【愛の◯◯】ぜんぶちゃんと、のお気持ち表明

 

「アツマくん、きょうは短縮版だよ」

「あーはいはい」

「1000文字以内を目標にしましょうね」

「わかってんよ」

「きのうの記事も『やや短縮版』で、いくぶん分量が少なかったらしいんだけど……」

「へー、管理人さんも、手抜き、ご苦労さんだなあ」

こらっ

「なぜ怒る?」

「そりゃー怒るわよっ」

「…わからんなあ」

「わかりなさい。」

 

× × ×

 

「『ひとり暮らしの部屋を世界でいちばん過ごしやすくする方法』」

「ちょ、ちょっとっ。書名を声に出さないでっ」

「おまえ――、

 もう、隠す気ないんだな――こういうひとり暮らしビギナー向けの本を読んでいるのを」

「……利比古にも、バレちゃったし。」

「おれと利比古以外の戸部邸メンバーも、うすうす気づいてると思うぜ」

「覚悟してるよ……それくらい」

 

「どれどれ? ――なるへそ、オススメの加湿器なんてのまで、紹介されてんだな」

「勝手に読まないでくれるかしら」

「読む。勝手だけど、読む」

「これだから、アツマくんは…!」

「おれもさ」

「…?」

「知っておきたいんだ、ひとり暮らしって、どんなふうなのかなって」

「……どうして?」

「んー」

「こ、答えて」

「せっかく、おまえに、じぶんひとりで生きるちからを身につけたい! っていう強い気持ちがあるんだからさ。

 それならば……応援してやりたいと思って。

 だから、おれも、ひとり暮らしの知識を、あたまに入れておきたいんだよ」

 

「アツマくん……。」

 

「余計なお世話だろうか?」

 

「……ううん。ぜんぜんそんなことないよ」

 

「――よっしゃ」

 

× × ×

 

「でも、ほかの邸(いえ)のメンバーには、いつ伝えるんだ? いずれ、正式発表せんといかんだろ」

「もうすぐ」

「もうすぐ、じゃ、なんにもわからん」

「……厳しいんだから。」

「だってそーだろ。早め早めに行動しなきゃいかんだろ。部屋探しのこともあるし、それ以外にも、いろいろと――」

 

「――心配しないで。アツマくん」

 

「お?」

 

「ぜんぶハッキリさせるから。

 明日美子さんにも、あすかちゃんにも、利比古にも、流さんにも。

 …ぜんぶちゃんとするから

 

「……そっか。」

 

「わたしのお気持ち…伝わったかな?」

 

「……伝わってるよ。」

 

「それはよかったわ♫」

 

「……。『ぜんぶちゃんとするから』、か」

 

「某アニメの第10話の受け売りなんだけどね」

 

「アニメ??」

 

「うん、某アニメ♫」