8月7日 アツマくんといっしょにいた

中学に入るとき、ホックを留めるタイプのブラジャーをはじめてつけた。

おかあさんといっしょに、おかあさんにつけ方を教わりながら、悪戦苦闘して。

 

反抗期だったのかな? 途中で「ひとりでできるもん!」って、おかあさんを部屋から追い出しちゃって。

でも、 けっきょく、できなくて、おかあさんに助けを呼んで、手伝ってもらって……ようやく自分でできるようになって。

鏡を見たら、「これがわたしなんだ」って思って。

 

「最初はひとりではできないこと」が、女の子のほうが多くて。

強がってるって見られたくなくて、強がるしかないのが、悔しくて。

わたし、悔しいのが、いちばんイヤ。

 

そんな負けず嫌いのわたしのことを、わかってくれる男の子が、アツマくんで、でも、時々は寄り添いたくて、いつから、いつから……!

 

◯戸部邸

突如帰ってきたアツマと愛がソファーに並んで座っている。

 

アツマ「……(・.・;)」

愛「……(//////)」←なんだか恥ずかしい

 

 

 

愛「流さんに、彼女さんがいるって、わかったとき」

アツマ(その話かよ……)

愛「泣いちゃったよね、アツマくんの前で。

 (笑いながら)ボロボロに泣いた。」

 

愛「あのね、アツマくんは、わたしのヒーローなんだ、たぶん」

アツマ「(・_・;)」

愛「10回に1回だけ大活躍するヒーロー」

アツマ「ズコー!!

 

アツマ「おまえなあ、その言い方はどうなんだよぉ」

愛「感謝してるのっ!」

 

愛「ねえ、一日だけ、家にいて。

 一日だけのわがまま。

 明日からまた夏期講習に行って」

アツマ「(できるだけ柔らかい言葉遣いで)さみしいんじゃないのか?

愛「大丈夫。

(元気に笑って)わたし、そんなに弱くない

 

 

8月7日。

 

アツマくんに昼ごはんを作って。

 

アツマくんも料理をちょっと手伝って。

 

アツマくんと一緒に勉強して。

 

あすかちゃんの部屋で彼女の勉強もみてあげて。

 

アツマくんがリクエストした曲を弾いて。

 

途中から弾きながら歌っちゃったりして。

 

弾くのと歌うのとで疲れて、ソファで寝てしまって。

 

目覚めたら、こんどはアツマくんのほうが横になって爆睡していて。

 

たぶん、受験のプレッシャーで、いろいろ気が張っていたのね。

 

 

 

わたしは、水族館で買ったイルカのぬいぐるみを持ってきて、枕代わりに、爆睡しているアツマくんの頭の下に入れてあげた。

 

 

 

部屋から下りてきたあすか「お兄ちゃん、だらしないなあ」

愛「よく頑張ってるのよ。」

あすか「それはそうと」

愛(トクン

あすか「(満面の笑みで)進展はありましたかw」

愛(トクントクントクントクントクン

 

愛「な、なかったわよ、そんなの! (;´д)プイッ」

 

 

あすか「……(・∀・)」

(ま、いっか。

 まだ8月が始まったところだし。

 

 時間の問題だと思うけどな、

 お姉さんのほうがーー)

 

8月7日 さいきん愛の様子がおかしい

アツマ「なぁ、あすか」

あすか「なに? お兄ちゃん」

アツマ「昨日の夜、愛が……」

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

 

「勉強頑張ってるのはいいけど…

もう少し長く、家にいてもいいじゃない」

 

アツマ「こう言ってきたんだ。

 で、『夏期講習があるから仕方ないじゃないか』って言ったら……」

あすか「言ったら……?」

アツマ「すっげえ、俺を、その……(頭をポリポリかきながら)いとおしそうな眼で見てくるんだ。

 まるで、家を出ていくおれを引き留めるような感じで……」

 

あすか「(・∀・)!!」

アツマ「なんだそのひらめいたような顔は」

あすか「(・∀・)ニヤニヤ」

アツマ「気色悪いな……」

 

◯ダイニング

 

アツマ「おーーっす、愛」

アカちゃん「おはようございます、アツマさん」

アツマ「アカ子さん(デレデレ)

 

愛がうつむいている。

なぜか、アツマがいつも座る席から、かなり距離を置いている。

 

アツマ(いったいどうしたっていうんだ……)

 

朝食が終わる

明日美子さん「ふああああ~(´ぅω・`) ネムイ」

流さん「さてと池袋の書店にでも本を見に行くかな」

あすか「アカ子さん、庭の花に水をやりに行きません?」

アカちゃん「あら素敵」

 

アツマと愛のふたり以外、その場からいなくなる……。

 

 

 

 

 

アツマ「あのな、おれだって危機感があるんだってこと、わかってほしい。だから夏期講習だけでなく、居残り勉強だってやってる。出遅れてるっていう自覚があるから。

 だから、昼間この家にはいられない」

 

愛「うん…そうだよね、そうだよね」

 

アツマ「おまえ、なんでおれが家をあけてるのがイヤなんだ? おまえの学校の友だちだって、よくここに来てるじゃんか」

愛「わからない

アツマ「わからない?」

愛「わからない……わからない……わからないわからないわからない

アツマ「お、おちついてくれ」

愛「わからないよ!! 国語のテストの100倍難しい!! わからない!!

 

アツマ「……( ゚д゚)」

 

愛「(弱々しい声で)ねぇ……きょう、アツマくんを待っててもいい?

アツマ「待つって、家で、か?」

愛「(弱々しい声で)予備校の近くで

アツマ「予備校の近くって……電車で行くのかよ」

愛「(弱々しい声で)アカちゃんと一緒に行く

アツマ「(苛立たしげに)アカ子さんまで巻き添えにする気か!? おまえ、夏期講習が何時間あるのか知らないのか?」

愛「アカちゃんとは途中で分かれる

アツマ「じゃあ夏期講習が終わるまでどーやって待ってんだ」

愛「どっかのカフェで本読んでる

アツマ「ぐっ……」

 

愛はクッションを抱えて、ふさぎ込んでいるが……、

 

愛「こんなのワガママだよね

アツマ「ワガママじゃないと思うが、おまえ、いったいぜんたい、どーしちまったんだ」

愛「時計!

アツマ「び、びっくりした、突然大声出しやがって」

愛「やっぱいいよ、わたしはここにいる。はやくしないと予備校に遅刻しちゃうよ、時計をみて」

アツマ「(時計を見上げ)たしかに……」

 

 

都心へ向かう電車

愛は笑っておれを見送った。

 

でも、ぜんぜん元気のない笑い方だった。

 

愛が来たのは2年前だけど、毎日顔を合わせていたら、元気のないことぐらい、わかってしまう。

 

ちくしょう、どうすれば……

 

 

◯ふたたび戸部邸

 

アカ子はけっきょくひとりで帰った。

明日美子さんは寝てしまった。

あすかは部屋で勉強している(忘れてはいけない、彼女も受験生だ)。

 

愛は居間でひとり、ソファーにちょこんと座っていた。

 

愛(あんなこと、アツマくんに言わないほうが良かったな、動揺させちゃって……。

 自分の弱さを、アツマくんに見せすぎてるんだ、わたし。

 前はアツマくんに強がってたのに。

 自分に甘えちゃダメ、自分に甘えちゃ。

 わたしは強いヒロインにならなきゃ。

 小説の主人公のお相手役じゃだめ。

 しっかりしないと。

 なんでも自分で解決しなきゃ。)

 

愛はテーブルの上にある文庫本を手に取る。

 

愛(そりゃ、これまで、「ひとりじゃできなかったこと」も何度かあったけど。

 もう子供じゃないんだし。

 なんか、今朝のわたしの態度、アツマくんに依存しすぎてるのが見え見え。

 バカだな、わたし。)

 

愛(--でも。

 夏休みとはいえ、平日の朝から、こうやって大きなリビングにひとりで居ると、なんだか変な感じだ。

 なにか、空虚なものが、胸にたまってる感じーー。)

 

愛は文庫本をめくり始めるが、数ページ読んだだけで閉じてしまう。

 

愛(あれ……? この小説、前は大好きだったのに)

 

愛(おかしいな、飽きちゃったんだろうか)

 

 

『ガチャッ!』

『バーン!!』

 

 

愛「え……(;・∀・)」

 

玄関のドアが開く音だよね、いまの。

まさか……ドロボウ? そんなばかな……。

 

『ドドドドドド』

 

愛!!

 

愛「(今までになく驚いた顔であ、アツマくん!?

 

愛「ちょっと、どうしたのよ、夏期講習は!?」

アツマ「お前の様子がおかしかったから」

愛「わたしのワガママのせい!? それで戻ってきちゃったの!? わたしが変なお願いしたせいで」

アツマ「うっせえ!!!!!! お前は悪くねえ!!!!!! 誰も悪くねえ!!!!!

 悪いとしたら、おれがお前の感情を理解するのができなかったことだ!!!!!

 

愛「感情って、理解って、当然でしょ? 他人のこころがわからないのは」

アツマ「愛、お前、さみしかったんだな? おれがいなくて

愛「どうしてわかるの……

アツマ「わかんねえ

 

 

8月6日 アカちゃんとスイカを食べた

8月6日(月)

台風が近づく

 

午前

勉強、勉強、勉強、読書、読書

 

そんなことをひたすらやっていて、疲れて、ひとりぼっちでソファに倒れ込んでいたら、予定どおりアカちゃんがやって来た。

 

切って冷蔵庫に入れて置いたスイカを、ふたりで食べた。

元気が出た。

 

アカちゃん「青島さんがいなくて残念ね」

愛「さやかはお兄さんと予定があるんだって」

アカちゃん「……青島さんのことは呼び捨てにするのね……(   ^ω^)

愛「あ、アカちゃんも呼び捨てにしてほしい!?(;^ω^)」

 

愛「あのね、わたしとしては、呼び捨てよりも、『アカちゃん』って呼ぶほうが、親しみがこもってる気がするの。

 

試しに、呼び捨てにしてみるね」

アカちゃん「どうぞ。」

愛「アカ子、わたしが切ったスイカ、美味しい?

 

アカちゃん「……(赤面)」

愛「……(//〇__〇//)」

 

愛「や、やっぱり、これからも『アカちゃん』って呼ばせてほしいかな? (//////)」

アカちゃん「(///﹏///)」

 

アカちゃん「す、スイカ、はやく食べちゃいましょう??」

愛「そ…そうね」

 

それから私たちはグランドピアノで交代に好きに曲を弾いていた。

 

わたしがビーチ・ボーイズの曲を弾いていたら、お外の雲行きが怪しくなってきた。ビーチ・ボーイズには似合わない天気だ。

 

愛「(手を止めて)一難去ってまた一難、か」

アカちゃん「台風!?」

愛「あら、ニュースで散々言ってたじゃないの」

アカちゃん「わたし、きょうはまだテレビいちどもみてないの(; ゚゚)」

愛「……大丈夫? 怖いの?(;´・ω・)」

 

(雷鳴)ピシャーン!!

 

アカちゃん「(愛に抱きついて)きゃあああ!!

愛「大丈夫、大丈夫、遠いから(;^ω^)」

 

(もう1発雷鳴)ピシャーン!!

ゴロゴロゴロゴロ

 

愛に抱きつき続けるアカちゃん

 

ふたり「…………………」

 

 

 

愛「えーと、アカちゃん(/////)」

アカちゃん「(小刻みに震える)」

愛「きょう、とまっていってもいいよ(/////)」

アカちゃん「! (≧▽≦)

 

 

 

 

 

 

あすかちゃんから二時間遅れでアツマくんは帰ってきた。

 

愛「もう!」

アツマ「なに怒ってんの?」

愛「遅いぞ!!

アツマ「……悪かったよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……」

階段を上がろうとするアツマ「なんだよ。

まだなにかあるのかよ」

愛「勉強頑張ってるのはいいけど…

 もう少し長く、家にいてもいいじゃない

アツマ「あのなあ、夏期講習だぞ夏期講習。

お前も『時間割』っつうもんがあるのは知ってるだろ……!?

 

これまでになく、つぶらな瞳で、愛がアツマを見ている!!

 

アツマ「………………どうした?(゜д゜)」

激安アイスコーヒーと鑑定団とビートルズ

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

 

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 バンドを作りたくて、同学年のギターが上手いことで有名な的場マキさんを誘ったら、「ビートルズ』が人の名前だなんて、とんでもない!!」って、怒られた。

 

 ショックだった。

 あたしの無知が。

 『ビートルズ』が人の名前だって、勘違いしていた。

 ビートルズのメンバーすら知らなかった。

 

 ぜんぶ、あたしの空回りだったんだろうか……?

 

 うだるような暑さの放課後、フラフラと歩いていたあたしは、某アーケード街に迷い込んでいた。 

 

 ストレイテナーと出会ったライブハウスの横を通り過ぎる。

 あのライブで味わった衝撃と感動が--気力が萎えているせいで、戻ってこない。

 

「はぁ……」

 

 思わずため息をついてしまった。

 学校に引き返して、タイジュくんに連絡して、一緒にお茶でも飲みに行こうか。 

 

「あれ……?」

 

 いまは使われていなかったはずの、 古めかしい西洋建築の建物に、電気が灯っている。

 

 あたしが物心ついてから、そこは、廃屋(はいおく)……、っていうんだろうか、ずっと使われていなくて、建物だけが遺っていた。

 

コーヒー・紅茶 200円

 

 や……安っ!!

 何ここ、喫茶店!?

「OPEN」の札がおりているってことは、営業中……! 

 

♪カランカラン♪

 

 正直「怪しい」と思いもしたが、あまりにも暑く、喉が乾いていたので、古めかしい扉をあけて、なかに入ってしまった。 

 

「いらっしゃい」

 

 中年男性。

 悪い人じゃなさそう。

 カウンターと、少数のテーブル席。

 空調は問題なし。

 ところ狭しと、レコードのジャケットが飾られている。

 ジャズ喫茶(←行ったことないけど)みたいだ。

 

「お好きなところに」

 

 お客さんは誰もいなかった。

 カウンターの椅子に座った。

 

 洋楽が流れていた。

 ひたすら「チケット・トゥー・ライド」 というフレーズが繰り返されているような、そんな曲。

 

「申し訳ないね、メニューはまだ、コーヒーと紅茶しかないんだ、立ち上げたばっかりだから」

「じゃあアイスコーヒーください……」

「はーい(ヽ´ω`)」

 

 あたしと店主のオジサンしかいないので、間がもたない。

 次に流れてきた曲に言及してみる。 

 

「な、なんだか物悲しい曲ですね(^_^;) クラシック音楽みたい」

「そうだね、『エスタデイ』っていう曲名だから、センチメンタルな気分になってしまうこともある……この歳になると、ねw」

「は、はぁ……(^_^;)」

 

「こ、ここは、最近オープンしたんですか?」

「もともと地下にスタジオがあったんだ」

「そうだったんですか!? てっきり廃墟みたいになっているとーー、

あ、すすすみません(^_^;)」

「いやいや。

 近年、商店街の『さびれ』が進んでいるだろう? 若い人を呼び込みたくてね。 

 まぁ、商工会の要請でもあるんだけど……。

 君みたいな若い子に来てほしかったんだ。

 それで、『Ticket to Ride』や『Yesterday』みたいな曲を覚えて帰ってくれたら、僕としては最高だねw

 そして『Ticket to Ride』や『Yesterday』がどのミュージシャンの曲か、も知ってくれて、そこから音楽の世界に入り込んでくれるのなら……。

 おっと、お待たせ、出血大サービスの200円アイスコーヒーだ」

 

 グラスに入ったアイスコーヒーが出てきた。

 案外ちゃんとしたアイスコーヒーだ。

 ミルクを入れ、シロップを入れ、かき混ぜる。

 

 オジサンはレコードを入れ替えている。

 あたし、レコードプレーヤーの現物を見たの、たぶん初めて。

 あれがレコードプレーヤーなんだ……!

 

 新しいレコードの演奏が始まる……

 

あ!

「えっ(;´∀`)」

鑑定団!! 鑑定団!!

 土曜のお昼の!!!!!!」

 

「ああ、なるほど~。やっぱり君らみたいな世代だと、そんな認識になっちゃうのは仕方ないか~w」

「この曲、なんて曲ですか?」

『HELP!』

「歌ってるのは?」

「そりゃもう当然、ザ・ビートルズさ」

(゚д゚;)!?

 

 

 

The Beatles 1962-1966

The Beatles 1962-1966

 

 

ザ・ビートルズ 1962年-1966年 [Analog]

ザ・ビートルズ 1962年-1966年 [Analog]

 

 

 

7月26日 さやかといっしょにボブ・ディランを演奏した

愛の日記帳より

7月26日(木)

 

少しだけ涼しい

 

 アツマくんは今日も図書館に勉強に出掛けていた。

 

さみしかった 

 

 あすかちゃんも参考書を買いに街まで出掛けていた。

 さみしかった。

 

 わたしは青島さやかの携帯電話に電話をかけた。

 そしたら戸部邸に来てくれることになった。

 

 友だちとの距離感は、むずかしい問題だと思う。

 まだ、さやかと出会って1ヶ月ぐらい。

 最初は喧嘩していた。

 でも、さやかがこころのなかに闇を抱えていることがわかって、さやかに優しい気持ちで接することができるようになった。

 それから、何回かさやかをここに呼んだ。

 さやかはこの家に来ることを快く承諾してくれた。

 文学の話や、音楽の話をした。

 いまでは、わたしは『さやか』と呼び、さやかはわたしを『愛』と呼んでいる。

 こころなしか、さやかの表情も柔らかくなったと思う。

 

 さやかは、バイオリンがまだ弾けない。

 学校のガーデンで弦を切ってしまったことが、トラウマになっているんだと、わたしは考えている。

 

 きょう。

 さやかは昼下がりにやってきた。

 わたしはこう言った。

 

ピアノ……弾いても、いい?

 

 それまで、さやかの前でピアノを弾いたことはなかった。

 

なんでそんな遠慮気味なの?

 

 さやかは、疑わしそうな表情と口調で答えた。

 

 そういえば、さやかの前でピアノを弾かない理由は、なかった。

 

わたしがあのグランドピアノで曲を弾いても、耳障りじゃない?

 

 できるだけ優しく、距離を詰めるように、さやかをいたわるように、わたしは言った。

 

聴いてみたい。

 聴いてみたいな、愛の弾くピアノ

 

 さやかの顔に笑いがあふれてきた。

 

ねえ、わたし、ハーモニカ、いつもカバンに入れてるの

へーっ

お兄さんのお下がり

照れなくてもいいじゃん

は、はずかしくなんかない

 

お兄さんがむかし好きでよく観てたアニメの登場人物が、ハーモニカを持っていたんだって」と、さやかはしどろもどろに説明したが、わたしにはまったく見当もつかなかった。

 

 

じゃあ、さやかはハーモニカを吹いて

ボブ・ディラン

そ、そ

ライク・ア・ローリング・ストーン

そうよ

 

追憶のハイウェイ61』。

 わたしは、このアルバムを、持っている。

 

追憶のハイウェイ61

追憶のハイウェイ61

 

 

浜田省吾がね

浜田省吾

うん、『ラストショー』って曲で、この曲の名前を出しているんだけど、なんで『ライク・ア・ローリング・ストーン』を出したのか、彼の意図が理解出来ない

ずいぶん辛辣ね

曲が悪いわけじゃないわ、歌詞で違和感があるところがあっただけ

日本で、『ブルース・スプリングスティーンに影響を受けました系』のミュージシャンっているでしょ

 「うん、具体名はわたしも挙げないけど、居るわよね(笑)

 

 わたしは吹き出してしまった。

 つられてさやかも笑いだしてしまった。

 

浜田省吾は自分の名前で損をしている

佐野元春は何度か弾いた

 

 

 ーー気を取り直して、わたしがピアノを弾き、さやかがハーモニカを吹いて、『ライク・ア・ローリング・ストーン』を演奏した。

 

 

 

ノーベル賞万歳。

 

弾きながら、サビの有名なフレーズを歌うと、気持ちよかった。

 

 

……そうそう。

さやかが着て来た服。

スカートが可愛かった。

買いたいかも。

エストもたぶんあんまり違わないだろうし

 

7月21日 アツマくんと水族館に行った

 

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↑(前回)のつづき、

 図書館に行ったアツマだったが……。

 

藤村「ヤッホー」

アツマ「(゚o゚;)ゲッ!! お前も来てたのかよ」

藤村「マンガでも読みにきたの」

アツマ「(`ヘ´) チガウ!!! 勉強に決まってるだろ」

藤村「行動が遅いねえ~w

アツマ「(`Д´) ダマレ!」

 

  • 自習用の部屋

アツマ「・・・・・・φ(..)カリカリ」

 

黙々と集中するアツマ。

 

藤村「(⌒-⌒)」

 

藤村「(こっそりと)ね、ね、戸部」

アツマ「なんだよ、私語禁止だぞ

藤村「これ💛」

アツマ「は!?

 

・藤村が差し出した手には、何やらチケットが2枚あった

 

アツマ「ぐはぁ!!

 

(一斉に振り向く勉強中の人たち)

 

藤村「ちょっと!! 変な大声出さないでよ」

アツマ「どういうつもりだ藤村?

 

○近所のファーストフード

アツマ「水族館のチケット」

藤村「そうだよ」

アツマ「見せびらかしてどうすんだよ」

藤村「鈍いなあ」

アツマ「まさか……」

藤村「(ニヤリ)」

アツマ「藤村、お、おまえ(;´Д`)」

藤村「(ノ∇≦*) キャハハッッッッ

アツマ「えっ」

藤村「も~~~~www あんたとなんか行くわけないじゃんwwwwww

アツマ「あ……(;・∀・)」

 

アツマ「えっ、くれるの!? そのチケット

藤村「親戚からもらったんだけどね、一緒に行く相手もいないし、予定詰まってるし」

アツマ「夏期講習とかか」

藤村「ま、そんなところ。あんたは申し込んでないの?」

アツマ「えっはやくね」

藤村「あんたが遅すぎるのよ!! バカじゃないの?

アツマ「うっ……(´Д`;)」

 

 

○帰宅したアツマ

○自分の部屋

アツマ「(水族館のチケット2枚とにらめっこして)う~む、どうすべきか……」

 

 

愛の日記帳

7月21日(土)

 

猛暑

 

 夏休み初日だけど、早起き。

 アツマくんと、朝から水族館に行く。

 

 どうしてこんなことに……。

 きのうの晩、わたしの部屋のドアに、水族館のチケットが差し込まれていたときは、何事かと思った。

 チケットを差し込んだ犯人がアツマくんだとわかったとき、笑いがこみあげてきた。

 感情表現がどんだけ下手なのよ! って。

 

 でも、よく考えたら、わたしはわたしで感情表現が下手だった。

 流さんに「素直じゃないね」って言われたのは、図星だ。

 じゃあどうして、わたしはアツマくんに素直じゃないのか。

 アツマくんにどういう感情を向けられないのか。

 

 それは、

 

 それは

 それはつまり

 それはどういうことかというと

 具体的には

 

 あー、もう!

 とにかく、アツマくんとふたりで、すす族館に行ってきた!!

 

 水族館は楽しかった。

 大きな水槽に、お魚だけじゃなくて、いろんな生き物がいて、眺めてるだけで1時間ぐらいあっという間に過ぎて行って、アツマくんに呆れられて……迷めいわくをかけて、それでもこころの中の熱中症は収まっていった気がする。

 ありがとう。

 

 アシカショーも観た。

 面白すぎて涙が出そうだった。

 すさまじく笑ったので、アツマくんの顔が感感惑 とまどっているように見えたかもしれない。

 

 イルカアシカショーのあとで、「青島さやかのことでなんか抱えてるのか」みたいなことをアツマくんにそれとなく訊かれたのは、よく考えたら……よく考えなくても、わたしが笑いすぎたからかもしれない。

 わたしって、かなりバカ。

 

                 「大丈夫だよ」って言っておいた

 

 ペンギンさんも観れたられた。

 ふだん伊吹先生に激しくスキンシップで迫られているけど、きょうは

                     ↑ハグされたりとか!

 わたしがペンギンさんを抱きしめたくって、しかたなかった。

 

 帰りにグッズショップで、小さめのシャチイルカのぬいぐるみを買った。

 ペンギンさんと悩んだんだけど……。

 今度は、こっちからイルカのぬいぐるみを持って、あすかちゃんの部屋に押しかけてやろうか、なんて思う。(夜這いじゃないけど)

 

 

最大級の胸騒ぎ

終業式ーー

アツマ「やったああああぁ!!! 夏休みだ夏休みだ夏休み」

愛「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン

アツマ「うわっ出た!!」

愛「夏休みなんてないでしょ!?

アツマ「へっどういうこと」

愛「受験勉強💢」

アツマ「あっ( ゚д゚)」

愛「なに平和ボケしてんの? あと半年したらセンター試験が始まっちゃうのよ」

アツマ「」

愛「固まらないでよ」

アツマ「」

 

 

さすがに危機感を持ったのか、アツマがなにやらパンフレットをまさぐり始める

 

アツマ「(予備校のパンフレットを眺め)じーーーーーーっ」

愛(夏期講習か・・・)

 

 

夏期講習・・・・・・

行くのかな、アツマくん、夏期講習。

どこの予備校に?

校舎はやっぱり都心になるのかな。

そしたら、昼間はこの邸(いえ)には居ないのよね。

さみしい・・・・・・

 

 

 

 

 

あ、あれ!?

 

なんでわたし、

なんで、

アツマくんが夏期講習に行くと、さみしいの・・・・・・!?

 

アツマ「おーい」

愛「(・_・;)」

アツマ「おーーい」

愛「」

 

アツマ「夏風邪か?

 

愛「はい!? (;´Д`)」

アツマ「あたまが沸騰しそうじゃないか」

愛「だれの」

アツマ「おまえに決まってるだろ

 

えっ・・・・・・。

 

「さみしい」という感情で、なんで顔が火照るの、わたし・・・・・・。

 

たぶん、たぶん、外が暑すぎるからよ!

 

アツマ「図書館行く」

愛「どうぞ・・・・・・」

 

 

 

流さん「アツマが自分から図書館行くなんて珍しい」

愛「読みたい本でもできたんでしょうか。今夜はお祝いしないと(・_・;)」

流さん「いや、たぶん受験勉強でしょ」

愛「あ(;´Д`)」

 

愛「わ、わ、わたし」

流さん「?」

愛「プールにでも行ってきましょうか。こんな暑さだし、とろけそうになっちゃうから」

流さん「( ̄ー ̄)ニヤリ……」

愛「・・・・・・・・・・・・流さん?」

 

流さん「素直じゃないなあ

 

愛「!!!!!!!!!

 

 

あわてて階段を駆け上がり自分の部屋に飛び込む愛

 

呼吸が……

息苦しい……?

 

ちがう、

焦って?

でも、焦りとはちょっと違う気持ち、

ドキドキしそうな気持ち、

だから脈拍が速くなって、

でも、わたし、なんでドキドキしてるの?

 

アツマくんがいないとさみしいから!?

流さんに、素直じゃないって言われたから!?

 

そもそも、なんで流さん、わたしが素直じゃないなんて、

 

!!!!!

 

もしかして、わたしのアツマくんへの感情が、素直じゃないってこと!?

 

もしかしなくても。

 

でも、どうして!?

 

そんなにわたし、

アツマくんを……

もとめてるの!?

戸部邸はきょうも平常営業です!

 

悪霊 (上巻) (新潮文庫)

悪霊 (上巻) (新潮文庫)

 

 

羽田愛「……でね、このニコライ・スタヴローギンってヤツが、とんでもないヤツなの。もちろん悪い意味で。知ってるでしょ、スタヴローギン? 有名な小説の登場人物だし」

青島さやか「うん、知ってる」

愛「スタヴローギン、単に主語が下の名前で『ニコライ』とだけ書かれることも多いから、気をつけてね」

さやか「翻訳のロシア文学っぽいね、それ」

 

さやか帰宅

戸部アツマ「いい子じゃないか」

愛「一度いっしょに演奏してみたいわ。こっちはピアノ、あっちはバイオリンで」

アツマ「でも、青島さやかさんだっけ、彼女もワケありというか……問題を抱えてるみたいだなあ」

愛「あなたも支えになってあげて、アツマくん」

アツマ「おれになにができる?」

愛「できるじゃん。いろいろ」

アツマ「たとえば?」

 

愛「……あのね、最近思うの」

アツマ「どんなことを」

愛「アツマくんは、『いてくれるだけ』で、わたしたちのためになってくれるって」

アツマ「へえ……そりゃどうも(^_^;)」

愛「いてくれるだけで、わたしたちを幸せにしてくれるって、すごいことよ」

アツマ「そこまで言うかいな(^_^;)」

 

愛「ねえ、前にわたしを立ち直らせてくれたように、わたしとアツマくんで、さやかさんの支えになってあげようよ

アツマ「……そうだな」

 

 

浴場の付近で、愛の悲鳴がーー?!

 

愛「(脱衣所にあったあらゆるものをアツマに投げつけて)バカバカバカバカバカバカ!! カバ!!!!!

 

逃げ惑うアツマ「うわあああああああああああ! ゆるせええええええええええええええええええええええ

 

戸部あすか「お兄ちゃん」

アツマ「あっ」

あすか「だいたい見当つくけど、うっかりお姉さん(=愛)が服を脱ごうとしているところに入ってしまったと💢💢」

アツマ「名探偵アスカだ」

あすか「まったく性懲りもなく💢💢」

 

 

アツマと愛は携帯電話の通話を通して和解することに

 

『あのな!! あんまり見てないから』

『わたしのブラジャーのカップは、水色でなんの模様もついてなかった。◯か×か?』

『◯』

 

ドカドカドカドカドカ

 

あすかの声『気持ちはわかります!! 気持ちはわかりますから』

 

アツマ「((((;゚Д゚))))ヒェー 愛にとうとう殺されるのかおれ」

 

ドアをテニスラケットの柄のようなもので小突く音

ごんごんごんごんごん

 

アツマ「えーっと、パンツは見てないから(;´Д`)」

はぁ!?

アツマ「下は制服のスカートだったはず」

ゴンゴンゴンゴンゴンゴン

アツマ「その、上の……ブラジャーが見えたのは、ほんの一瞬であって」

ゴンゴンゴンゴンゴンゴン

アツマ「というか、自分で自分のブラジャーの柄を晒すとか、読者サービス良すぎて違和感あるな!?」

ゴンゴンゴンゴンゴン ミシッ

アツマ「ぎゃああああああああああ」

 

 

追記

流さん「えーっと、ぼくの先輩が、愛ちゃんとあすかちゃんの似顔絵を書く、という話があったと思うんですが、」

 

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 

流さん「似顔絵を書く先輩が、腰を痛めてしまったので、無期限延期になりました……申し訳ありません(*_*;」

孤絶の文学少女(後編)

保健室

わたしは、青島さやかを、保健室まで連れていき、ベッドに寝かせた。

 

いまは、彼女が寝ているのを見守っている。

 

熱があったみたいだ。

 

彼女の寝息は、しだいに穏やかになってきていた。

 

夕方の六時が過ぎたときだった。

 

青島さやかが、眼を覚ました。

 

彼女はガバァっとからだを起こした……

 

「頭が痛いの?」

「……変な夢見た」

「頭、押さえてるじゃない。片頭痛なんじゃ……先生に薬もらってきたほうが」

変な夢見たから!!

「ドキッ」

みんながわたしの敵になる夢!!

「青島さん……」

 

あまりにも絶叫がヒステリックだったので、保健室で大きな声出しちゃダメだよーと、保健の先生に叱られた。

 

なんかわたしがとばっちり受けたみたいじゃない、青島さん。

 

「そうよね、嫌な夢見たあとって、決まって頭がガンガン痛むものよね」

「知ったふうな口きかないで」

「わたしもね、みんながわたしの敵になる夢、ときどき見るの」

「どうして」

「わからない……わたし、優しいひとに囲まれて、あの邸(いえ)で生きてる。それでも、定期的にこころが落ち込むんだな、これが」

「あなた、それ、カウンセリングとか受けたほうがいいんじゃないの」

「大丈夫よ、最高のカウンセラーが周りにたくさんいるから……あ」

 

言ってはいけないことを言ってしまった。

 

おそらく、青島さんには、じぶんのお兄さん以外、最高のカウンセラーは……!

 

「………………………グスン」

「青島さん」

「………………………グスグスン」

 

「………………………グスグスグスングッスン」

 

「………………………グスグスングッスングッスングッスングスンスン」

 

気がつくと、青島さんは声を出して泣きはらしていた。

 

 

 

 

 

 

戸部邸

 

青島さんは到底ひとりで帰宅できるようなコンディションではないと判断したので、タクシーを呼んで戸部邸に連れて行った。

 

わたしのベッドに青島さんを寝かせて、見守り続けた。

 

 

青島さんは、本の文章を、逐一脳内で音声化して読んでいるらしい。

 

そうだ!

読み聞かせをしよう。

宮沢賢治の詩はどうだろう。

 

賢治の童話でもいい。

 

銀河鉄道の夜」はやめておこう。

悲しすぎて、青島さんが、ますますさみしくなってしまう。

 

 

新編宮沢賢治詩集 (新潮文庫)

新編宮沢賢治詩集 (新潮文庫)

 

 

 

新編 風の又三郎 (新潮文庫)

新編 風の又三郎 (新潮文庫)

 

 

「青島さん。

 わたしが、青島さんの、最高のカウンセラーになってあげるよ。

孤絶の文学少女(前編)

某日放課後

 

「ふー終わった終わった」

 

あれ……?

 

どこからか、バイオリンの音が聞こえてくる。

 

弦楽部の練習場所とは反対側のーー。

 

わたしは、思わず、そのバイオリンの音に引き寄せられるように、音がする方向に歩いていった。

 

すると、見覚えのある誰かが、ひとりきりで、バイオリンを弾いていてーー

 

あ、青島さん!?

 

間違いない! この前ガーデンで言い合いになってしまった、同学年の青島さやかさんだ。

 

青島さんの弾き方は、とても情熱的だった。

 

でも、あまりにも動きが激しすぎて、弦を傷めつけているふうにも映った。

 

「……羽田愛。」

 

呼び捨てですか。

 

「ごめんなさい? 来ちゃって、見ちゃった」

「別に見られたっていいわ」

「上手いじゃない」

「バイオリンできるの」

「いいえ。でも、一緒に演奏したことがあるから」

「でも、弾けないんだ」

「あなた、ピアノは? (  ^_^)」

「(不服そうに)5歳でやめたっ!」

 

「なんで弦楽部入らないの」

いじめられたから

「お、思い込みでしょ?」

「あんたが居ると弦楽部の和が乱れるって直接言われた」

「誰に」

「複数の人間に」

 

そう言った途端、青島さやかは、再びバイオリンを情熱的に弾き始めた。

 

荒々しい。でも、つい見とれてしまう。

 

「ねえ、青島さん」

「なに」

「これからどうするの」

「どうするって」

「文学も音楽もひとりきりで三年間?」

「……」

「三年間って、長いと思うんだ」

「くっ……」

「続かないよ、ひとりきりじゃ、というか、もたない。

(優しく)こころが折れちゃうよ」

 

「あんたはいいよね、羽田さん。公私ともに充実していて(声が震え始める)」

「青島さん。わたしね、昔はーー」

「(口調が激烈になり)昔話は必要ない!!

「そ、そんなに激しく弾いたら、バイオリンが……!」

 

弦が切れた。

 

青島さやかはその場に崩れ落ちるようにうずくまった。

両膝を地面につけ、両手で地面を押さえ、うつむきながら、懸命にじぶんの身体を支えようとしていた。

 

彼女は、ワナワナと震えていた。

 

バイオリンが、その場に転がっているみたいに落ちていた。

孤独の文学少女(後編)

は、ハイデガーの、存在と時間!?

 

つい、声に出して、言ってしまったわたし。

 

その、ちくま学芸文庫版『ハイデッガー 存在と時間 上巻』を読んでいた子が、気づいて、わたしのほうを見た。

 

やっぱり、同学年だった。

 

問題は、その子が、明らかにわたしを訝(いぶか)る眼で、こちらを睨(ね)めつけていること。

 

ごめんなさい、気づいちゃった。読書の邪魔しちゃった。

 

だけどお願い、そんな眼で見つめないで、悪かった、悪かったから、ね・・・・・・?

 

「あなた、羽田愛さんでしょ」

「Σ(゚Д゚)」

「学年トップの成績、スポーツ万能、しかも容姿端麗。文武両道に加え、華やかさも兼ね備えている貴女が、なぜか、文芸部というコミュニティに入った・・・・・・」

「(・へ・)ムッ」

 

「文芸部の悪口言う気なの?(・へ・)」

文学少女は孤独であるべきよ

「それはあなたのポリシーでしょ。あなたのポリシーであって、わたしのポリシーじゃない」

「裏街道が好きなの」

「ーーつまり、こう言いたいわけ?

 一匹オオカミ少女でいたいと。文芸部みたいなところで『おままごと』してると、本を読む量は減るし、いつまで経っても文学活動はできない・・・・・・。

 

 文芸部の人に失礼よ(・へ・)💢」

「貴女は、自分の文学的才能から、逃げてるのよ。ペンをとらないのは、文学的な愉悦に溺れているだけ」

「見当違いなこと言うわね!」

「いい? 貴女が自分の三年間を文芸部に捧げるのなら、貴女の文学的寿命は三年間縮んじゃうのよ」

「警告のつもり!? 一人ぼっちで文学ができるなんて、あなたの方が自分に甘えてるのよ

なんですって(・_・;;💢)」

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・名乗りなさいよ」

「(『存在と時間』から目を離さず)青島さやか。」

「青島さん・・・・・・その本、どう?(苦笑)」

読んでいて楽しいわ

読んでいて楽しい!? ハイデガーの原著が!? Σ(゚Д゚;)」

「ことばの使い方がステキじゃない」

「(°ー°〃)!!」

 

「もしかして、青島さん、あなた、『存在と時間』を文学書として読もうとしてるでしょ」

「(少し動揺して)わ、悪い!? 哲学書には文学的要素が必ずあるじゃない。ハイデガーが好きだったキルケゴールの著作がそうじゃない。それに西田幾多郎も、恩師に『哲学には詩情もないとなあ』って、」

「┐(´д`)┌ヤレヤレ」

「なにが┐(´д`)┌ヤレヤレよ!! わたし、ハイデガーナチスに加担しなかったのなら、ノーベル文学賞だって取ってたと思うわ」

「わたしは、それはなかったと思うわ。もしハイデガーがナチズムに手を染めていなかったとしても」

「なんの根拠があってーー」

 

「(°ー°;;〃)」

「(;;・へ・)」

 

ムキになったわたしたちは、お互いに、にらみ合い続けた・・・・・・。

 

「ねえ、青島さん、あなた、本を読むとき、心の中で音声化しながら読んでるんじゃないの!?

「そうだけど、それが、ハイデガーとなんの関係があるのよ」

存在と時間』みたいな哲学書が、心の中で音声化しながら、みたいな読み方で、理解できるわけないでしょうが!!

「そ・・・・・・それでも、ハイデガーの詩情・・・・・・そうね、『ことばのつかいかた』が、わたしに馴染んできて、」

「どうやら図星のようね、あなたは『存在と時間』を読めていない」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「羽田さん」

「なによ(・へ・)」

「わたしは・・・・・・わたしは、心の中で音声化しながら読むのが、本の読み方の、『王道』だと思う」

「どうして?

 どうして、そう思うの?」

 

「わたしには兄がいるの」

「それがどうしたのよ、わたしには弟がいるけど」

 

青島さやかの独白

わたしの兄は、大学時代、とある文芸サークルに入り浸っていたわ。

 

ひょんなことから、ある時、都内某所にある、「文壇バー」に招待されたことがあるの。

 

そこでは、「朗読会」みたいなのが行われていて、何人かの作家が、自作を朗読する集まりがあって、兄はそれに招待されたんだって。

 

兄が出席したときの、朗読会の取りまとめは、とある、日本文学の大御所・・・・・・文壇の頂点に限りなく近い、超ビッグネームだったんだって。

 

その作家の名前を、兄は今に至るまで明かしていない。

 

仮に、大江健三郎の、О、としておきましょうか。

 

朗読会が終わったとき、ほかの参加者、若い書き手に、О先生はこんなことを言ったんだって。

 

「小説でも、詩でも、エッセイでも、哲学論文でも、声に出して読めるような文章を書きたいものだね

 

 

「・・・・・・(゜o゜; 

 青島さん、その話、実話なの?」

「実話よ。ぜったい」

「それで、青島さんは、哲学書でも、心の中で声に出して読むようにしているの!?

(゜o゜;」

「ええ。わたしはО先生を信じるわ」

「どんな本でも心の中で声に出して読むなんて、ありえないわ」

「でも、そういうものじゃないの? 日本には、かつて『素読文化』があったじゃない? どの国にも、東アジアの『素読文化』に似たようなものが、あるに決まってるわ」

 

「じゃあ・・・・・・じゃあ、例えば、谷崎(潤一郎)の『春琴抄』みたいな文体の小説は、どうするのよ」

 

 

 

春琴抄 (新潮文庫)

春琴抄 (新潮文庫)

 

 

 

春琴抄の文体、心の中で声に出してみると、愉しいわよw」

「じゃあ、じゃあ、青島さん、あなたは、春琴抄を他の人に説明するとき、文体のことしか言わないわけ!?」

「くっ・・・・・・(歯を食いしばる)」

 

青島さんは、それ以上言葉を継ぐことなく、ちくま学芸文庫版『存在と時間(上)』をカバンに乱暴に入れて、その場を立ち去った。

 

わたしはしばらくその場に立っていた。

しばらくして、雨が降ってきてしまったので、用意していた折り畳み傘をさして、下校した。

 

 

戸部邸に帰ってからも、モヤモヤとした思いが抜けず、珍しくその夜は、何も本を読まなかった。

 

 

 

 

 

孤独の文学少女(前編)

わたしは文芸部に入った。

 

文芸部に入るとき、心に誓ったこと。

それは、「上から目線にならない」ということだった。

 

伊吹先生の授業で、「文学史クイズ」に全部自分が答えてしまったことの、反省。

 

つまり、知識をひけらかさないこと。

他の部員をバカにするような不用意な発言を慎むこと。

 

もちろん、上級生の文芸部員だって沢山いるわけだしーー。

 

 

顧問である伊吹先生は、「他の部員に気を遣わなくてもいいよ」と言ってくれた。

 

でも、細心の注意は、はらっている、つもりだ。

 

文芸部の活動時間が終わって、帰るだけになった。

 

不用意な発言、先輩たちに対して、してなかっただろうか・・・・・・。

 

羽田さん!!(≧▽≦)

「い、伊吹先生、お疲れ様です」

 

「ねえ、羽田さんってさ」

「はい・・・・・・」

「ぜっったい、速読派でしょ」

「どうしてですか(^_^;)」

「ほら、沢山の本を読んでいると、読むのが速くなるって言うじゃん(≧▽≦)」

それ、根拠ないですよ

「(;≧▽≦)」

「わたし、むしろ、本を読むスピード、遅いと思うんです、他人と比較したわけじゃないけど・・・・・・」

「で、でも、『1日1冊』ペースだと、読む速さが1ページ1分だとしたら、300ページの本を、300分、つまり5時間かけて読まないといけないじゃん(;;≧▽≦)」

あ、わたし、だいたい1ページ1分ペースです

「(;;≧д≦)」

 

「羽田さん、睡眠時間、削って本読んでるの!? (;´Д`)」

「あ、家に帰ってからぶっ通しで5時間読むとか、そんなわけじゃないですよ。

 行き帰りの電車とか、休憩時間とか、ほら、『スキマ時間』って言うんですか? そういった時間を、有効活用するようにしています。

 もちろん、授業中は内職で本読んだりは、一切していませんよ(^o^)」

 

「つ、つよい、羽田さん、つよい(゜o゜;」

 

伊吹先生に、ごきげんよう、と挨拶したわたしは、ガーデンの前を通って帰宅の途につこうとした。

 

すると、ガーデン付近のベンチで、読書をしている子を見つけた。

 

つい、わたしは、その子が何の本を読んでいるかが気になって、そのベンチに接近してしまった。

 

「・・・・・・(゜o゜;;)

 は、ハイデガーの、『存在と時間』!?」

 

 

 

存在と時間〈上〉 (ちくま学芸文庫)

存在と時間〈上〉 (ちくま学芸文庫)

 

 つづく。

 

 

愛、柴田翔『されど われらが日々ーー』の語り手にキレる

 

 

新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

 

 愛は難しい顔をして、柴田翔『されど われらが日々ーー』を読んでいた

 

流さん「どうしたんだい、文庫本と、にらめっこしてるみたいじゃないか」

愛「・・・・・・流さん、」

流さん「?」

愛「流さんは、彼女さんに、ごはんを作ってもらったこと、ありますか?」

流さん「!?」

 

流さん「・・・・・・・・・・・・ない、と言ってしまったら、ウソになる」

愛「どれくらいの、どれくらいの頻度で、流さん、流さんは、流さんの彼女さんに、ごはんを作ってもらっているんですか?」

 

(1分間の沈黙)

 

愛「この小説(されど われらが日々ーー)の語り手は、『節子』っていう親戚の女の子と婚約していて、その子に下宿に来てもらって、下宿に来てもらうたびに、ごはんを作ってもらっているんです」

流さん「・・・・・・同棲、じゃないんだな(^_^;)」

愛「この小説の時代は、そういう男女関係のかたちも、ヘンじゃなかったんじゃないかって、そう思うところはありますけど」

流さん「そ、それは、いつの時代の小説なの・・・・・・」

愛「(質問に耳を貸さず)流さんは、彼女さんのところに行って、ごはんを作ってもらうことがあるんですよね? 彼女さんは、この家(戸部邸)に来たことはないですから、流さんが、その、彼女さんの・・・・・・マンションだったり、実家だったりに・・・・・・

流さん「お、お、おちつくんだ、愛ちゃん」

 

しょげた愛「(エビアンを飲みながら)すみませんでした・・・・・・。

 この前アツマくんに晩ごはんを作ってあげたことがあって、脳裏にそのときのことがーー」

愛が落ち着きを取り戻し、エビアンをグラスに入れて戻ってくるあいだ、沈思黙考していた流さん「えーと、『されど われらが日々ーー』では、節子ちゃんっていう、語り手の婚約者がいて、」

愛「はい」

流さん「節子ちゃんは語り手の下宿に通っている、それでごはんを毎度のごとく語り手に作ってあげてる」

愛「野菜炒めとかを作ってあげてるみたいですね」

流さん「まるで『通い婚』だねw」

愛「(間髪入れず)流さん、『通い婚』の意味が間違ってます。逆です。男性が女性のところに通うのが『通い婚』です」

流さん「ギクッΣ(゚Д゚;)」

 

流さん「つまり、僕のほうが『通い婚』ってわけか(;´Д`)」

愛「( ゚д゚)ポカーン」

流さん「ど、どうしたんだい(;´Д`)」

愛「( ゚д゚)」

流さん「えええ・・・・・・・・・・

(; ゚д゚)ハッ!」

 

流さん「そうか、『僕たちが婚約した』と勘違いしたのね(^_^;)

ぼくが、自分が『通い婚』状態だって、紛らわしい言い方をしてしまったから。

言葉が足りなかった。

『婚約しているわけじゃないけど』、通い婚みたいだな、って言うべきだったか」

愛「すみません_| ̄|○

流さん「えーのえーの(^_^;)」

 

流さん「えっと、ごはんを作ってもらうのは、月イチぐらいかな、それか月に2回」

愛「やっぱりそんなもんですかね、今は」

流さん「それは、わかんないよ。ひとによって、いろんな答えが返ってくると思うよ」

愛「にしても!

流さん「(゚д゚;;)ビクツ!」

愛「この小説の語り手のオトコは酷いですよ!! 節子ちゃんが、わざわざ郊外の下宿に遠出して野菜炒めとか作ってくれるのに、このオトコは、あんな煮えきらないような態度で、しかも、しかも!!!」 

 

愛は『されど われらが日々ーー』の内容を最初から最後まで流さんに話した

 

流さん「・・・・・・(;・∀・)」

愛「どう思いますか!? いくら昭和三十年代が小説の時代設定だからって、ひどくないですか💢💢」

流さん(今度愛ちゃんに、美味しい野菜炒めの作り方を教えてもらわなきゃな)

 

 

なんと次回に続く

 

アラサー女性教師が初期3枚(4枚)から選ぶ、チャットモンチー8選

◯愛の学校

 

現代文の伊吹先生(アラサー)「はーい、この前の中間テスト返却しますよ~」

 

伊吹先生「はい、羽田さん」

 

愛「97点……

 1問だけ、まちがえた(-_-;)」

 

 

✕ ✕ ✕ ✕

 

◯放課後ーー

 

愛「あ、伊吹先生、さようなら」

伊吹先生「羽田さん、羽田さん!! +(0゚・∀・) + 」

愛「は、はい!? (・・;)」

伊吹先生「文芸部!!

愛「うっ……(;´Д`)」

伊吹先生「ねえ、文芸部、入ってくれるでしょう!?

 羽田さん、いま、帰宅部なんだよね?」

愛「あ、あの、何度も誘っていただいて悪いんですけど、わたし、」

伊吹先生「たしと部員のみんなを鍛えてほしいの

愛「き、鍛えて!?」

伊吹先生「いまの高等部の文芸部ね、もともと高等部にしか文芸部はなかったんだけど、で、いまの文芸部の部員だけどね、文芸部に入ってるけど、『文学』なんてこれっぽっちも読んだことないの。

 あたしだって、羽田さんと比べたら、そりゃあ、国文科出身だけど・・・・・・羽田さんと比べたら、『文学』、全然知らないし」

愛「そ、そんなことは……」

 

伊吹先生「ほら、まえ、テキストが早く終わったから、息抜きに一コマだけ、文学史クイズ』やったじゃない!?」

愛「Σ(゚Д゚;)ギクッ」

伊吹先生「羽田さん、ぜんぶひとりで答えちゃったじゃない

愛(しまった……、みんなは羨望の目で見てたけど、わたしは「派手にやらかした」と思ったやつだ……。)

 

伊吹先生「ねえ、今も、1日1冊ペースで本読んでるんでしょ?」

愛「あ、あの、高等部に入ってからいろいろ立て込んでてペースは落ちていて、」

伊吹先生「(聴いてない)もしかして、本が読めないから部活入らない、とか? 文芸部に入ったら、図書館が部室だよ。本読みながら、部活できるんだよ。うちの学校の図書館、バカに広いし。ね、」

愛「先生。」

伊吹先生「??」

愛「先生、きょう、授業の時、『先週のミュージックステーション観た?』って言われてましたよね」

伊吹先生「(愛にうまく話をそらされているのを気づかず)そうそう!! チャットモンチーの最後の出演!! もしかして、羽田さんも観たの、金曜の『Mステ』」

愛「はい、観ました!」

 

伊吹先生「(愛をギューッと抱きしめながら)あー、もう!!!!!! 羽田さん、だーいすき!!!!!

愛「ふええええええええ!!!!!(;´Д`) せんせい、せんせい、くるしいです

 

 

なぜか、音楽室

 

グランドピアノに腰掛けた愛「チャットモンチーの曲を弾いてほしい!?

伊吹先生「そう!! 羽田さん、『チャットモンチーのアルバム聴いてる』って言ってくれたよね+(0゚・∀・) + 」

愛「え、ええ……でも、最初のミニアルバムと、『耳鳴り』『生命力』『告白』の3枚だけですよ」

伊吹先生「じゅうぶん

愛「え・・・・・・」

 

伊吹先生「おねがい!! 弾いてくれたら、プリン・ア・ラ・モードおごってあげるから

愛「えっもしかして『メルカド(有名な喫茶店)』の、プリン・ア・ラ・モードですか!? (人´∀`).☆.。.:*・゚」

伊吹先生「そう!!」

 

愛「わかりました! で、どの曲を弾けば?」

 

1:「ツマサキ」(『cahtmonchy has come』収録)

 

chatmonchy has come

chatmonchy has come

 

 

伊吹先生のコメント:

『この曲、チャットモンチーでいちばん好きな曲なの。受験生時代に付き合ってた男の子のことを思い出して……(ノД`)シクシク』

愛のコメント:

『のっけから泣かないでください、保(も)ちませんよ(;´Д`)』

 

2:「さよならGood bye」(『耳鳴り』収録)

 

耳鳴り

耳鳴り

 

 

伊吹先生のコメント:

『アルバム曲なんだけどね、この曲知らない人も多いかもしれないんだけどね、大学時代に付き合ってた彼氏のこと(ry』

 

愛のコメント:

『・・・・・・(;´Д`)」

 

3:「ハナノユメ(ALBUM Mix)」(『耳鳴り』収録)

伊吹先生のコメント:

『かわいい歌詞、って良く言われるけどね、でも、曲調はぜんぜんかわいくない、でしょう?』

 

4:「終わりなきBGM」(『耳鳴り』収録)

伊吹先生のコメント:

『あたし中学が共学だったからね、高校受験の時期の放課後のことをこの曲を聴くと思い出して(ry』

愛のコメント:

多感だったんですね。

 

5:「とび魚のバタフライ」(『生命力』収録)

 

生命力

生命力

 

 

伊吹先生のコメント:

『すごく愛らしい曲ね。ロックバンドとは思えないくらい……ほら、【とび魚】の【と】が【飛ぶ】の【飛】じゃないのが、センスがあると思わない?」

 

6:「真夜中遊園地」(『生命力』収録)

伊吹先生のコメント:

『目まぐるしい曲ね。仕事に追われるとこの曲を聴きたくなるの』

愛のコメント:

『どうして、聴きたくなるんですか』

伊吹先生のコメント:

『ハイテンションな気分になるから』

愛のコメント:

『は、はぁ……そうなんですか(^_^;)』

 

7:「余談」(『告白』収録)

 

告白

告白

 

 

伊吹先生のコメント:

チャットモンチーで2番めに好きな曲。このリズム感がたまらないのよ、グルーヴ、っていうの?』

愛のコメント:

『あ、わたし、この曲がチャットモンチーで聴いたことのある曲で、一番好きです

 

8:「Last Love Letter」(『告白』収録)

 

伊吹先生のコメント「ほんとうに、あたし達への、チャットモンチーの、最後のメッセージソングに思えるよね(しみじみ)」

 

1時間経過

「Last Love Letter」を弾き終えた愛

 

伊吹先生「(拍手しながら)。゚(゚´Д`゚)゚。」

愛「……(  ´ー`)」

 

愛(伊吹先生の青春、だったんだなあ)

 

 

 

 

 

 

そして、アラサー伊吹先生と生徒の愛は喫茶店メルカド」へ・・・

 

伊吹先生「ねえ!! 羽田さん、ミックスジュースとか、ケーキとかケーキとかケーキとか頼んでもいいんだよ!?」

愛「コーヒーのおかわりがいいです」

伊吹先生「羽田さん、大人だね(^_^;)」

 

愛「あの、伊吹先生。」

伊吹先生「は、はい?」

愛「わたし……

 文芸部、入ります

 

 

伊吹先生「・・・・・・ほんとうに!? ( ゚д゚)ポカーン」

 

 

・嵐の予感!