わたし八木八重子。
浪人生で、夏休みをいけにえに捧げている、のだけども、
葉山からおもしろい情報を聞きつけ、
葉山家の近くにある喫茶店『リュクサンブール』 に立ち寄ってみることにした。
たまにはいいよね。
情報が、おもしろいんだもん…w
♫カランカラン♫
「いらっしゃいませ。
ーーΣ( ;゚д゚)ギョッ!!」
「ハロー戸部くんwww」
「な、ないすとぅみーちゅー」
「おもしろいwww」
おもしろいwww
「すごいね! ウェイターの制服姿、サマになってんじゃんwwww」
「……お水とおしぼり、どうぞ」
「(´・∀・`)来たんでしょ? さっそく、きのう、葉山が」
「(若干震え声で)こちらメニューになります……」
× × ×
「息抜きか?」
「たまにはね」
「おれを面白がって来てんじゃないだろうな、おれは見世物じゃないぞ、◯◯大学の戸部アツマだ」
「その◯◯には、なにが入るの?」
「ーー上司が寛容なお方なので、少ししゃべってきたら? と言われた」
「いい職場だねえ」
「あんたはバイトしたことなかろうが」
「(~_~;)」
「わ、悪かった、心臓に釘を刺すようなこと言って!!」
「羽田さんからメールきた」
「なぜ愛からこのタイミングで…」
「【告知】があるんだって」
「告知!?」
「『このブログ、名前が少し変わるそうです』だって」
「(# ゚Д゚)管理人の宣伝じゃねーか!
愛をブログ名変更の告知に使うな!!」
「……茶番は終わりだ、八木さん、おれは業務に戻るよ」
「ねえ、戸部くん……」
「なに?!」
「『八木』って呼び捨てにしてよ。
八木『さん』じゃなくってさ」
「どうして?!」
「葉山だって呼び捨てにしてるでしょ?」
「(;-_-)たしかに、理屈は通ってる……」
「(;^_^)わかった。
受験勉強がんばれよ、八木!」
ーーちょっと、かっこよかったかも。
戸部くんの働いてる姿が、キラキラして見える。
わたしも、がんばらなきゃ。