夢十夜

◯愛のインフルもようやく収まっていき……

 

愛「あ」

アツマ「あ」

 

愛「あのーー」

アツマ「おまえもうーー」

 

愛「ど、どうぞ(・_・;)」

アツマ「い、いいえ、そちらこそどうぞ(;´Д`)」

 

愛「ありがとう

アツマ「うん、どういたしまして( ・_・)」

 

アツマ「あのなー、『ありがとう』ってのは、もっとはっきりした声で、あ・り・が・と・う・! って言うべきだと思うぞ

( ・_・)」

「ありがとう!!!!!!」

 

アツマ「Σ(;´Д`)ヒ、ヒイイッ」

 

愛「ごほん、ごほんごほん(-_-;)

 

明日美子さん(階下から)『ちょっとアツマ、ずいぶんヒステリックな声が、上から聞こえてきたけど!?』

 

愛「ごほんごほんゴホンゴホン(-_-;;;)

 

アツマ「うひょおおえええええええええ」

 

アツマ「と、とりあえず、愛、部屋に戻って寝るんだ……」

愛「来て……

アツマ「は!?」

 

 

 

◯愛の部屋

 

愛「この本…読んで

 

 

夢十夜 他二篇 (岩波文庫)

夢十夜 他二篇 (岩波文庫)

 

 

アツマ「えっ漱石

愛「155ページ

アツマ「155ページ?」

 

愛「そう……『永日小品』っていう短文集の、最後のーー

アツマ「『クレイグ先生』ってのを、おれが、読めばいいんだな。」

愛「ゴホンゴホン……おねがい…

アツマ「わかった、わかったから、お前は寝てろ」

 

アツマ「ええと……このよくわからない漢字は……よし、『ノッカー』っていうふりがながふってあった」

愛「(ガラガラ声で)敲(たた)くって読むのよ

 

アツマ「なあ、おい、この漢字はなんて読むんだ、7行目の」

愛「あんまり近寄らないで! (。>﹏<。)」

アツマ「そんなこと言ったってなあ💢」

愛「ゴホンゴホン……それは……ゴホン、『ずいぶん』(随分)に決まってるでしょうが。あんた、大学落ちるわよ?」

アツマ「うるちゃい」

 

 

◯アツマはなんとか「クレイグ先生」を読み通した

アツマ「(´Д⊂ヽ」

愛「なんで泣いてるの……読み通せた感動?

アツマ「いや、クレイグ先生、最終的には死んじゃうんだなあって」

愛「ああ…(-_-;)

アツマ「(´Д⊂ヽ」

 

 

 

その後、愛は全快した!