今週のお題「ホワイトデー」
○愛の部屋
愛がねごとを言っている。
愛「……ムニャムニャ……あ、あすかちゃんの……ブラジャー……お、おおきいい……うらやましい……年下なのに…
( ゚д゚)ハッ!」
跳ね起きる愛。
愛「……わ、わたしなんて夢を見てたの……? (゜o゜;)
いくらこの家のお風呂が大きいからって、あすかちゃんと一緒に入る夢観るなんて」
くせっ毛が立っている。
髪の乱れにも気づかず、目覚まし時計を取って、見る。
愛「まだこんな時間……?」
ダメだ……。
今朝はほんとうに寝坊した! と思ったのに、春休みになる前より早い時間に起きてる。
さいきんわたしは眠れていない。
卒業式があった……といっても、中等部から高等部に上がるだけ。
とにかく一足早い春休みが来た。
最初は、休みゆえ夜更かしして本を読んでいるから寝不足なだけ、と思ってた。
でも、読書灯も消して、真っ黒な天井を見て、『寝よう!』と必死に思っているのに、眠りにつけなかった。
これって、不眠症かも……?
わたしは疑いを持った。まだ明日美子さんにも話せていない……。
(こんこん、とドアをノックする音)
愛「ひゃあ!!」
明日美子さん『あいちゃ~ん♫』
愛「は、はい、おはようございます」
明日美子さん『おはよう~、ちょっと話があるんだけど♫♫』
愛(え、え、ええっ)
× × × × ×
○ダイニング
明日美子さん「愛ちゃん、コーヒーだったよね♫」
愛「は、はい(・・;)」
ーー15分後
愛「す、すみません、あまり食べるのが進んでなくて……」
明日美子さん「いいのよ、だれでもそんなときはあるものよ♫」
愛「そ、そ、そそそそそ」
明日美子さん「? (*´ω`*)」
愛「そそそそっっっっそれで、『話』ってなんでしゅか」
明日美子さん「(´∀`*)ウフフフ~」
愛「(・・;)(・・;)」
明日美子さん「今日の午後、カラオケ行こう♫」
愛「ポポポポポ( ゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)ポカーン…」
愛「は、はなしってそんなことだったんですか」
明日美子さん「ウチの息子がさー、テスト期間で半日で帰ってくるから」
愛「え」
明日美子さん「もちろん保護者同伴♥ 保・護・者・は・ア・タ・シ」
愛「わわわわたしカラオケはほとんどいったことが」
明日美子さん「(ほんの少しまじめな表情で)気分転換になるよ?」
愛「あ、あの、わたしちかごろかおいろわるかったですか?」
明日美子さん「どして」
愛「あの、さいきんわたし…不眠ぎみなんです!!(。>﹏<。;)」
明日美子さん「うん、息子が言ってた♥」
愛「え……!? (゜o゜;)」
明日美子さん「息子(=アツマ)が、
『あいつ顔色悪いよ。たぶん寝不足、というより不眠だな。ちょっとしたことで、こころとからだのバランスが崩れるだろ、あいつ。季節の変わり目だし、バイオリズム的な変化も……』
……とまぁ大体こういうことを言っていたのでした」
愛「……。
彼、そんなこと、言ってくれてたんですか……」
明日美子さん「見直した?」
愛「い、いえ、べつに息子さんをバカにしてるとかそういうことはなくて!!(汗)」
明日美子さん「あとねぇ、『アホ毛が出てる』、ってw」
愛「あ、あほ、げ!?」
明日美子さん「『髪の毛が一本天井に向ってピーンと伸びてる、いつもはそんなことはなかった』、だって」
愛「あんにゃろ💢💢」
明日美子さん「……( ^ω^)」
そして午後になって明日美子さんの息子アツマが帰ってきた。
3人は駅前のカラオケボックスで、フリータイムで歌い倒すことに。
○行き道
アツマ「あ!」
愛「どうしたのよ、藪から棒に」
アツマ「思い出した」
愛「なにを?」
アツマ「バレンタインのお返し」
愛「え………………わたしの、義理チョコに?」
アツマ「だってホワイトデーだろ」
愛「そ、それはそうだけど、さ(・・;)」
アツマ「高校の同級生と、妹(あすか)と、お前と。全部義理チョコだけど」
愛「あ、そうですか(_ _;)」
アツマ「おまえの栗色の髪をうしろから見ていたら思い出した」
愛「(# ゚Д゚)ハァ?」
明日美子さん「(遠目で)(´∀`*)ウフフノフ~」