ニチアサ
おねーさん「あすかちゃん、お誕生日おめでとう!!」
わたし「ありがとうございます!!」
おねーさん「16歳か。
わたしと同い年だねw」
わたし「5ヶ月間だけですけどねw」
おねーさん「知ってる? きょうは6月9日だから、『ロックの日』なんだって」
わたし「わー、すてき!」
愚兄「ロックだけが音楽じゃないぞ。世界にはもっといろいろな音楽があるーー」
わたし「『ロックばかり聴いてる』ってバカにしてる?💢」
愚兄「(;´Д`)い、いや、そういうつもりじゃなくて……すまん、切り出し方が悪かった」
おねーさん「きっとアツマくん、大学のサークルでいろいろな音楽を聴いてるから、知識自慢したかったのよ」
愚兄「(-_-;)……」
わたし「(^_^;)……。
ま、いいよ、あやまらなくても。ロックとポップス以外の音楽知らないのは、事実だから」
お兄ちゃん「あのさ・・・」
わたし「うん」
お兄ちゃん「誕生日、おめでとう」
わたし「あ、ありがとう…」
おねーさん「なに恋人同士みたいになってんのww」
わたし「ち、ちがいますっ」
お兄ちゃん「あすか」
わたし「は、はい」
お兄ちゃん「誕生日プレゼントがある」
わたし「お兄ちゃんから?」
わたし「これ、お兄ちゃんのパソコンじゃん」
お兄ちゃん「おまえにやるよ。それが誕生日プレゼントだ」
わたし「お兄ちゃんはパソコンどうするの!?」
お兄ちゃん「まあ大学生だし、自分でなんとかする」
わたし「なんとかする、ってーー」
お兄ちゃん「(わたしの頭にそっと手を置き)このパソコン高性能だから、いまよりずっと新聞の原稿が書きやすくなると思ったんだ」
わたし「新聞って、校内スポーツ新聞のこと?」
お兄ちゃん「あたりまえだろ。
母さんおまえの記事、ほめてるだろ。
藤村に読ませたら、あいつもほめてたよ」
おねーさん「わたしもほめてるよ」
流さん「ぼくだってほめてるよ」
わたし「(*_*; 流さんまで…ホメ殺しってやつですか」
おねーさん「ホメ殺しじゃないよ。自分に自信を持って、あすかちゃん。
あすかちゃん、わたしにないもの、持ってるんだから」
わたし「持ってる、って、もしや」
おねーさん「文章の才能」
わたし「どうしてわかるの、おねーさん……」
お兄ちゃん「あ! あすか、『どうしてわかるの』って言った!! 珍しいなあ、愛の受け売りか?」
おねーさん「わたし、そんなに『どうしてわかるの』って言ってる?」
・おねーさん以外のその場にいた全員がうなずく
おねーさん「どうしてみんなうなずくの…『どうしてわかるの』が口癖だって、どうしてわかるの?」
お兄ちゃん「(爆笑して)あはははは!」
わたし「あははははっ、おもしろい、おねーさんおもしろい」
流さん「愛ちゃんwwごめんww笑っちゃってw」
お母さん「(*´-∀-)フフフッ、それでこそ愛ちゃんだな」
おねーさん「(-_-;)…なんとなく、どうしてみんなの笑うツボにはまったのか、わかる気がする」
おねーさん「(^_^ )…ま、部活頑張ってね、あすかちゃん。
(こっそり耳打ちして)とくにサッカー部の取材」
わたし「あっ……」
流さんが、ケーキバイキングの無料券をプレゼントしてくれたが、
おねーさんに「サッカー部」と言われた瞬間、
こころの動揺がはじまったわたしは、
流さんのしゃべることが、うまくあたまに入ってこなかった。