【愛の◯◯】近付きたい羽田愛さんの某贔屓球団について

 

「ダイチ〜〜」

「ん? なんだ、ソラ。そんなにニコニコニッコリして」

「告知」

「告知?」

明日と明後日、このブログの更新はお休み。取材旅行とスケジュール調整のため

「……へえ。取材旅行、か。便利な四字熟語にも思えるが」

「取材旅行は四字熟語じゃないよっ」

「四字熟語じゃないのなら何なんだ?」

「知らない、知るわけない」

「それと……スケジュール調整っていうのも、微妙だな」

「微妙かもしれないけど、ブログの管理人さんには何か考えがあるんだよ」

「ところで、ソラはいつの間に、管理人さんと距離が近くなったんだ?」

「距離?」

「更新休みの連絡を受けるってことは、距離が近いってことだろう」

「あのね」

「……うむ」

「わたしはそんなどーでもいいことよりも」

「……は?」

「わたしたち今、千葉県の某所でデートしてるんだけどさ。

 予定通りならば、神奈川県横浜市では、DeNAベイスターズの優勝パレードが行われてるんだよねえ」

「な、なぜ唐突に横浜DeNAに言及するのか。キミの贔屓球団だったのか!?」

「わたしじゃなくて、羽田愛さんの贔屓球団なんだよ。……ダイチも何度か会ってるでしょ? 羽田愛さん。あすか先輩のお兄さんの彼女さん」

「……戸部あすか先輩のお兄さんの戸部アツマさんとふたり暮らしをしてるんだっけか」

「そーだよ。彼女の苗字が、いつ『羽田』から『戸部』になるのか、楽しみだよね」

「要らんことをあんまり口走るもんでも無い。……羽田愛さん、横浜ファンだったんだな。おそらく初耳だ」

「ファンどころじゃないよ。熱烈なベイスターズ信者なんだよ。たぶん今日優勝パレード見に行ってるよ」

「熱烈なのはいいが……。なぜ唐突に羽田愛さんの名を出したのか」

「わたし、努力して、愛さんに近付きたくって。近付くのは、『見た目』とかね。ダイチも眼に焼き付いてるでしょ? 彼女の華々しくて輝かしい見た目が。わたしは彼女より美人なヒト知らないよ。どんな女優よりも綺麗だと思う」

「確かに、素晴らしい容姿のヒトではあったが」

「それでいて、愛敬とかもタップリあったりして、どんな女優よりも綺麗なだけじゃなくって、どんなアイドルよりも可愛いんだよね」

「しかし、見た目だけ近付こうとしても」

「わたしの話を最後まで聴きなさい」

「ぬ……」

「当然、見た目だけでなく『中身』だって、彼女に近付いていきたい」

「ぐ、具体的には……?」

「今日のブログ記事は短縮版だから、具体例挙げるのイヤだ」

「こ、こらっ!!! ソラ、君はだな、そういうトコロが……!」

「文句あるの」

「……」

「あ、優柔不断なのが露出しちゃってる」

「……」

「沈黙を続けないでよ。今のダイチ、だめなダイチだよ」

「……あのだな。君が、そこまで、羽田愛さんを崇拝するのなら」

「するのなら??」

「羽田愛さんが産まれた年のベイスターズの監督名を、即座に言えたりするんだよな」

「!? なにそれっ、不意打ちじゃん」

「言えるのか!? 言えないのか!?」

「どうしてそんなに迫ってくるの。おかしいよ」

「……そうかもしれん。迫り過ぎて、すまん」

「逆にこっちから訊くけど、わたしやダイチが産まれた2005年のベイスターズの監督って誰だったか、言える?」

「た……たぶん、牛島和彦監督か、あるいは、山下大輔監督」

「あいまい〜〜♫」