暴風雨とオアシス

 

・台風の影響で、学校が休校になった

 

愛「洗濯物も干せないわね……わたしそろそろ髪切ろうかな? って思ってたんだけど、これじゃあお外に出るのは無理ね」

あすか「やだなあ、そもそも、わたしたちが通ってる美容院は月曜定休じゃないですかw」

愛「( ゚д゚)ハッ!」

あすか「でも、どうなんですかね、床屋さんはどこも月曜定休なイメージがあるけど、美容院もそうなんですかね」

愛「そういえば不思議ね……」

 

アツマ「週刊少年ジャンプが買いに行けないよォ・・・(;´Д`)

愛「あんたは勉強しなさい💢」

あすか「そうだよ、お兄ちゃん、あと半年もしたら高校3年生になっちゃうんだよ」

アツマ「3年生になったらどうなるんだよ💢💢」

あすか「進路を決めないといけないでしょ💢💢💢」

アツマ「おれはお前のほうが心配だよ」

あすか「高校……受験?」

アツマ「そ、そ、」

愛「大丈夫よ、わたしが手取り足取り教えてあげるから♪」

あすか「流石お姉さん!! いちばん頼りになる♥

アツマ(愛があすかの姉同然になってる……(-_-;))

 

愛はベルクソンの『時間と自由』を読み続けている

 

時間と自由 (岩波文庫)

時間と自由 (岩波文庫)

 

 

愛「(本をぱたん、と閉じて)はぁ……こうもジメジメすると、読書もはかどらないわね」

アツマ「お前でもそうなのか」

愛「みんなそうじゃないの」

アツマ「たしかに、雨がザーザー降ったりすると、テンションが低空飛行を続けるようなもんだよな」

愛「あんたにしては巧い喩えね」

アツマ「は?💢」

愛「あ~、温水プール行きた~い、でもこんな天気だからお外出られな~い」

アツマ「そういえばお前、得意なスポーツが水泳だったんだっけ……」

あすか「お兄ちゃんだってそうでしょ?」

アツマ「言ってくれるな💢」

 

アツマ「(愛に向かって)まぁ、おまえは人一倍テンションの浮き沈みが激しいみたいだから、気をつけないとな」

愛「……」

あすか「ちょっとお兄ちゃん💢 お姉さんが固まっちゃってるでしょ💢」

アツマ「うるせー、『お姉さん』じゃなくて『愛さん』と呼べ」

愛「兄弟喧嘩はそこまで! ( ー`дー´)キリッ」

 

グランドピアノに移動する愛。

 

愛「ねえ、あんた」

アツマ「おれのこと? というか、おまえさ、そろそろ、おれのことを『名前』で読んだらどうだ」

愛「うっ……(-_-;)」

あすか「ちょっと、お姉さんが困ってるでしょ💢💢」

アツマ「あすかの『お姉さん』にも問題があるんだよ!」

あすか「『お義姉さん』だったらよろしくて?」

アツマ「それはもっとやめてくれ……」

あすか「じゃあ『お姉さま』にしましょうか」

アツマ「完全に某学園都市小説の某ツインテールじゃねーか!!

 

アツマ(まぁ、あすかは某ツインテールや『お姉さま』と違って、出るところは出てるんだがな)

愛「(アツマに向かって)ちょっと!!」

アツマ「はい?」

愛「あんた、最近、オアシスの『モーニング・グローリー』、よく聴いてるわよね」

 

 

モーニング・グローリー

モーニング・グローリー

 

 

 

アツマ「ああ、おれが産まれる前(1995年)に出たアルバムだけど、母ちゃんのCD棚にあったからな」

愛「(小声で)これは次はレディオヘッドに手をだす流れね」

アツマ「レディオヘッドってなんだ?」

愛「知らなくていいからw」

 

愛「で、あんたは、『モーニング・グローリー』の中で、どの曲が一番好き?」

アツマ「うーん、難しい質問だな、二曲目かな」

愛「ちゃんと曲名で呼びなさい💢 『ロール・ウィズ・イット』ね?」

アツマ「よく覚えてるなあ」

愛「英語の宿題、1.5倍に増やしてあげようか……(#^ω^)」

アツマ「オアシスと英語に何の関係があるんだよ!!

あすか「いや、あるでしょ、そりゃ

 

愛「じゃあ、『ロール・ウィズ・イット』を弾いてあげるね?」

 

 

ロール・ウィズ・イット

ロール・ウィズ・イット

 

 

アツマ「おっ! 家族サービス」

愛「うるさいわね!! (#゚Д゚)

 

 

 

・こうして愛は『ロール・ウィズ・イット』を4回連続でアツマに弾いてあげるのだった--。