【愛の◯◯】悪い蜜柑の夢

はいこんにちは! アカ子です!

もういくつ寝るとクリスマス、もういくつ寝るとお正月、

そんな季節でしょうか!? 

 

まっすぐ家に帰った

 

「ただいま~」

 

おかえりなさいませ、おじょうさま

 

「(゜o゜; ど、どしたの蜜柑!?!?

 元気ないわよ、風邪ぎみなの?」

 

そうかもしれません。

 あるいは、ちょっとくたびれてるのかも

 

「どっちにしろ、体温をはかりましょうよ。

 体温計、体温計……」

 

× × ×

 

「微熱でよかった。

 風邪のひきはじめ、ってところね。

 そんな体調で、あちこち動き回っちゃダメじゃないの」

 

「そんな…家のことをしていないと、わたしの存在意義がーー」

「バカ言うんじゃないわよっ、

 1日ぐらい家事を休んだぐらいで、この家がグチャグチャになるわけじゃないでしょ?

 

 …わたしも悪かったわね、

 蜜柑に全部、家のこと、任せっきりみたいにしてた。

 

 だからーー蜜柑、

 わたしが、蜜柑の家事を代行してあげるわ」

 

× × ×

 

というわけで、

蜜柑を寝かせて、

掃除・洗濯の代行サービスを始めた。 

 

たしかにーー 

蜜柑も、くたびれても仕方がない。

わたしの邸(いえ)、なんだかんだで広いし、

掃除機をかけるだけで、かなり骨が折れた。

 

蜜柑も大変なのね。

慣れとかあるのかもしれないけど、

体力が無尽蔵(むじんぞう)にあるわけではないし。

 

・洗濯機を回した

 

「ーーさて、次はお夕飯かしら」

 

「その前に、蜜柑の様子を見なくちゃ。

 ちゃんと寝てるかしら」

 

 

@蜜柑の部屋

 

「!! 

 

 コラっ、蜜柑、起き上がってちゃダメでしょっ?

 

 

 

 …蜜柑!?

 どうしたの、

 そんなつらい顔して…」

 

「アカ子さん……

 夢を…見ました、

 もちろん…とびきり、

 悪い夢を」

 

× × ×

 

いろんな人が、

遠ざかっていく夢を見たらしい。

 

たとえば、高校時代に好きだったけどフラれた人。 

捨てられた蜜柑を育ててくれた、お父さんとお母さん。

そして、最後に、わたしが、視界からーー。

 

「死ぬほどコワい夢、見たのね」

「(しょげて)はい…」

「でも、それは、絶対に正夢じゃないから。

 絶対に夢のままで終わる、

 わたしが夢のままで終わらせてあげる、

 そんな悪夢、葬り去ってあげる」

 

「(うつむいて)アカ子さん…

 アカ子さんは、強いですね。

 

 わたしは、弱い」

 

「バカねっ、強いとか弱いとかじゃないのよ。

 

 ーー家族でしょ!

 

 お父さんとお母さんに、早めに帰るように連絡しておくから。

 蜜柑、なにが食べたい? わたしが作ってあげる」

 

「(わたしに泣きついて)

 

 

 

 

     …オムライス」