいじゃあないですか」
「うん、彼のほうから来てもらう割合を多くして」
「うまく行くといいですね」
「なにが?」
「関係が」
「ど、どういう」
「にぶいなあセンパイもw」
「(・_・;)……」
「………………、
たしかに、キョウくんは、わたしの『あこがれ』だった。
小学生のときから、いちばん頼りになる男の子だった…」
「好きってことじゃないですか!」
「ーー」
「そ、そこで沈黙されても困るんですけど」
「あのね」
「は、はい」
「たぶん相思相愛なの」
「!!」
「でも、お互いの想いはね、まだ、言わないほうがいいと思うの」
「!?」
「さりげなく、そばにいたい、一緒にいたいというか……、たぶん、キョウくんのほうでも、そういう感じのこと考えてるはず」
「わかるんですね。」
「うん、わかるの」
「小学校の高学年になるとさ」
「はい」
「男子がガキっぽく見えてくるじゃない」
「たしかに」
「羽田さん、子供の頃、男の子とよくケンカしてそう」
「どうしてわかるんですか」
「図星?w」
「弟以外の男子と、取っ組み合いのケンカになったりしてました」
「気が強いのね」
「負けん気が強いんです。
それこそ高学年になったら、男子とケンカするのもバカらしくなっちゃいましたけど。
そのころかな……児童向けじゃない本をいっぱい読み出したのも」
「わたしもw」
「w」
「話を戻すとね、
ほとんどの男子は子供っぽくてイヤだったけど……キョウくんは違った。
男子より女子のほうが成長が早いものでしょ、高学年だと女子の身長のほうが高くて、でもキョウくんはあのころからわたしよりだいふ背が高かった、わたしも150センチは超えてたけど、キョウくんはーーいちばん背の高い女の子より大きかった」
「よく覚えてますね」
「だから、そういう面でも、彼はあこがれだったんだなーって」
「純粋にあこがれるってうらやましいです」
「なんで」
「…アツマくんは、わたしがどうしようもないとき助けてくれるけど、ふだんから彼自身がどーしよーもないってことがあるので」
「そこがいいんじゃないw」
「たしかにねww」