卒業式の前日。
葉山先輩が電話してきて、
『調子が悪そうだ』と感じたわたしは、
半ば強引に、葉山先輩宅に押しかけた。
先輩のおへや
「卒業するのがさみしいというよりは、卒業したあとの先が見えなくて不安なんですよね、先輩」
「たぶん。
お先真っ暗なのかな、
なのかな、なのかな、
センター試験とか、
いやなことから逃げて、わたし、わたしーー」
「いやなことから逃げたっていいじゃないですか。」
「!」
・先輩にギューッと身を寄せるわたし
「(タメ口モード)なんてことないって。どうにかなるって、センパイ。
自分を追い込んじゃだーめ。
いま休まないと、明日の卒業式出れなくなっちゃうよ?
卒業式出れなくても、いいの?
明日のために現実逃避、って選択肢もあるんだから。
…はい、説教タイム終了」
「羽田さん…強くて、やさしくて、あったかくて、いいな」
「卒業しても、弱ったらいつでも呼んでくださいね。でも授業中はダーメ」
「戸部くんにもこうしてるの?」
「❗❓ こうしてる、ってのは」
「ほら、こうやって、人肌であたためるの」
「あ、これは、アツマくんが、わたしにしてくれたんです。
夏休みに、調子が落ち込んだとき、いまわたしが葉山先輩にしてるみたいに、ギューッと身を寄せて、わたしをあっためて、いたわってくれて。
アツマくんのからだ、大きくて、あったかくてーー」
「もうそんなとこまでいったの?」
「ちっちがうよっせせせセンパイのエッチ」
「wwwww」
「でも戸部くんも、大学生だからねえ今度は」
「もうしばらくプラトニックでいいよぉ」
「ーー温泉旅行とかしないの、ふたりで? 小泉と八木みたいにw」
「(完全スルー)そういえばアツマくんの誕生日記念デートの行き先決めてなかった」
「(^o^;強いねえ愛ちゃんは」
「デートの行き先! 越谷レイクタウンとか、どう思う、センパイ!?」
「(・_・ )それはやめときなさい。」