【愛の◯◯】リエゾン、アンシェヌマン、エリズィヨン

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bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

前回のおさらい

  • フランス語の発音の3大ルール
  • 読みを注意すべき母音字と子音字 

 

昨日で、発音の復習を終わらせられればよかったのだが、

疲れたので、リエゾンまで行かなかった。

 

さて、

リエゾン』って、いったいなんなんですか、というお話。 

 

 

ゼロから始めるフランス語―文法中心

ゼロから始めるフランス語―文法中心

 

 

テキストは、引き続きこの本。

 

やっぱり、おとうさんが持ってた本だった。

 

『借りてもいい?』とわたしが言うと、

『いいよ。でも、父さんも読みたいから、むつみと父さんの共同管理本にしよう』

『共同管理本って…w』

『おかしいなw』

『おかしいねw でも、おとうさんが言おうとしてることはわかるよw』

という流れになって、

ダイニングのサイドテーブルにブックスタンドを置き、

そこに本を立てかけて、

『ゼロから始めるフランス語』は、父娘ふたりの共同所有、いわば『共読本』になったのでした。

学級文庫みたい。

葉山家文庫』だな…w 

 

リエゾン

さて『リエゾン』とはなんでしょう。 

 

「発音されない語末の子音字が、つぎの母音字または無音のhで始まる語と一体になって発音される現象*1

 

例えば、

 

un arbre

 

と書かれていたとします。

これはふたつの語を合わせて「1本の木」という意味です。

「un」は冠詞です。正確には、『不定冠詞』といいます。

まぁ、いまは、英語で言う「a/an」みたいなものと思っておけばだいじょーぶ。

「a/an」みたいなものということは、「un」で「1本の~」という意味。

となると「arbre」が「木」だということになりますね。

 

さて、昨日のおさらい、「発音の3大ルール」で、語末の子音字は発音されないのでした。

 

となると「un」の「n」は、語末でなおかつ子音字なので、発音されないはず・・・・・・と思いきや!!

 

「un arbre」で、「un」につづく単語が、「arbre」ですよね?

 

定義によれば、「発音されない語末の子音字」が、「つぎの母音字と一体になって発音される」のが、リエゾンという現象なのでした。

 

すると、「arbre」の語頭「a」が母音字ですから、ここではリエゾンが起こるのであって、

 

「un arbre」は、「アン*2、アルブル」と切り離して読むのではなく、

 

アンルブル

 

と読むのがフランス語。

つまり、「un arbre」をひと続きのことばのようにして読む、

リエゾンって、要するにそういうフランス語の「慣例」みたいなもの、って言っちゃっていいのかしら?

 

もう少しリエゾンの事例を出してみます。

リエゾンとはなんぞやとか考える前に、具体例で覚えたほうがいいと思う。

 

  • un arbre→「アンナルブル」(さっきの繰り返し)
  • des amis→「デザミ
  • deux écoles→「ドゥーゼコル*3
  • grand hôtel→「グランテル」(dの音はこの場合「トゥ」。ついつい「グランテル」と読みたくなるけれど、「グランテル」が正しい。hは発音しない「無音のh」。「hôtel」の読みは昨日やりました、やったんですよ、やったんですね。)

 

で、じつは「リエゾンしてはいけないケース」もあるんですが、先を急ぐのでざっくりカットします。

そういうケースが今後出てきたら説明する。たぶん 

 

アンシェヌマン

もう、具体例!! 

 

  1. une élève→「ユネレーヴ
  2. il est→「イレ

 

まず1.についてですが、uneの語末のeは「3大ルール」により発音しません。これによりuneのnが発音される子音になり(une単体では「ユヌ」)、élève(「エレーヴ」)の語頭の母音éとくっついて「ユネレーヴ」と続けざまに読むようになるわけです。

 

2.について。ilは「イル」です。昨日ちょっと説明したけど、語末のlは子音字だけどよく発音されます。だから「イル」。でもestの語頭母音eとくっついて「イレ」となる。est単体の読みは「エ」で、stは発音されません。

「il est」で「彼は~です」となるのですが、うすうす気づいたかも? この言い回しすっごく重要なんですよ。だって英語の「He is」に相当するんだもんね。

 

こういう現象が「アンシェヌマン」です。発音され語末の子音字にまつわる現象だというのが、リエゾンとの違いですね。

 

エリズィヨン

  1. l’homme→「ロム
  2. j’aime→「ジェーム

なにか記号がついてますねえ。「’」の記号、「アポストロフ」って言うらしいんですけど、つまりは省略の記号っていうもので、1.でほんらい「le」だったのが「homme」とくっつくと「l’」と語末のeが省略されたかたちになって「l’homme」という書き方のできあがり。

leの語末のeはおなじみ「3大ルール」でもともと発音されず、hommeの語頭のhは無音のh、「le ル」と「homme オム」が合体して、

「l’homme ロム」。

 

2.にしても、「je ジュ」という単語の語末のeが省略されて、「aime」という単語とくっついて「j’aime」になって、「aime」という単語の読みが「エーム」ですから、ひと続きの「j’aime」になって読みは「ジェーム」。

 

エリズィヨンは、「語末のe」と「語頭の母音字/無音のh」それから何より「『’』による省略」がキーポイント。

 

 

ちなみにちなみに、l’hommeは「人間」、j’aimeは「わたしは愛する」っていう意味になります。どちらもすっごくすっごく重要ですね!!

 

 

*1:『ゼロから始めるフランス語』、xvページ

*2:前回説明を省略してしまいましたが、「un」は「鼻母音」といって単体では「アン」に近い発音になります。「アン」は正確な発音の書き方ではありませんが、とりあえず便宜上「アン」と表記しておきます by葉山

*3:deuxの読みが本来「ドゥー」で、deuxの語末の子音字xはリエゾンの場合「ズ」の音になるのです by葉山