【愛の◯◯】呑まれてないもん……

はいこんばんは! 蜜柑でーす。

 

きのうは、アカ子さんの学校のお友だちのさやかさんが邸(ウチ)に来てくれて、お楽しみでしたね~。

 

正月疲れが溜まっていたアカ子さんは寝落ちして、さやかさんのからだに身をゆだね……、

おっとここから先は刺激が強すぎるでしょうか?

ま、なにもなかったんですけどね、

とうぜんww

 

「おかしなニヤけかたしないのっ、蜜柑💢」

 

「おっとお嬢さま」

 

「おっと、じゃないわよ。

 また不埒(ふらち)なこと考えてたんでしょう…」

 

「不埒だなんて、そんな」

 

「(自室に手招きするように)ちょっと手伝ってちょうだい」

「なんですかぁ?」

「ーー部屋の床が少し散らかってるから、学校のプリントとかで。

 だから片付けるのを手伝ってほしいの」

 

・アカ子さんの部屋に突入

「なるほど、アカ子さんにしては、散らかしてるかもしれませんねぇ」

「忙しくて、疲れて、きちんとする余裕がなかったの…」

ふにゃっとなってましたもんねぇ、きのうとか」

 

「ふ、ふ、『ふにゃっ』って、なによ」

 

ティータイムの途中で眠り込んじゃったじゃないですか」

 

「あれは、さやかちゃんに、めいわく、かけちゃったけどーー、

 それが、どうか、したのかしら?」

 

「ですからアカ子さんの寝姿(ねすがた)がふにゃっとなってて、かわいかったんですよwww」

 

そそそそそんなだらしないかっこうで寝ちゃってたかしらわたし

 

「だらしなくはなかったんですけどーー」

 

「!! もしかして、寝てるところ盗撮したんじゃないでしょうね」

 

「いいえ?」

「(Д`;)じゃ、じゃあはやく手伝ってよ、

 なによ、『ふにゃっ』て。

 わたし、そんなにフニャフニャしてそうかしら」

「(床に落ちてるプリントを拾いながら)…やわらかそうですよね」

「(Д`;)なにそれ!? 『やわらかそう』って、わたしのどの部分のことよ!?」

 

さすがにこれ以上追及するのはかわいそうだったので、

なにも言わず、部屋の整理整頓を手伝ってあげたわけです。

 

 

 

「じゃあわたし学校の勉強するから。

 くれぐれもジャマしないでちょうだいね」

 

「はいはい♪」

 

 

 

× × ×

 

・2時間後

 

アカ子さんの部屋に、こっそりと入る。

 

思ったとおり、彼女は勉強したまま机で寝落ちしてしまっていた。

 

かすかな寝息。

 

仕方ない。

疲れてるうえに、学校の勉強についていくのも大変なんだから。

 

彼女は優等生だけど、努力してないわけがない。

むしろ努力することが、彼女の才能なんではないのかと、

思ってしまうぐらいに。

 

 

だからわたしは、からだが冷えないように、眠りこけた彼女の肩に、そっとセーターをかけてあげた。 

 

「(つぶやくように)親心……とは違うけど。

 

 お姉さん心、っていうのかな。

 

 見守ってますよ、アカ子さん。」

 

× × ×

 

・階下(した)に降りてみるとーー

 

階下(した)に降りてみると、

お父さんとお母さんが、

お酒を飲んでいた。

 

晩酌(ばんしゃく)、ってところかしら。 

 

 

みーちゃん、一緒に呑(の)まない?

 

「Σ(;・・) えっ、お母さん…

 わたしも…つきあえ、とおっしゃるんですか!?」

 

「たまにはいいでしょ~?w

 みーちゃんだって、溜まってるモノ、あるでしょうにww」

 

「(;・・)溜まってる、とは」

「正月疲れと、その他もろもろww

(;--)

 

 

できあがってるんだろうか。

 

でも、「呑(の)みたい」という気持ちを、わたしは否定できなかったりする。

 

まだアルコールに慣れているわけじゃないし、どちらかといえば、呑むより呑まれるほう。

 

だけど、基本自宅ひきこもりで、その裏返しみたいに「パーッとやって、発散してみたい」という思いも心のどこかであって、お母さんの今晩のお誘いを断れなかったのです。

 

「みーちゃん注(つ)いであげるよ」

「じぶんでやりますぅ」

 

ビールで乾杯するわたしとお母さん。

 

 

……お父さんが、

高そうなお酒を飲んでいる。 

 

「ほんとうにお父さんはお酒にお強いですよね」

「(グラスを揺らして)うちの家系はそーなんだ。

 お父さんのほうも、お母さんのほうも。

 (お母さんに)なあ?

 

 ーーほらなw

 

 だから先の話だが、アカ子もたぶん酒を呑んでも酒には呑まれないだろう。

 

 ーー安心だなw」

 

……ひとこと多いのは、

アルコールのなせるわざ、なのか。

 

わたしは瓶ビールの二杯目を飲み干した。

手酌(てじゃく)ですぐさま三杯目を注(つ)ぎたす。 

 

「今夜のあなた下品ですよ~~w

 

 それに、ほら、みーちゃんのペースに合わせてあげないと~~」

 

「おおすまんな、蜜柑はそんなでもなかったな」

 

「はい、どちらかというと弱いです。

 

 

 (ビールを立て続けに飲んだ影響で顔が熱くなるのを自覚しながら…)

 

 

 おとうさあんおかあさあん、

 さみしいんですよ、わたし」

 

「(氷をグラスに入れながら)、どうさみしいんだあ?

 お父さんに言ってご覧」

「やあねえあなた、『出逢い』がないのよ、『出逢い』が! みーちゃんには」

「(グラスの中で氷をくゆらせながら)かあ!!」

 

「そうですよお、そうなんですよお!!!

 

 おじょーさまだけ、あかこさんだけズルくないですか!??!?!」

 

 (何杯目かのビールを飲み干し、コップを叩きつけるように置く)

 

「いっしょにはつもーでしたり、ツーショットしゃしんとったり!!!!!!

 

 りあじゅーになりかかってますよお、ちょっと!!!!!!!

 

 スキンシップがしんこーしてるんですよお、『かれ』と!!!!!!!

 

 

 き、

 きびしくいってやってくださいよぉ、もうちょっと」

 

 

「(^_^;)みーちゃん、グデングデンになっちゃってるから、ビールは『おあずけ』ね、もう」

 

「(上機嫌に)母さん、お水を持ってきてやりなさい♫」

 

 

「ーーなんでむしろわたしにきびしーんですかあ」

 

 

 

 

【愛の◯◯】アカ子さんってけなげねぇ

ども。

青島さやかです。 

 

新学期。

 

ーーといっても、初日なので、半日で終わり。 

 

先日、アカ子に「新学期初日に、そっちの邸(いえ)にお邪魔してもいい?」と訊(き)いたら、こころよく了承してくれた。

 

「もっとアカちゃんと遊んであげなよ」と、愛にも言われていたし。 

 

というわけで、アカ子とふたりで、学校からアカ子邸へ。 

 

× × ×

 

「おじゃまします」

「はいどうぞどうぞ、さやかちゃん」

 

 

「あら、さやかさん、あけましておめでとうございます」

 

しょっぱなから蜜柑さんと遭遇してドギマギするわたし)

 

あっあけましておめでとうございました

 

(蜜柑さんの微笑み。)

 

「さやかちゃん、おもしろいw」

「お嬢さま、からかったりしたらダメじゃないですかw」

 

「(--;)」

 

「すぐにメイド服に着替えてきますので」

「Σ(・・;)」

「さやかちゃんを待たせないようにね」

 

 

・蜜柑さんがメイド服姿で降りてきた

 

「はい、お待たせしました」

 

「なんだか、気合い、入ってますね、蜜柑さん」

「気合い!? 気合いですか!?」

 

「(どぎまぎと)いや…その、服装が、ですね……」

 

「ああ。

 わたしはメイド、なので」

「でも!」

「新年なのでねえ。

 気持ちを引き締める…というよりも、

 さやかさんのことばをお借りすれば、気合い一発! ってところですかねww」

 

そういえば……

きょうの蜜柑さん、

いつにもまして、

肌ツヤが良い。 

 

「さやかちゃん、じゃあ、やりましょっか?」

「そーね。やっちゃいましょ」

 

「?」

 

「蜜柑、さやかちゃんは、『これ』のために、あなたがメイド服に着替えてくるのをわざわざ待っていてくれたのよ」

「ちょ、アカ子、そんなんじゃないよっ」

 

「??」

 

「(バイオリンを見せて)蜜柑さん、『これ』ってのは、こういうことです。

 アカ子のピアノと、合奏しようと思って」

 

「! 素敵ですねえ!!」

 

「この合奏のために、さやかちゃんはわざわざ学校までバイオリンを持ってきてくれたのよ。感謝しなさい蜜柑」

 

「や、蜜柑さんのためでも…あるけど、言い出しっぺがわたしだったから…というよりも、じぶんがバイオリン弾きたかっただけなんです蜜柑さん(しどろもどろ)」

 

「さやかさん、」

「(・・;)はい」

「ひとつアドバイスです」

「(・・;)はい?」

「もう少し堂々としたほうが、男の人は落としやすいですよww」

 

「落としやすい?

 落とす、ってーー、

 

 あ、

 

 ーーーー、

 

(動揺してバイオリンを持つ手が震えるわたし)」

 

 

蜜柑💢

 

 

× × ×

 

「(気を取り直して)ーー始めようか、アカ子」

「そうね、さやかちゃん。

 

 蜜柑は黙って聴いておくこと。

 演奏会と同じよ。

 じっとしておきなさい。」

 

ーー(^_^;)蜜柑さんを、まるで調教してるみたい…。

 

 

 

 

♫演奏♫

 

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

演奏終了後、

昼ごはん食べたり、アカ子と遊んだりして過ごしたが、

少しばかり、省略。

何を食べさせてもらったか、アカ子と何して遊んだかは、

秘密にしておく。

 

ーー知りたい? 

知りたいですか?

 

 

ーーもとい、おまちかねのティータイム。

寒いので、暖房がきいた屋内で。

 

 

「(紅茶をカップに注いで)はいどうぞ、さやかさん」

「ありがとうございます、いただきます」

「カタくならなくてもw

 こぼれちゃいますよ?w」

「…火傷(やけど)しないようにします」

「わかります、わたし猫舌なんですよー」

「ほんとうですか!?」

「別の意味でヤケドしたこともそういえばあったかしらw」

「えええっ…」

 

「蜜柑💢 さやかちゃんがドン引きじゃないのっ💢」

 

「そ、そういえばアカ子……」

「どうしたの?」

「あなたちょっと疲れてるでしょ」

 

やっぱり気づかれちゃった……

 でも、どこでわかったの……?

 

「ピアノよ。ピ・ア・ノ。

 微妙に精彩を欠いてたから、きょうのあんたの演奏」

 

「(肩を落として)

 ーー正月疲れだわ。

 さすがに、ね。

 あわただしさも、ここまできわまったら」

 

「でも昨日ハルくんと神社でツーショット写真撮ったんでしょ」

 

しゃ、写真だけ撮って帰ったんじゃないのよ!?

 ちゃんと初詣したんだからっ

 

「それで疲れたんじゃ~ん!ww」

 

「(動揺を隠せず)は、初詣の段階では、まだ疲れてなかったから」

 

「どっちがリードしてたの?」

「リード?????」

「あんたのほうがハルくんを引っ張ってたのか。

 それともその逆だったか。

 

 ほら、力関係的に、あんたのほうが強いって聞くじゃないの」

「どこからそんなこと聞いたの、愛ちゃんから?」

「愛だけじゃないよ~ん」

 

クスクス…と笑う蜜柑さん。

無理もない。 

 

「(うつむき気味に)……きのうは、

 途中までは、わたしのほうが強くて、リードしてたけど、

 最後の最後で、逆転負けだったわ」

 

「意外な結果になったわけだ」

 

「そうね…。

 クリスマス・イブに、あすかちゃんのライブに行ったときは、完全にわたしのほうが彼を引っ張っていて、大差でリードしていたのに。

 

 悔しいわ。」

 

「くやしがることないよ」

「えっ!?」

「彼も…成長してるってことでしょ」

「たしかに……」

 

× × ×

 

しだいにウトウトとしてくるアカ子。

消耗を隠せない。

ふらふらとなって、ティーセットに頭をぶつけたりした。

お嬢さまっぽくない、アカ子の隠れた一面が、垣間見られて、

楽しい。 

 

「いけないわ、いけないわ、紅茶を飲んだのに、なんでこんなにまぶたが重たいのかしら」

「そんだけ疲れてるってことだよ」

「いけないわ、いけないわ、」

「『いけないわ』って4回言ったw」

「ごめんなさい、

 しだいに語彙が、

 ひんじゃくに、

 

 …、

 …、

 

 (ふにゅう、と、わたしにからだを密着させる)」

 

ついにわたしに密着してきた。

 

というか、

眠くてどうしようもなくって、

寝落ちしちゃったんだねww 

 

 

「あらあら」

「…寝かせてあげましょう、蜜柑さん」

「そうですね。

 

 ふにゃっとなって、かわいいww」

「そんなこと言ってもいいんですかw」

「いいんですよ!w

 

 …アカ子さん、

 きのう神社で、お願いしたんですって、」

 

「なんて?」

 

「『ハルくんが、ケガしませんように』って」

 

「へぇ~っ。

 ちょっとわたし、感動しちゃいました。」

 

「感動的ですよね。

 

 アカ子さんらしいお願い。

 

 けなげねぇ、アカ子さんもw」

 

「ズバズバ言いますね、

 寝てるからいいけどw」

 

「ほんとのことを言わないとかえって失礼ですから」

「いい関係ですね……」

「そうですかあ?」

 

「よし、

 わたしも今年は、アカ子に遠慮しないようにしよう」

「そうしてください、ビシビシと!」

「(^_^;)……言い過ぎかも。」

 

 

 

【愛の◯◯】ハルくんってキザね

・土曜日

・ハルくんに、電話

 

「ーーごめんなさいね、お正月なのに、こうやって電話で話すヒマもなかなかなくって」

『忙しいんだね』

「毎年この時期はあわただしいのよ」

『きみんちの事情はなんとなくわかるよw』

「てんてこ舞いだわ。いろんなつながりがあるから、出向いたり出迎えたりで」

『それはご苦労さま、だなあ』

「ありがとう……年々苦労が増えてるけれど、負けないわ、わたし。

 

 そ、それでね、ハルくん。

 

 きょう通話したのは、あなたの声を聴きたいから、というのもあったんだけれど、」

『けれど、?w』

「おねがいごとがあるの」

『どんな?』

「ええっとね…えっと……もう三が日は、過ぎちゃったんだけど……いまさら初詣、なんて、ヘンかしら?」

『ヘンじゃないと思う』

「ほんとうに?」

『ああ。よく知らないけどさw』

「いい加減ねえ」

『で、アカ子は何がいいたいの』

「それは…」

『きみは何がやりたいのw 

 おれと何かやってみたいんでしょ?w』

「あ、あなた、ことばづかいがガサツよっ、『おれと何かやってみたいんでしょ』なんて」

『日本語が不自由で申し訳ない』

「わざと下品なことばづかいしたら怒るわよ」

『わざと、じゃあないよ。

 

 けっきょくさ……ww』

「なに笑ってるのよ💢」

『けっきょく、おれと一緒に初詣に行きたいんでしょ?w

 はじめっからそう言えばいいんじゃんか』

 

(;-_-)あのねー。

…言えたら苦労しないことぐらい、わかるでしょう。

 

 

 

× × ×

 

・日曜日

都内某神社にて

 

「あけましておめでとう、ハルくん。」

「うん、おめでとう、アカ子」

「今日はよろしくね。

 そして、今年もよろしく。

 

 ……、

 着物のほうが、よかった?

 

「(・・;)え、いきなり、なんだよ」

「もうお正月休みっていう空気じゃないから、和装(わそう)だとかえって変に見えるんじゃないかしらと思って、それで着物は着てこなかったんだけれど」

 

「……自分が『いい』と思う服装で来るのが、いちばんじゃないのか」

 

「……、

 

 キザね

 

 「ど、どこがだよ!?」

「~~♫」

 

 

× × ×

 

「お賽銭、いくら入れる?」

「いくら入れたって変わんないさ」

「ご利益(りやく)がぜんぶ逃げていくわよ」

「きみはそういうこと気にすんのか。金額の大きさとか」

 

(わたしは黙って紙幣を財布から取り出す)

 

「( ゚д゚ )ポカーン」

「あんまりまじまじと見ないでよ…毎年、こうしてるのよ」

「( ゚д゚ )着物を着る着ないを気にしてると思ったら、そういうところは無頓着なんだな」

「どういう意味よ」

「いや、別に……(小銭を投げ入れる)」

 

ハルくんがどうしてうろたえたようになっているのか、

全然わからない。

 

 

「(お祈りするハルくんに接近して)

 ねっ、今年のお願い、何なのw」

 

「ーー決まってるだろがっ」

 

「そうよね、決まっているわよね」

 

「ーーわかるの? おれの願いごと」

 

「もちろん♫」

 

「そう言うきみは、何を…」

 

「この願いごとは、秘(ひ)めごと。」

 

「はぁあ??」

 

(取り澄まして、拝殿の鈴をカランカラン…と鳴らす)

 

「まったく、素直じゃないなー」

 

「やっぱり言うわ」

 

「どんだけ素直じゃないんだよ!?」

 

ハルくんが、

 ハルくんが、ぜったいケガしませんように、って。

 

そう言って、

わたしはほんとうに素直じゃないからーー、

わざとハルくんから、顔をそらした。

 

「アカ子ーー。」

 

「おみくじ。おみくじ引きに行かない?」

 

「いや、おみくじはちょっと……」

 

「凶が出るのが怖いのね」

 

「ずばりだな」

「ずばりでしょ」

 

「でも、きみにそう言われたからには、不吉なのを怖がっちゃいけないよな。

 引くよ、おみくじ」

「き、切り替えがはやいわね」

「誰かさんと違って素直なタチなんだ」

もうっ、あなたってば!!

「おみくじ代は別々で」

あなたって素直だけどイジワルなのね

「そうでもないと思うがw」

 

 

 

・おみくじを引いて、開封した

 

「お互いにいい結果が出たわね」

 

「…どこが、いい結果なんだか」

 

「受け止めなさいよ。

 

 それと、

 このおみくじ持って、写真撮るわよ」

 

「え、まじで」

 

「結果がわかるようにおみくじを見せながら、あなたとわたしが写ってる写真を」

「ツーショットってことか」

 

(ハルくんのことばに構わず、

 左腕を彼の右腕に回して、

 右手でスマホを掲(かか)げる)

 

「そっちの手(左手)でおみくじ持って、結果が写るように、手をこっちに近づけて」

「ーーこう?」

「よーくわかってるじゃないの」

 

パシャ

 

「念のためもう1枚」

 

パシャ

 

「ふう……、

 いろいろあわただしいって言ってたから、正月疲れで、きみはてっきりくたびれてると思ったよ。

 それが、こんな体力が残ってるなんて」

「だからなんでそんなにわたしの体力を甘く見てるのよ?

 スポーツテストの成績、見せてあげようかしら? 今度。

 

 と、

 ところでーー、

 あなた、いつまで、

 わたしの、

 手、握っているの、」

 

「(ぶっきらぼうに)握ってきたのはアカ子のほうだろ。」

「わたしは握ったんじゃないわ、腕を回したの、

 そう、腕を回した、だけ……」

「(しどろもどろに)そうとも…いえる。」

 

わたしの左手を握ったまま、持ち上げる

 

(見つめ合いになって、)

 は…はる、くん、どうして

 

「言い忘れたことがあって。

 

 

 

 …今年もよろしく。」

 

 

……はい。

 

 

 

 

 

【愛の◯◯】「戸部のことなんかトコロテンや黒豆よりキライだっ」

年明け早々、同学年の女友だちについて考えてみる。

 

 

小泉小陽(こはる)。

 

慶應文学部合格を一発でツモって、順風満帆。

きのう、電話で話したが、案の定テレビの年末年始特番について熱く語りつづけて、わたしを呆れさせた。

ただ、小泉の話自体は面白かった。

それから、小泉にはある野望があって、お正月に地方都市を旅行して、宿のテレビで地元企業の「止め画(え)CM」をひたすらチェックしたいらしい。

「止め画CM」って、いったい、なによ……?

 

 

八木八重子。

 

あけまして浪人生。

でもその身分は、3月で返上しないとね。

 

…予備校通ってるだけ、わたしより全然えらいよ……

 

それはともかく!

八重子がどの大学受けるかも気になるところだが、なんと八重子にはどうも気になっている男の子がいるらしく、個人的にはその男の子のほうが気になる。

工藤くん? だったかしら。運命的に放送部のコンテストで出会い、運命的に同じ予備校で再会したという。

しかし彼の第一志望は、京都大学

八重子、彼のあとを追って(?)、関西の大学に行きはしないかしら。

もちろん八重子本人の意志のままに…だけど、八重子が東京からいなくなっちゃうのは、さみしいな。

 

 

藤村アン。

 

実を言うと、きょうこれからわたしは、藤村家におじゃまするのであります。

ま、新年の挨拶がてら、ふたりだけの女子会みたいなものね。

アンの家に行くの、久しぶりも久しぶりな気がする。

たぶん、高等部時代末期に、アンの家庭教師役を買って出て、通っていたとき、以来?

じゃあほんとうに久々ね。

 

楽しみ。

素(す)のアンが見られそうでw

 

お昼前

葉山家ダイニング

 

「おとーさん、おはよう♫」

「おー、むつみおはよう。

 なんだかきょうは、ウキウキしてるみたいじゃないか」

 

おとーさんどうしてわかるの…

 

「なんだ、そのリアクションw」

「…友だちのウチに行くって、言ってなかったっけ」

「藤村さん、だっけ?」

「そうよ」

「こっちの家にもよく来てくれてるみたいじゃないか」

「そうよ…おとうさんとは、あんまり顔を合わせてないと思うけど、ね」

「紹介してくれてもいいだろ~w」

「(-_-;)恋人みたいに…アンは女の子だって」

「下の名前、アンちゃんっていうのか」

「そう、杏(アンズ)って書いて、アン。」

 

「あのね、アンが大学入ってから、なんか一方的に彼女のほうからわたしんちに来るみたいな状態になってたから」

「自分から動いてみることにしたんだな」

「そう。今後は積極的に『外に出てみる』ことにしたの」

「むつみ、

 お父さん、おまえが外に出るってことは、とってもいいことだと思う。

 でも、無理のしすぎは心配だ。

 お母さんも、同じように、心配してるぞ」

「わかってる…。

 お母さんが心配になるのは、わたしも心苦しい」

「それはみんなそうだ」

「うん、わかってる」

「でも、以前と違うのは、おまえを助けてくれる、支えてくれるひとが、数え切れないくらい増えたことだ。

 むつみ、しんどくなったら、そんな人たちに寄りかかってみなさい。

 いつか、じぶんが助けられたように、相手を助けてあげられるときが来る」

 

ーー何から何まで、おとうさんは、

正しい。 

 

「ま、重い話は、ここまでにして。

 お父さん、今年の目標を立てたんだ」

「目標?」

「むつみと一緒にフランス語を勉強すること」

 

Σ(・・;)そういえば、せっかくおとうさんとの共同所有になったフランス語の教科書、全然読めてなかった。 

 

 

ゼロから始めるフランス語―文法中心

ゼロから始めるフランス語―文法中心

 

 

「むつみ、一日15分でも10分でもいいから、お父さんとフランス語を勉強する時間をつくろう。」

「…語学は反復と継続が大事だからね。」

「それだけじゃないぞ、大事なことは」

「ーー??」

いつか、わかるよw

 

 

 

× × ×

 

こうしてわたしは出かけた。

 

言い忘れてましたが、

藤村家、マンション住みです。 

 

・玄関

 

・アンのお母さんが出迎えてくれる

 

「(丁重に)あけましておめでとうございます」

「おめでと~~、久しぶりねえ、ね、おせちの残りがあるんだけど、晩ごはん食べてくでしょ? ね!」

「はい、よろこんで。

 あのーー、

 (心なしか顔を近づけて、)アンの苦手なおせちって、なんですかw」

「(´∀`*)ウフ、それはね…ww」

 

 

・アンの部屋

 

「めずらしくきちんとしてるわね、髪も服装も」

「いつまでも子どもじゃないし。

 ハタチだし、ことしで。

 

 

 

 ママの説教、いやだから…

 

「wwwwwww」

「ほ、ほめてよっ、はーちゃん」

「ママ離れ、できてないじゃないw」

できてるよっ!

「強情ねww」

「(´・ω・`)」

「あなたのママさんは、」

「はーちゃんまで『ママさん』っていうっ!

 戸部とおんなじみたいにっ」

「(構わず)あなたにガミガミ口やかましく言うみたいでも、そのいっぽうで、あなたに甘えてほしいとも思ってるのよ」

「そんなことないよ、わたしが甘えるなんて」

「いい? 

 あなたのママさんやパパさんは、いつまでもあなたのママさんやパパさんなのよ。

 わたしの両親だって、おなじ。

 でしょ?」

「(´・ω・`;)」

 

「はーちゃん」

「はい」

「ちょっとこっち来て(自分が座っているベッドに招き寄せる)」

「(右隣に座り、)はい。

 なにか話があるのね。

 女子会らしくなってきたなってきたw

 かしこまっちゃってw」

 

 

「………(沈黙を続ける)」

 

 

「アンがしたい話、当ててみる」

「」

「好きな男の人、できたんでしょ」

 

 

「(うわずった声で)どうしてわかったの!?

 

 

「そんな大声出したらママさんが来ちゃうよ」

 

(くちびるを噛むアン)

 

「はーちゃん、

 ひとつだけ、約束…

 戸部には言わないで、

 これ、約束」

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

・アンの恋愛模様を聴取する

 

「ーーだいたいわかったわ」

「あんまり言いふらしちゃダメね」

「とくに戸部くんには絶対言うな、と」

「だって、戸部、わたしの弱み握ってるから」

 

ほほー。 

 

「どんなこと?」

 

「戸部、高2で、はじめてクラス一緒になったんだけど、

 

 …冬、ちょうど今ごろにね、

 わたし野球部の4番バッターとつきあい始めて…でも3日で別れて…そのあとでわたし、ちょっとメンタル的におかしくなっちゃったというか……うん、ちょっとだけおかしくって、かなりどーしよーもなくなってたんだけど、そんなときにね、戸部がわたしに声をかけたことがあって、うれしくて、うれしかったけど、今思うと…照れくさい」

 

「しゃべりがこんがらがっちゃってるじゃないw」

 

「(枕を抱きしめながら)戸部はまったく男としてタイプじゃないの、それは、これまでも、この先だって永久に変わらない」

 

「それはわかったわ。

 わかった、けれどね、アン、

 ごめんね、

 そのエピソード…、

 とっくに戸部くんから知らされてるのよww

 

 

 

「あ、

 あんにゃろ、

 ますますキライになった、

 戸部の大バカ、

 トコロテンやおせちの黒豆よりもキライなんだからっ

 

 

 

(^_^;)…アンが戸部くんを嫌いじゃないのが、

かえってはっきり分かって、非常によろしい。 

 

 

 

【愛の◯◯】もつれる半紙

あけましておめでとうございます。

青島さやかです。

 

ーー、

「あけましておめでとうございました」

って言うべきですかね?

きょう、1月2日だし。 

 

えーきょうは愛が居候しているお邸(やしき)に来ました。

もちろんことし初訪問です。 

 

昼下がりの戸部邸

 

「今年もよろしく、愛」

「よろしくさやか」

箱根駅伝観てた?」

「観てた」

「アツマさんの大学は出てないの」

「出てないよ。

 でもいっしょに観てた」

「駅伝、好きそうだもんね」

「走るの好きだもん」

「いまはどうしてるの? アツマさん」

「あすかちゃんとラグビー観てるよ。

 わたしは書き初めの準備」

「じゃ、わたし愛を手伝うよ」

「ありがと~」

 

× × ×

 

「せっかく書き初めやるってんのに、アカ子が不在だと、さみしいよね」

「アカちゃんわたしより字が綺麗だもんねぇ。

 仕方ないよ、この時期は、アカちゃんはいそがしいんだよ」

「家の会社の事情、ってのがねー。」

「思うんだけど」

「? なにを?」

「さやかはさ、

 もっとアカちゃんと遊んであげるべきよ」

「そんな愛ばっかりに依存してたかなあ」

「アカちゃんの邸(いえ)より、この邸(いえ)に来た回数のほうが圧倒的に多いでしょ」

「…否定できないかな…やむを得ない点もあるとは思うけど」

「蜜柑ちゃんに会いたいでしょさやか」

「会いたいけど、会いたいと、かえって気後れするの」

「あこがれてるから?」

「そーゆうこと」

「新学期になったら、行ってみなよ、アカちゃんちに。

 わたしが背中押してあげるから」

「押されなくとも」

 

 

と、言うわけで

書き初め、開始@和室

 

アツマさんとあすかちゃんが合流。

ひとしきり新年の挨拶。

 

畳に正座し、めいめいが半紙のまえに向かう。

 

愛「墨を磨(す)るところからやりましょうか

わたし「ずいぶん本格的ねえ」

 

アツマさん「え…墨汁(ぼくじゅう)っていう便利なものがあったと思うんですけど」

愛「なんのためにわざわざ和室でセッティングしたと思ってるの?

アツマさん「書き初めだからだろ」

愛「墨、磨(す)らないと雰囲気が出ないでしょ!

アツマさん「そんなこといったって墨の磨りかたわかんねえよお」

愛「教えてあげるから」

 

わたし「あすかちゃん、わたし磨(す)りかた知ってるから、手伝ってあげるよ」

あすかちゃん「え! いいんですか」

わたし「兄が書道やってたから…その影響……で」

あすかちゃん「なんでそこでドギマギするんですかw」

 

わたし「まずこうして、で、墨を、こういうふうに」

あすかちゃん「こんなかんじですか?」

わたし「そうそう、いい感じいい感じ。

 

 …すこし、慎重すぎるかも。

 もうちょっとスピード上げても大丈夫だよ」

あすかちゃん「こう…ですか?」

わたし「(じっと確認する)

 うん、そんな感じで。」

 

あすかちゃん「これぐらいで…いいんでしょうか」

わたし「ちょうどいい、ちょうどいい。

 上手くいったじゃないw(拍手)」

 

(照れ笑いするあすかちゃん)

 

あすかちゃん「さやかさん、なんだか…」

わたし「なんだか、?」

あすかちゃん「さやかさんはいいお母さんになれそう

わたし「えっ

 

そんなこと言われたの、

生まれてはじめて…

 

わたし「む、むかし、あすかちゃんには、

 『女の子にモテそうですよね』

 って言われた記憶が、わたし、あるよ、」

 

あすかちゃん「(キッパリと)それはそれ、これはこれです」

 

あすかちゃん、

つよい。

 

 

× × ×

 

愛「アツマくん全然ダメじゃないの」

アツマさん「いきなり完全否定から入らないでくれ。

 具体的にどこがダメなんだよ」

愛「(何やら半紙のいろいろなところを指差している様子で)

 ここと、ここと、ここ。

 もっと厳しく言えば、ここや、ここも!

 

 とめ・はね・はらい、押しなべてダメダメ」

 

(^_^;)サディストなの? 愛は…w 

 

アツマさん「(;;-_-)正月早々、こころ折れるぜ…」

愛「筆は折らないでよ」

アツマさん「折るわけねーだろ」

愛「アツマくんの握力だと折れちゃわないか心配なのよ」

 

わたし「愛、『筆を折る』だと別の意味になっちゃうよw」

愛「アツマくんは物理的に筆を折りかねないから」

アツマさん「(;´Д)おい冗談だよな…冗談だって言えよ」

 

愛「まったく、もう。

 大学のテストで、答案読んでもらえなかったらどうするのよ。

 

 だけどーー、

 ダメ出ししたからには、手本、見せてあげないとね」

 

(俊敏な動きで筆を動かす愛)

 

愛「はい」

 

わたし「(愛が書いた半紙を見て)『知と愛』。

 ヘルマン・ヘッセだねえ」

 

愛「もう一枚!」

 

(再度、俊敏な動きで筆を動かす愛)

 

あすかちゃん「『鼠(ねずみ)』…ですね。

 難しい漢字。」

 

アツマさん「今年の干支(えと)ってこと?」

愛「そう」

アツマさん「いや上手いのはわかるんだけどさあ」

愛「文句ある💢」

アツマさん「達筆すぎで、動きが速くてよく見えなかった」

愛「お手本にならなかったってこと!?

 ショック!!」

アツマさん「そこまで完全否定はしてないけど…」

愛「もうこうなったら、あなたの手を動かすしかないみたいね」

アツマさん「どーゆーことだよそれは」

 

(アツマさんの背後にまわる愛)

 

わたし「あんた、アツマさんの背中に来るの、好きだよね」

愛「(明らかに狼狽(ろうばい)して)ちょっとさやか!!

 下品なこと言わないでよっ!

わたし「すみませーんww」

 

なーに想像してんだか、愛はwww

 

愛「筆の持ちかたから直しなさい」

 

 (アツマさんの右横に、自分の筆を持った右腕を並べる)

 

愛「わたしの筆の持ちかた、よく見て。

 

 まだダメ。

 

 それじゃまだダメっ。

 

 ーーうん、及第点かな、とりあえず」

 

困惑気味のアツマさん「愛」

愛「『近い』って言いたいんでしょ」

困惑気味のアツマさん「うん、近い、愛のからだ」

愛「(取り合わず)ーーあなた、何を書きたい?」

困惑アツマさん「書きたい文字のことか?」

愛「そう。どんなことば書きたい?」

 

超困惑アツマさん「……、

 

 …………、

 

 …………、

 

 『』とか。」

 

わたし「いいじゃないですか!」

あすかちゃん「いい、いい、季節違いだけど、冬の次は春が来るから」

 

愛「思わず、ハルくんを連想しちゃったw」

うろたえアツマさん「こんな時にダブルミーニングかよお」

 

あすかちゃん「(いたって冷静に)ハルさんの『ハル』は違う漢字ですけどね」

わたし「愛のいじわる…」

あすかちゃん「(至極冷静に)さやかさん、もう過剰反応ですから」

わたし「蒸し返してる気がして」

あすかちゃん「(あっさりと)そういうのはもうないんです」

 

愛「ごめんね、いじわるで」

わたし「聞こえたの?」

あすかちゃん「おねーさんはほーんとイジワルですねwww

愛「ごめんね~~www

 

アツマさん「あのなー」

愛「はいはい」

アツマさん「脱線がすぎるぞ…ったくもう。

 上手い書きかたを教えてくれるんだろ、

 身体(からだ)で。」

愛「いやらしいこと言わないでよ」

アツマさん「だってそういう言いかたしかないだろうが」

愛「ボキャ貧!

 

愛「いい?

 わたしに身を任せて。」

アツマさん「何いってんのお前!?」

愛「アツマくんは! 筆を! にぎってればいいの!!

 わたしが!! アツマくんの手を!! 動かしてあげるから!!」

 

 

わたし「ーーあのやりかた、ほんとうに効率的なのかな」

あすかちゃん「(^_^;)収拾つかないですよねw」

わたし「きょうはアツマさんが完全に尻に敷かれてるね」

あすかちゃん「ーー久しぶりかも。

 おねーさんにタジタジな、お兄ちゃん」

 

わたし「(半紙の前でもつれ合い状態になってるふたりを眺めながら)

 どっちが『押し』でどっちが『引き』なの? ふだんは」

あすかちゃん「あのふたりの力関係のことですか?」

わたし「あすかちゃん理解速いね」

あすかちゃん「いっしょに住んでますからね~。

 

 さやかさん、ちょっと耳を貸してください」

わたし「いいよ~~♫

 

 

 

 

 

【愛の◯◯】わたしたちの『おかあさん』からのお年玉

戸部邸

新年の朝

 

トニオ・クレエゲル (岩波文庫)

 

「読み終わっちゃった。

 近いうちに、読み返したほうがいいかな、また」

 

 

あけましておめでとうございます。

羽田愛です。

今年もよろしくおねがいします。 

 

思ったよりはやく起きてしまったので、読みかけたままになっていた『トニオ・クレエゲル』に手を付けたら、すんなりと最後まで読み終えてしまった。

これが何度目の通読か、もはやわからない。 

 

2019年の読書は不本意だった。

読んだ冊数、とてもじゃないけど、ひとには言えない。

 

2020年は、立て直したいな、読書。

立て直せるかな。

 

考えても仕方ない。

読まなきゃ始まらない。 

 

今年がーー、

音楽と本が、充実した年に、なりますように。 

 

「さてと。

 キッチンでも磨くか。」

 

× × ×

 

・あすかちゃんが起きてきた

 

「あけましておめでとうございます! おねーさん」

「あけましておめでとうあすかちゃん。

 今年もよろしくね」

「よろしくです~」

 

「あすかちゃんのバンドはさ、」

「『ソリッドオーシャン』がどうかしましたか?」

「そ、そうね『ソリッドオーシャン』ね、

 クリスマスのアレで終わりじゃないんでしょ活動。

 今年もどこかでライブするんでしょう、きっと」

「(キョトーン)」

「し、しないわけないよね!?」

 

「…そういえば今後のこと、まったく考えてませんでした。

 バンドはいまの4人で継続するんですけど、なんにも話し合ってなかった」

 

燃え尽き症候群になっちゃダメよ…あすかちゃん」

「燃え尽きました」

「ええぇっ」

「でも、いったん燃え尽きて、生まれ変わりましたから、わたし」

「生まれ変わった…?」

「大げさすぎましたかw

 リスタート、ってことですよ」

 

・そこに流さんが起きてきた

 

あすかちゃん「ながるさーん、あけましておめでとうございます」

わたし「あけましておめでとうございます」

 

流さん「こちらこそ、ふたりともあけましておめでとう」

 

流さん「(あすかちゃんを凝視して)………」

あすかちゃん「? どうしました、ながるさーん」

 

流さん「いやね、あすかちゃんの眼がーー、

 新年早々から、輝いてるみたいで、いいなあって」

 

あすかちゃん「どうしてわかるんですか、ながるさん……」

 

わたし「言われてみれば」

あすかちゃん「お、おねーさんも、そう思います!?」

わたし「なんかキラキラしてる」

あすかちゃん「ほんとですか!?」

 

わたし「あすかちゃんさっき、『燃え尽きて、生まれ変わった』って言ってたけど…あすかちゃんがそう言った意味、わかったような気がする」

あすかちゃん「わかるんですか?」

わたし「うん、

 あすかちゃん、眼だけじゃなくて、全体的になんか、キラキラしてる。

 まぶしいw」

あすかちゃん「おねーさんまたまたぁ~ww

 

 

・少し経ってから、アツマくんが起きてきた

 

アツマくん「お、3人とも、あけおめ」

わたし「いい加減ね、新年の挨拶なのに」

あすかちゃん「そうだよぉお兄ちゃん」

 

わたし「……今年もがんばってね、アツマくん」

 

アツマくん「なにをがんばれってのw」

わたし「いろいろあるでしょ、がんばること💢」

アツマくん「おまえもがんばれよ」

わたし「言われなくたって」

 

アツマくん「(わたしの頭に手をぽすっ、と置いて)

 まぁよろしくな、愛。今年も」

 

不意をつかれたわたし「………よろしく。

 

 

アツマくん「ところで今年はオリンピックがあるのだが。

 しかも開催地はおれたちの東京都だ!!!」

あすかちゃん「東京都だけじゃなくなっちゃったけどね」

流さん「札幌マラソンかw」

アツマくん「くぅ」

 

わたし「アツマくんは出ないの? オリンピック」

アツマくん「はぁ!?」

わたし「種目によってはけっこういいとこまで行くんじゃないのかしらw」

アツマくん「じょ冗談に決まってるよな」

わたし「でも何%かは本気よ」

アツマくん「どうせ8%とかだろ」

わたし「どうかしらね~~」

 

・最後に明日美子さんが起きてきた

 

明日美子さん「あらら~、みんなはやいのね~~」

流さん「でももうすぐお昼どきですよw」

 

わたし「いけない、わたしお雑煮まだつくってない」

明日美子さん「マアマア、お雑煮の前に」

わたし「前に?」

明日美子さん「あけおめ~~

わたし「(-_-;)あ、はい。

 あけおめ。」

 

明日美子さん「で、お雑煮に取り掛かる前に」

わたし「まだなにかあるんですか??」

 

(不敵な笑みの明日美子さん)

 

わたし「???」

明日美子さん「愛ちゃん、お年玉ほしいでしょ」

わたし「あ!

 

わたし「ーーで、でも、

 たしかに過去3年はお年玉もらいましたけど、

 わたしもう今年は高等部の3年だし、

 いい加減もらうような歳でも、ないような、」

 

アツマくん「何遠慮してんだ、もらえばいいだろ」

 

明日美子さん「(わたしに抱きつくようにして)そうよ~。

 この邸(いえ)では、わたしは愛ちゃんのお母さんなんだから!!」

 

わたし「じゃ、じゃ、じゃあ、

 お、

 おかあさん、

 お年玉、

 ください」

 

明日美子さん「(ポチ袋を手渡して)はい、素直な愛ちゃん」

わたし「ありがとうございます、うけとります……

 あの、

 素直って言ってくれて、うれしいです、

 

 明日美子さんーーじゃなくって、わたしたちのおかあさん」

 

アツマくん「もうずっとおかあさんって呼べばいいんじゃね」

わたし「ど、どうしよ」

明日美子さん「どっちでもいいのよwwwwどっちでもw」

わたし「(-_-;)か、考えときます」

 

明日美子さん「で、もちろんアツマとあすかにも、お年玉ね」

あすかちゃん「(ノ≧∀)ノわぁ~いありがとう♫」

 

アツマくん「か、母さん、それこそ…おれ、バイトで稼いだし、もう子どもじゃないよ、大学生にもなって」

明日美子さん「ずっとお年玉はあげるから。」

アツマくん「『ずっと』っつったってーーいつまで?」

明日美子さん「いつまでかなあ。

 今は、未定かな」

アツマくん「み、未定って…もうじき、親戚の子がいたらお年玉あげるような年齢になっちまうぜ」

明日美子さん「(´∀`*)ウフフ…

 楽しみだわわたし、いろいろと、アツマ。」

アツマくん「(ポチ袋を受け取りながら)『何が』楽しみなんだよっ、思わせぶりに…」

わたし「けっきょく受け取るんだw」

アツマくん「るせっ

 

 

 

 

 

【愛の◯◯】気分次第でフライングお年玉

・音楽誌『開放弦』公式ブログ より

2019-12-31

 

本日、第70回NHK紅白歌合戦!!

 

 

 

さつき「……(いかにも気だるそうに)あたし帰っていい?」

 

圭二「何を言ってんですか! 今年は第70回の記念大会なんですよ」

 

さつき「(ムスッとして)…だからなんなの?」

 

輝三「そうだよ圭二。70回できりがいいからって、誰もがときめくわけじゃあないよ」

 

さつき「テルくんの言うとおりよ!」

 

圭二「ちぇっ、さつきさんはいつもテルの味方なんだ」

 

さつき「……ジェラシー?w」

 

圭二「へ、へんなこと言わないでくださいよっ」

 

イチロー「圭二、なんでそんなうろたえてるんだ?」

 

圭二「うるさいやいなんでもないやい」

 

小鳥遊「イチロー先輩、そんなことよりきょうは大みそかなんですから、紅白歌合戦のはなしをしましょうよお」

 

イチロー「た、小鳥遊、なんでそんな強引にーー」

 

さつき「小鳥遊ちゃん、空気読むのうまいww」

 

輝三「うまいww」

 

圭二「(憮然として)……」

 

 

× × ×

 

圭二「ことしは第70回だけど、第60回の紅白歌合戦とか覚えてるか?」

 

イチロー「10年前ってことは、2009年だろう?

 ぜんぜん覚えてないよ」

 

圭二「第50回(1999年)のほうが記憶に残ってるもんだよな。

 しょうじき、おれもそうだよ」

 

イチロー「1999年っていったら、おれたち小学5年生だもんね。

 そういった時期のほうが、記憶に定着しやすいよね」

 

圭二「第50回(99年)の白組司会は中村勘九郎…のちの中村勘三郎、もう亡くなっちゃったけれどな」

 

イチロー「あっという間に亡くなっちゃうもんだな(しんみり)」

 

輝三「時の流れを感じるよな(しんみり)」

 

圭二「…で、紅組司会は久保純子、当時NHKの局アナだった『クボジュン』だ」

 

イチロー「なつかしいな」

 

圭二「クボジュンのお父さんは日テレのアナウンサーだったんだよ」

 

小鳥遊「( ・∀・)つ〃∩ へぇ~へぇ~」

 

イチロー「…(キレ気味? に)その『へぇボタン』はどこから持ってきたんだ小鳥遊……!」

 

小鳥遊「編集長の机にありました」

 

イチロー「(゚Д゚)ハァ? 編集長の机のものを勝手に持ってきちゃあダメだろうが!!

 それでも社会人かーーーーー!!!!!!

 

小鳥遊「(不満そうに)編集長が、『これ、使ったら面白そうだから、あっちに持っていきなさい』って」

 

圭二「なんだ、編集長の許可とってるんじゃないか」

 

イチロー「……ビビる大木は、へぇボタン押し過ぎで、うざかったよな」

 

輝三「いやトリビアの泉じゃなくて紅白の話しようよ」

 

小鳥遊「そーですよお」

 

圭二「第50回だけど、トップバッターがモー娘。の『LOVEマシーン』ってのがインパクトでかいな。白組のトップバッターはDA PUMPっていうのもーー」

 

小鳥遊「(゚Д゚)エッDA PUMPってそんなにベテランなんですか?!」

 

圭二「ISSAはおじさんだよ

 

さつき「圭二、小鳥遊ちゃんの夢を壊すようなこと言わないでよ」

 

イチロー「…社会人だから、もっと現実を見せたほうが小鳥遊のためにはなるのに」

 

小鳥遊「せんぱ~い、そういうことは、わたしの顔を見て言ってくださいよぉ~」

 

イチロー「……大井競馬の場外って、こっから近いっけ」

 

さつき「近いけど、イチロー、あんた大井競馬なんてやるの?」

 

イチロー「夢を…買いたくなってきました」

 

さつき「wwwwwwwwwwwwwwww」

 

小鳥遊「wwwwwwwwwwwwwwww」

 

圭二「wwwwwwwwwwwwwwwww」

 

(退出するイチロー

 

× × ×

 

輝三「(ひとしきり笑って、)でも、小鳥遊も、来年はもう少しオトナにならなきゃだめだよ」

 

小鳥遊「……了解しました」

 

さつき「素直ね」

 

圭二「イチローがいないところだと素直なんですよね」

 

さつき「ねぇあたし2009年の紅白のこととか1ミリも知らないんだけど」

 

輝三「おれもおれも」

 

圭二「第60回(2009年)の紅組司会は仲間由紀恵、白組司会は中居くんです。ふたりとも現時点で司会を担当したのはこの年が最後です」

 

さつき「意外。中居くんってもっともっと司会してたイメージ」

 

輝三「おれもおれもおれも」

 

さつき「なんか鶴瓶と中居くんのふたりで司会したときってなかった?」

 

圭二「それは2007年です!」

 

さつき「鶴瓶が紅組司会だったんだっけ」

 

圭二「ありえないでしょう。紅組が中居くんだったんですよ。鶴瓶は白組のほうの司会です」

 

小鳥遊「(゚Д゚)エッ男性が紅組の司会するってOKなんですか」

 

圭二「前例があったんだよ。大昔にね。

 宮田輝(みやたてる)ってアナウンサーがいてね……」

 

宮田輝三「なんだ、おれの名前と一文字違いじゃないか」

 

高橋圭「そんなこと言ったらおれは高橋圭と一文字違いだろうが」

 

さつき・小鳥遊「?????????」

 

編集長・副編集長「?????????」

 

 

 

 

 

 

 

 

「この人たち、いつもながら、すぐ会話が脱線して、肝心の過去の紅白の内容にぜんぜん触れてないっていうww」

 

ギン!

 

「なんだよ、声が大きいなぁルミナ」

「おそばが茹で上がるんですけど💢」

「まだ年越しそばには早いと思うんですけど」

「いいじゃん、大みそかなんだし。

 

 それよりタブレット見ながら声出して笑うのやめてよ💢」

「いいじゃん、ここおれんちなんだし」

「そういう問題じゃないっ。

 まったく、大学生にもなってーー」

「ルミナだって大学生だろ」

「くっ……。

 あ、あんたいったいタブレットでなにを閲覧してたの」

「『開放弦』っていう音楽雑誌の公式ブログ」

「そんな面白いの? 声上げて笑うほど」

「面白いの」

「あんたすぐ自分の世界に入るよね。

 そんなことで社会に出てやっていけるのかしら…」

 

「(真顔になって)……ルミナ。」

 

「!?」

 

「(真顔のまま)ルミナ、来年……」

 

「ら、い、ね、ん???」

 

「………………、

 

 

 いや、

 なんでもない。

 今は言わないでおく(タブレットを置く)」

 

 

「え、なにギン、こっち来るってことは、料理手伝ってくれるの」

「ああ」

 

ギン………!

 

「大げさだ。そんなに感激すんな」

「だって!!」

「おまえがわざわざおれんち来てクッキングしてくれてんのを、ぼーっと眺めてるわけにはいかないだろ。

 おれだってボーっと生きてるわけじゃないんだ。

 

 それに、」

 

「そ、それに、?」

 

「料理の腕は、元来、おれとおまえで『どっこいどっこい』だということを忘れてもらっちゃーこまるw」

 

 

「…わるかったわねえ💢」

 

 

「だから……、

 

 おれとおまえが、ちからをあわせれば、

 

 50%プラス50%で、ちょうど100%になる」

 

 

「(感激しながら)なにそれ……おかしいw」

 

 

× × ×

 

「(エプロンを付けてもらいながら)ルミナってさ」

「(エプロンを付けながら)なに?

 (ウキウキと)今日みたくポニーテールのほうが似合ってる、とか?w」

「いや、そういうことを言うつもりはなかったけど」

「(しょぼしょぼと)あっそ…」

「似合ってるのは確かだよな、

 ポニーテール」

 

「(パアアアアーッと明るくなって)ほんと!?

 お年玉あげる、ギン!!!

 

「(^_^;)あのなー。」

(ノ≧∀)ノ♫♫♫

 

 

 

【愛の◯◯】冬はいい季節だ

大学院にも受かったし、

卒業論文も提出した。

 

院進するけど、大学生生活も、ひと段落。 

 

早朝

 

「あっ流(ながる)さん、おはようございます」

「おはよう、愛ちゃん。

 もう朝ごはんの支度かい、早いね。

 12月30日なんだから、もうちょっとゆっくりしてもいいと思うんだけど」

「からだに勝手にスイッチが入るんです。

 年末年始だからといって、体内時計狂わせたくないので」

 

(^_^;)強いなあ、この子は。 

 

「でも旅行の疲れとか、残ってるだろうに」

「ぜんぜん♫」

「…それは、よかった。

 旅行は、どうだった?」

「とっても楽しかったです!!」

「奈良に泊まったんだよね」

「はい、わたしすっかり奈良の街が気に入っちゃって、また行きたいですねーー大学生になってからでも」

 

そういや、旅行らしい旅行、しなかったな、

大学生になってからは。

 

周りは、海外旅行するヤツが何人もいたけど。

卒業旅行のことも、頭にはなかった。 

 

「流さんは、彼女さんと旅行に行ったりしないんですか?」

 

Σ(・・;) 

 

「そういえばしないなあ。

 お互い、出不精なんだ。」

「そうですかあ。

 

 それもまた、素敵だと思いますよ。」

「す、ステキ!? どこが」

「ことばが足りませんでした。素敵『な関係』だな、って」

「(^_^;)はは…w うれしいな、そう言ってもらえると」

 

 

「ところでーー、

 流さんは、今年度で大学卒業なんですよね」

「うん、卒業見込みだよ。単位が足りちゃったし、卒論も出しちゃったし」

「名残惜しそう…」

「だけどあんま今後も変わらないよ。同じ大学の院に行くんだから」

「大学院生になるんですね」

修士だね」

 

「わたし、流さんの卒論が気になるんですけど、どんなテーマで書いたか、教えてもらってもいいですか」

「あー、

 僕はね、小説を書いて、それを卒論の代わりにしたんだ」

えーーっ!! すごいじゃないですか!!!

「すごくはないよ、素人に毛が生えたものしか書けなかったし」

「何枚書いたんですか?」

「80枚」

「すごいですよ、わたし小説なんて、書こうとしても8枚も書けませんよ」

「(^_^;;)……かえって、ショートショートのほうが書きにくいよ」

 

「それはぜひ読みたいですね、小説」

「じつはちょっと恥ずかしいんだ、愛ちゃんに見せるのは」

「なんでですか?」

「アツマに見せるんだったら、恥ずかしくないんだけど…」

「ダメ出しが怖いんですねw」

ふ、フランクだね、きみは

「でも、小説家志望なんでしょう? 読んでくれるひとは多いほうが」

「それはわかってるんだけど、わかってるんだけど………ね」

「じゃあ彼女さんにいちばん最初に読んでもらいましょう。

 それだったらダメ出しも怖くないでしょ」

「なるほど」

「そして、そのあとで邸(ウチ)の全員が回し読みする、という流れで」

「(-_-;)恐ろしいなあそれは」

 

「大学院でなにするんですか?」

「ああ、いまの学科が文芸科だから、その延長線上みたいなもんだよ」

「でもいまどき『ぶんげーじゃーなりずむ』的なものって、世知辛いですよねぇ」

「そうね…(苦笑)」

 

「新人賞に応募したらいいのに」

「ああ、するつもりだよ。

 卒業制作といえば卒業制作だったけど、80枚書いたことで、なんとなく自信もついた。

 今までは、あれこれ自分に言い訳して、書きあぐねてたけど」

「応募するとしたら純文学系ですか?」

「かなぁ」

「ーー『純文学』って、いったいなんなんでしょうね」

「な、なんなんだろうかw」

「そもそも『純文学』ってだれが名付けたんでしょうか」

「それ講義で習った気がするなあ」

「(目を輝かせて)エッ知ってるんですか流さん!?

「ご、ごめん、記憶が薄れてしまっていて」

「(途端にしおれて)………」

「が、ガッカリさせちゃったね」

「……朝ごはん食べれば、流さんの記憶も戻ってくると思います」

「……食器出そうか、僕が」

「ありがとうございます」

 

・朝食後

 

「アツマ、風呂掃除はいつからはじめようか」

「9時半」

「わかった。

 時間かかりそうだな、『風呂』というよりは『浴場』の掃除か」

「広くてデカいほうが、掃除のし甲斐(がい)もあるってもんよ」

「疲れるけどね…w」

「何いってんの流さん、疲れるのは悪いことじゃない、むしろ良いことなんだって」

「いえてるな」

「だってそうでしょ」

「ほんとだな」

「からだ動かすの好きなんだよ、だからプール掃除とかも大好きだった」

「たしかに、プール掃除には楽しみもあった」

 

「流さん脱衣所やってよ、おれは浴槽ゴシゴシしたいからさ」

 

脱衣所………」

 

「ど、どうしたん流さん!? なんか固まってんぞ」

 

「う…うん、脱衣所ね。

 

 ところで今年もあと2日しかないよね」

「なんだよそのアクロバティックな話の方向転換」

「いや……今年もいろいろあったよね、って」

 

(きょとんとするアツマ)

 

 

 

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

(-_-;;;)言えるわけないなー、

愛ちゃんと、脱衣所で、

↑みたいなことがあったなんて。

 

思わず、湿気のせい、にしたくなっちゃうけど。

 

…その点、冬は、ジメジメしてなくて、いい季節だ。