【愛の◯◯】日欧母娘喧嘩発生

夕方

戸部邸

・自分の部屋からリビングに降りていくアツマだったが……

 

アツマ「♪~(´ε` )」

 

アツマ「んぅ!?」

 

アツマ「Σ(・o・;)ギョッ」

 

 

 

アツマ「妹よ、こりゃどういうことだ。

 愛が、母さんに怒られてるなんて、火星人でも攻めてくるんじゃないか」

あすか「バカじゃないの!? 怒られてるわけないじゃん💢」

アツマ「おまえが怒るな」

 

 

愛と、母さんが、サシ向かいで座っている。

が……、

 

 

アツマ「たしかに、母さんに怒られてるってわけじゃなさそうだな。

 母さん、ニコニコしてるし」

あすか「でしょ? 

 おねえさん(=愛)、電話でおねえさんのお母さんとケンカしちゃったらしくて」

アツマ「それいつ」

あすか「2時間くらい前。おねえさんが、帰ってくるなり」

アツマ「国際母娘ゲンカw」

あすか「笑うなバカ兄貴💢」

 

あすか「時差の関係で、あっちが、お母さんのほうが出勤間際でバタバタしてる時間帯でしょ? 話がすれ違ったまま、電話がぶつ切りになっちゃってーー、」

アツマ「(あすかの腕を引っ張って)見ろよ、あの様子だと、収拾がつかなくなるってことはなさそうだな

 

 

 

 

× × × × ×

 

ゆうごはん

 

アツマ「おれ、腕力には自信あるから、炒めものが得意なんだ」

 

愛(顔を真っ赤にしてひたすらパクパクとゆうごはんを口に運ぶ

 

アツマ(さすがに、『腕力とか物騒なこと言わないでよ!』みてーなツッコミする元気もないか)

 

愛(顔を真っ赤にしてひたすらパクパクとゆうごはんを口に運ぶ

 

お父さんとの距離は、近すぎるくらい近いけど、

お母さんとの距離は、もう少しだけ近づけたらいいんだけどな。

なあ、愛?

 

 

 愛(顔を真っ赤にしてひたすらパクパクとゆうごはんを口に運ぶ

 

 

× × × × ×

 

ゆーしょくご

 

愛(顔を真っ赤にしてひたすらゴリゴリとハンドルを回してコーヒー豆を挽く

 

× × × × ×

 

あいのへや

 

愛(顔を真っ赤にしてひたすら宿題を解く

 

× × × × ×

 

せんめんじょ

 

愛(顔を真っ赤にしてひたすらシャカシャカと歯を磨く

 

 

× × × × ×

 

ランドリー

 

愛(顔を真っ赤にしてひたすら洗濯機をry

 

 

× × × × ×

 

おふろば

 

愛(顔を真っ赤にして)「どこまでついてくんのよ!!!!!! バカ!!!!!!!!

 

 

愛「あ、あれ、だれもいない・・・・・・?

 きのせい?????

【愛の◯◯】米津玄師から遠く離れて

夕方

某・児童文化センター

 

 

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ーー11月中旬のあの一件以来、わたしにつっかかってきた小学4年(?)の男の子を、なぜか、探しに、ときどきこの児童文化センターに立ち寄っていた。

 

でも、なかなか逢えないまま――今週も平日が終わってしまいそう。

 

(゚.゚) あっ

 

!!!!!!!! 

 

「( ^o^)ねえ!! わたしのこと、わたしのこと、おぼえてるよね?

「(-_-;)うるさいよ、ねーちゃん」

 

「い、いけない、大声出ちゃった」

「おぼえてるよ、日本史の話をし出したら止まんなくなって、先生に怒られてたよな?」

 

伊吹先生に怒られたわけじゃないし💢

 

……心なしか、口ぶりが粗暴に……。

 

去年の秋はあんなにかわいかったのに 

 

「なあねーちゃん」

「わたし『愛』っていう名前があるんだけど」

「(困惑して)・・・・・・」

あ、ごごごめんごめんやっぱり『ねーちゃん』でいいから

 

「ねーちゃん、ここでまえにキーボード弾いてただろ」

「キーボードじゃなくて、エレクトーンね。」

「フ、フン」

「でもどうしてそのことーー」

「おれの学校で『すごい美人のJKのねーちゃんが文化センターにキーボード弾きに来てた』って大騒ぎになった」

 

(;-_-)ううっ 

 

「き、キーボードじゃなくてエレクトーンだからね。

 そうねえ……」

 

「なにキーボードとにらめっこしてんだよ」

「エレクトーンだっていってるでしょ💢」

 

「……なんか弾いてほしい曲あったら弾いてあげるけど」

「マジ!? ねーちゃん、米津玄師の『Lemon』弾いてくれよ

えーっ

は!?

「ーーわかったわよ、でもLemonのあとでもう一曲弾くから、黙って聴いてなさいよ。

 いい?」

「(・д・)チッ」

 

♫『Lemon』♫

 

 

ーーーーーー

 

♫?????♫

 

 

「なんだよこの曲」

「Lemonつながりでね――、

 XTCってバンド、知ってる?

「は!? (;´Д`)知ってるわけねーだろ」

「『Oranges & Lemons(オレンジズ・アンド・レモンズ)』ってアルバムがああるんだけれど」

「(;´Д`)こじつけかよ!!

 

 

オレンジズ&レモンズ

オレンジズ&レモンズ

 

 

「そのアルバムの『The Mayor of Simpleton』って曲を、適当にアレンジした」

「!?!?!?」

 

 

「ねえ」

「なんだよ」

「もう一曲だけ弾くね」

「あっそ」

 

 

 

 

 

「ーーなんか、せつないな」

「え、せつなくなんかないわよw」

「(スルーを覚えて)洋楽?」

「洋楽。

 イギリスのロックバンド。

 もう永遠に完全復活することはないけど」

「あ、クイーン!?」

ちがーうww

「(;'A`)じゃあなんだよ?!」

 

「……ふふっw」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Led Zeppelin - II - Deluxe Edition Remastered Doppel-Vinyl [Vinyl LP] (2 LP)

【愛の◯◯】チョコは笑顏で渡すもの

夕方

戸部邸・キッチン

 

鼻歌を歌いながら、冷蔵庫から野菜を出し、まな板で切り始める、エプロン姿の愛。 

 

愛「~♫」

 

 

トントントントントントントントントントントントントン…と、非常にリズミカルで気持ちの良い音がキッチンで演奏される……。 

 

愛「(まな板を洗おうとして)おっとっと。

  すっごく冷たい水出すところだった。

  お湯、お湯」

 

なぜか、シンクの近くにある鳩時計に、しきりにしきりに愛は眼を走らせる。 

 

愛「……まだかなあ……」

 

 

 

ただいまーっ

 

 

愛「ピクン!!

 

愛(元気な声だ。)

 

愛(「声」は元気だけど、「顔」は……どうなんだろう)

 

 

ダイニング

 

アツマ「おーっす。帰ったぞ」

 

愛「(うつむき加減に)おかえり。」

 

アツマ「なんだよ。下ばっか向いてると姿勢が悪くなるぞ」

 

愛「ほんとだね。」

 

ーーと言って、顔を上げる愛。

 

しかし、その顔は、不安混じりの顔だった。 

 

愛「あ、あのその、し、しけん、さ……どう……だったの?

 

 

 

アツマ「(満面の笑みで)難しかったな~!!

 

愛「ちょ、ちょっと!! ドヤ顔で不吉なこと言わないでよ」

 

アツマ「難しかったけどさ、納得はいってる!」

 

愛「(青ざめて)な、なっとく!? どういうことよ!?

 

アツマ「じぶんが決めたことに、ぜんぜん後悔してないっ!」

 

愛「(だんだん怒りっぽくなって)話がそれてるじゃない! わたしだって中学受験したから、試験の緊張感ぐらい知ってるわよぉ!!! 手応えは!? ねえ!!!!!!

 

アツマ「(座っている愛の目線になって)ばーかw

 難しかったけどさ、

 おれの決めた進路にも、

 おれの出した答案にも、

 納得行ってるよ。

 

 おととい、しこたまプールで泳いだのが、効果あったみたいd…っておい」

 

アツマの顔に手作りチョコレートを押しつける愛。

 

アツマ「ば、ばっきゃろ、袋に入ったままじゃ食えないだろが」

 

愛「――夕ご飯のあとで部屋に戻ってから食べてね

 

アツマ「ん~? よく聞こえんぞ~w」

 

すると、愛はアツマの手にチョコの袋をのせて、

にっこりと笑った。

 

アツマ「・・・・・・」

 

愛「・・・・・・」

 

アツマ「おまえは、いっつも、素直じゃねーなぁとか思いながら、つきあってきたけどさ」

 

愛「つきあう……

 

アツマ「(-_-;)う……なんか別の意味にとってないか……まあいいや、おれたち、つきあってるといえば、つきあってるんだろうな」

 

愛「意味が変わったw」

 

アツマ「るせー!!

 

 (深呼吸して)

 

 今まででいちばん素直に笑えてたよ、愛

 

 

30秒間固まる愛。

 

 

 

 

愛「は、ははは、それはよかった」

 

アツマ「そのセーター、さやかさんに選んでもらったんだろ」

 

愛「どうしてわかるの……」

 

アツマ「おまえはファッションセンス、あんましないから」

 

愛「ファッションより文学が好き、とか、気の利いたこと言えないのっ?」

 

アツマ「おれは好きだよ、そのセーター」

 

愛「ーー」

 

 

 

× × ×

 

アツマが自分の部屋に行き、ダイニングテーブルには愛だけになった。

 

 

 

愛「わたしもーー、

 がんばらなくっちゃ。」

 

『でもガンバリスギナイヨウニネー』

 

愛「Σ(*_*; )ギク」

 

ソファーからにゅ~っと現れた明日美子さん。

 

「(^o^)肩もんであげよーか?」

「……よろしくおねがいします。」

 

 

 

【新シリ(仮)】これまでのあらすじ 兼 総集編[2]

「自転車少年と哲学少年」

 

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「きょうは何読んでんだ……また岩波文庫の『青いやつ』か……ははぁ、またソクラテスの本だな?」

違う!!

「おおw」

ソクラテスは一冊も本を書いていない!! ( ー`дー´)キリッ」

 

 

いつも体育館裏のベンチで、難しそうな本を読んでいる、真島正志と同じクラスの笹川哲(ささがわ さとる)。真島は、笹川の存在が「おもしろい」と思って、体育館裏に足繁く通っていたら、笹川と親しくなっていた。

 

「マキ、心のむこうに、憧れのギタリスト」 

 

 

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「マキちゃんのさぁ」

「うん・・・・・・」

「尊敬するギタリストって、誰なの」

「(間髪入れず)カシオペア野呂一生さんと、T-SQUARE安藤まさひろさん

「ご、ごめん、知らなくって」

 

 

マキと次第に仲良くなるすずかは、いつの間にか「マキちゃん」と呼ぶようになっていた。

 

「夕方5時のチャイムが鳴る」

 

 

「マキは、どの曲がいちばん好き? わたしは『東京炎上』」

 

 

「『パッション・フルーツ』」

だと思った♥

 

 

マキのお母さんは、音楽関係のライターをしているようである。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「激安アイスコーヒーと鑑定団とビートルズ」~「ジョンに賭ける」

 

 

 

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コーヒー・紅茶 200円

 

「こ、ここは、最近オープンしたんですか?」

「もともと地下にスタジオがあったんだ」

「そうだったんですか!? てっきり廃墟みたいになっているとーー、

あ、すすすみません(^_^;)」

「いやいや。

 近年、商店街の『さびれ』が進んでいるだろう? 若い人を呼び込みたくてね。 

 まぁ、商工会の要請でもあるんだけど……。

 君みたいな若い子に来てほしかったんだ。

 それで、『Ticket to Ride』や『Yesterday』みたいな曲を覚えて帰ってくれたら、僕としては最高だねw

 そして『Ticket to Ride』や『Yesterday』がどのミュージシャンの曲か、も知ってくれて、そこから音楽の世界に入り込んでくれるのなら……。

 おっと、お待たせ、出血大サービスの200円アイスコーヒーだ」

 

あ!

「えっ(;´∀`)」

鑑定団!! 鑑定団!!

 土曜のお昼の!!!!!!」

 

「ああ、なるほど~。やっぱり君らみたいな世代だと、そんな認識になっちゃうのは仕方ないか~w」

「この曲、なんて曲ですか?」

『HELP!』

「歌ってるのは?」

「そりゃもう当然、ザ・ビートルズさ」

(゚д゚;)!?

 

 

 

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ジョンやポールの名前を覚えただけ、進歩なんじゃない?

 的場さん!? (゜o゜;)

 

「なんだ、マキちゃん、この子と知り合いだったんじゃないか」

いちおう

 

 

 

「クイズ。戸崎さん、この曲(Taxman)を作ったのは、ビートルズのメンバーなんだけど、いったい誰でしょう?」

「えーっと、ジョン・レノンポール・マッカートニーのどちらかで・・・・・・

ジョン!!

残念!!w

「えええええ、じゃ、じゃあ、ポール?

ジョージ・ハリスン

「えええええええええええ」

 

「的場さんーー」

「( ´д)プイッ」

「こ、この曲、いいね」

「(;´д)」

「英語だから歌詞はわからないけど」

「び、ビートルズの歌詞は、英語圏のロックバンドのほうでも、いちばん聴き取りやすいほうなんだから(;´д)

 中学に入ったころ、それこそ『赤盤』の曲をひたすら歌いながら練習してーー」

「『赤盤』って、さっきまでかかってた?」

「そう、ベストアルバム。

『青盤』っていう続きのベストアルバムとひとつながりになってるんだけど」

「(目を輝かせて)えっ! 

ビートルズって、これだけじゃないの!?(゚∀゚)

 

「・・・・・・ほんとになんにも知らないのね(ボソッ)」

「うっ(゚∀゚;)」

「マスター、『Tomorrow Never Knows』」

 

「『トゥモロー・ネバー・ノウズ』?

(首をかしげて)

 ミスチル

 

( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

 

 

 

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 「えーと、『イエスタデイ』がポールで、『ヘルプ!!』がジョンなのね」

「とうぜん」

「『イエスタデイ』の流れだったら、こういう革新的な曲を作るのは、ポールのほうな気がするけど」

「す、するけど?」

「あたし、『なんでも鑑定団』のオープニングで、無意識的に『ヘルプ!!』を聞いてきてて――それでも、曲の出だしが、『斬新』だとは思った」

 

「で、やっぱり『イエスタデイ』からの流れだったら、『Tomorrow Never Knows』もやっぱりポールの作品ーー」

 

と見せかけて、あたしは『あまのじゃく』だから、敢えて、『Tomorrow Never Knows』の作者はジョンだ、というほうに賭けてみる

 

 

!? どうしてわかるの……(゜o゜;

 

「へへ、野生の勘」

 

 

× × ×

 

「あ、もしかして、イントロの『ぱーらぱらぱらぱぱー♪ ぱーぱーらぱらぱらぱーぱー♪』ってとこ?」

 

「戸崎さん……」

「なに?」

よどみなく歌えるのね

「えっ、どういうことw」

「い、いや、リフ…ギターリフを正確に覚えていて、『ぱーらぱらぱらぱぱー』とか、ことばは適当だったけど、テンポは『Innocent World』のそれとほとんど同じだったよ」

もしかして褒めてくれてるの!?

「ウッ(-_-;)」

 

 

 

戸崎あかりの音楽センスを、褒めざるを得なくなった、的場マキ。

あかりとマキが歩み寄った先に、何が、待つーー?

 

 

【愛の◯◯】いちスイマーとして、いろいろわたしも思う

 

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アツマくん「そういえば水泳っていったら、おれと池江璃花子(りかこ)って同学年だな」

わたし「どうしてここまで差がついたんだろうねw」

アツマくん「なんだとーっ」

 

 

夕方のニュース

日本水泳連盟の会見が映し出される――

 

「どうしてここまで差がついたんだろうねw」

なんて、アツマくんに軽口を叩いてたときは、

こんなことになるなんて、

とうぜん、思いもしていなかった。

 

18歳のわたしーー2年後のわたしが、突然、

白血病です』

と告げられたら。

いったい、どのように事実を受け止めて、

そのあとに待ち受ける人生に、どのように向き合えばいいのか。

 

彼女は――璃花子(りかこ)ちゃんは、来年にオリンピックを控えていて、しかも自国開催なんて確実に一生に一度だし、そんな晴れ舞台に向けて頑張っていたところで――残酷なようだけど、彼女のピークはまさに2020年の夏にくることになる、とわたしは思っていた、そうなるはずだった。

 

 

絶対に他人事(ひとごと)ではなかった。

わたしは3歳から水泳を始めた。

習い事に拘束されることがイヤだったので、小5でスイミングはやめた。

でも、個人的に、プール通いは続けていた。

ひとりで、プール通いを続けて、もう5年以上になる。

 

わたしがやめたあともスイミングに残った子で、ときどき水泳雑誌に写真や名前が載る子がいる。

(わたしとアツマくんは、『スイマーズ』という水泳雑誌を、共同で定期購読しているのだ)

その子とはだんだん疎遠になっていったけど、彼女のようなレベルの選手だったら……たぶん、璃花子ちゃんと同じ大会で、泳いでいる。

 

わたしがもし競泳の世界に留まっていたら――なんて、自問するのもアホらしかったから、プール通いを続けていても、そういうことはまったく考えなかった。

むしろ、訊いてくるのは、他人。

 

 

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↑のあとで、我が校の水泳部と、親密さが高まった。

 

千葉センパイ。

葉山先輩にさんざんおちょくられていたけど、千葉センパイの水泳に対する姿勢に少しも曲がったところがないのは、葉山先輩だって否定できないはずだ。 

 

先月、校内プール(室内で温水)を使わせてもらう機会があった。

泳いだあと、ロッカールームで、千葉センパイと水泳について話し始めたら、会話が途切れなくなってしまって、水泳部の顧問の先生に声をかけられるまで話し続けていて――3人で苦笑いしたっけ。

 

……もちろん、璃花子ちゃんのことも、かなり話した……。

 

ふと、千葉センパイに、こう言われた。

 

『愛ちゃんが競泳選手だったら、わたし、いろいろ夢が観られたと思うんだけどなーー』

『そのかわり、わたし、この学校にいませんよ』

『こらw そういうこと言わないのっ!』

『わたし他人に夢を託されるくらい立派な人間じゃありませんから。

ーー( ;゚д゚)アッ!

 す、すみません、失礼な態度をとってしまって』

 

気まずい雰囲気になっちゃったかな? と不安になったけれど、千葉センパイは優しい口調で、

ジュニアオリンピックやオリンピックに出るだけが【道】じゃないよね』

と言って、こう続けた。

『葉山先輩、大学受験、しないでしょ。

 わたしは葉山先輩は京都大学受けるって決めつけの予想してたんだけどねw

 びっくりしたし、びっくり以上に、ハッとさせられた。

 名門私立中高一貫女子校から名門大学っていう定番コースだって、ワン・オブ・ゼムにすぎないんだって思った。

   人の道って、一本道じゃないんだって思った。

 

  アスリートの道も、一本道じゃないんだよね

 

 

 ーーそのときは、そういう会話の流れになったけれど。

 

きょう、授業が終わって、即刻、千葉センパイからLINE通知が来た。

 

わたし、池江さんにオリンピックに出てほしかった

 

『道はひとつじゃない』は正しい。

だからこそ、頂点を目指す【道】を選ぶ人間も、応援しなければならない。 

 

 

「だけど……。

 きついです、わたし。

 もちろん本人がいちばんきつい、それも想像を絶するくらいに。

 

 でも、どういう形であれ、3歳から泳ぎ続けている人間として、わたしも他人事じゃなく、悔しい、悔しいです、流さん……」

 

いつの間にか、流さんとテレビを観ていた。

 

 

 

きょうの衝撃的なニュース。

悔しい。

悔しい、だけど……涙は流さない。

 

「アツマがさ」

「そういや、アツマくん、きょうも受験」

「ボロボロだったみたいだ。

 

『ただいま』も言わずに、玄関のドア、バーンって開けて。

 猛ダッシュで自分の部屋まで駆け上がって。それで、カバンぶん投げるようなでかい音が聞こえた。

 でも、猛ダッシュで玄関ホールまで駆け下りてきて。

 驚いたから、『どこ行くんだ?』って訊いたら、

 

池江のぶんまで泳いでくるんだ!!!!!

 

 って大声で言って、スポーツバッグ提(さ)げて、出ていった。」

 

「ーーアツマくんのぶんの夕飯、いらないですね」

「そういうパターンだね。

 

 自分に足りないところがあって試験でボロボロだったことがわかってるだろうから、その失敗のボロボロを振り払うために、気が済むまで泳ぎまくるんだろう。

 それと同時に、

 『池江のぶんまで泳いでくる!!』ってのも、

 こじつけじゃなく、本心なんだろう」

「わたしも、そう思います。

 本心だ、って。

 

 ――さてと」

「――行きますか、キッチンに」

 

 

きょうの夕飯当番は、わたしと流さん。

 

今できることを、やらなきゃいけない。

夕飯を作ることだって、今。

野菜を切ることだって、今。

出汁をとることだって、今。

お魚をさばくことだって、今。

火加減を確かめることだって、今。

 

食べることだって、今。

 

食器を片付けることだって。

今。

今を、

今を。

 

 

 

 

 

 

 

【愛の◯◯】アリス・マンローを読んでたら世紀の大脱線

こんな短編集を読んだ

 

ピアノ・レッスン (新潮クレスト・ブックス)

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本を閉じてテーブルに置き、深呼吸

 

「・・・・・・ふーっ、

 

 ( ´ー`)……うん。」

 

カナダのノーベル賞作家。

奇妙な味わい。 

 

アツマくんがきた

 

「(さっきまでわたしが読んでた本を『ひょいっ』と取り上げて)

 『本を読みなさい、音楽を聴きなさい、季節の変化を楽しんで*1』。

 いいことが書いてあるじゃんか!」

「(・_・;)――そう?」

本を読んだり、音楽を聴くのは、いいことだろう?

「(・_・;)たしかに」

 

「前から不思議だったのは、さ」

「はい??」

「おまえの知り合いって、みんな、本と音楽が好きだよな」

「『みんな』かどうかは知らないけど……」

「アカ子さんにしてもさやかさんにしても」

「たまたまじゃない?」

んなわけないだろ

「完全否定?!💢」

「葉山だってピアノ弾くのあんなに巧いし、すごい本を読んでるだろ」

「葉山先輩は変な本も読むし麻雀漫画に詳しいけどね」

「まあ卒業したらパチンコに行きそうだけどなw」←明らかに失言

( ‘д‘⊂彡☆))Д´) 葉山先輩のこと何だと思ってるの!?

 

「(;-_-)ごめん、言い過ぎた」

「💢💢💢」

 

「葉山先輩に謝りなさい」

「どうしてスマホ渡すの――

 って、葉山に電話かけてんじゃねーかおまえ!!」

 

♪ぷるぷるぷるぷる♪

 

ガチャッ

 

『もしもし。羽田さん?』

落ち着いてきいてください。戸部です」

『?! 羽田さんになにかあったの?! ねえ!!!

○(#゚Д゚)=(  #)≡○)Д`)・∴'.ボガァ

『戸部くん?! 戸部くんってば!』

 

「どうも羽田です。アツマくんは気絶しました」

( ゚Д゚#)してねえよ!!

 

『ど、どうして電話したの? しかも羽田さんじゃなくて戸部くんが出たし』

「アツマくんが葉山先輩のことを誤解しているようなので懲らしめてやったところです」

『誤解???』

「はい、それでアツマくんが謝罪を」

『あーw』

「な、なんですか」

『どうせ「葉山って『天牌』読破してそうだよな」とか、そういうこと言ったんでしょ』

?????????

 

天牌(95) (ニチブンコミックス)

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 『わたしは外伝のほうが好きだよ』

「???????????????」

 

・・・・・・・・・

 

 

「戸部です。愛が混乱してるようなので頭を冷やしてます」

(# ゚Д゚)かってにわたしの頭冷やさないで!!

 

「えーっと、葉山ってミッシェル・ガン・エレファントって知ってる?」

「(; ゚Д゚)どういう文脈でその質問出るのよ!?」

『知ってるけどROSSOのほうが好き❤

「ロッソ?」

「( ‘д‘;⊂彡☆))Д´) なんでROSSOの存在知らないでそんな質問したの!? ばか」

 

 

 

「……へえ、『1000のタンバリン』かあ。今度聴いてみるよ」

「そういって実際に聴いたためしなし」

(・Д・;)黙れ!

 

wwwwwwww

 

「(・_・;)あんたが面白がってくれてるなら、よかった」

『なんのはなしだったっけww』

「いや、あの、葉山、君はおれの知らないロックバンド知っててすごいなあ、ってはなし」

『戸部くん脱線してるww』

「あぅ」

 

「えーっと、『咲-saki-って言う漫画があるじゃないですか

「😡ちょっとアツマくんまだなんか話す気!?」

『あるねー』

竹井久っていただろ、清澄の部長」

『わたしに似てる?』

「そうそう! どことなく――」

「😨???????????」

『たしかにねえw』

「き、気を悪くしたらごめんよっ」

『ぜんぜん。

 

 ――でも久(ひさ)ちゃん、あの子ちょっとセンチメンタルなところあるでしょ』

「らしいな。5巻ぐらいまでしか読んでないからよく知らんが」

『彼女のセンチメンタルな部分がエスカレートしたら、わたしみたいになる』

「そ、それは誰かが言ってたとか!?」

◯書房の営業の人のお姉さんが言ってたw』

(゜o゜; ホアッ!?

 

 

・置いてけぼりのわたし

「(・д・)チッ」

 

収拾がつかない……。

こうなったら昼ごはん作ってやる!!

 

 

 

*1:ピアノ・レッスン』286ページより

【愛の◯◯】本命は2/14

さやかの家

さやかの部屋

に さやかとわたし

 

・食後の珈琲たいむ

 

「愛ってさぁ」

「なに」

「紅茶、ほとんど飲まないよね」

「紅茶よりコーヒーのほうが好きだからよ、そりゃ」

なんで?

「(^_^;)……えっと……、

 

 紅茶よりもコーヒーのほうが、おいしいから

「(*´-∀-)フフッ」

「笑うなw」

「あんたも笑ってんじゃんww」

wwwwww

wwwwww

 

草を生やしすぎた。

 

えっ?

 

なんでネットスラングに詳しいんですか?』だって?

 

――詳しくないわよw

 

「(カップを置いて)もうすぐ――」

「バレンタインだ、って言いたいんでしょ?」

「うん」

「今年の2月14日は木曜日か」

「そうね」

 

「……その日ね、」

「(きょとん)」

 

「(・_・;)アツマくんの、第一志望の試験日なんだ」

あっ…

 

「い、いいじゃん、終わったあとに『お疲れさま~』って渡せば」

 

クマのぬいぐるみに顔をうずめるわたし。

 

驚くさやか。

 

「(クマさんに身をゆだねたまま)アツマくんがどんな顔して帰ってくるか、が怖い」

「(;・_・)……」

「さやかにはこんな経験ないから、イマイチ想像できないかもしれないけど」

「(💢・_・)むうっ

 

「(;・Д・)……け、経験ないことない。

 兄さんの、高校受験と大学受験のとき。

 兄さんが試験から家に帰ってくるの、緊張して待ってたもの」

「(クマさんを抱きしめながら)でも、兄さんは、きょうだいでしょ?

(;´Д`)クマさん没収!!

 

「あんたアツマさんのこと『おとうさんみたいだ』って言ってたことあったじゃん」

「あれ、さやかに言ったことあったっけ?」

(;-_-)

 

「あーのーねーえー」

「どしたのさやか」

「当事者じゃないからわかることがあってさ」

「??」

「あんた、アツマさんに対して、ノロケすぎよ」

「Σ(・_・;)ピクン」

「『ノロケ』って、漢字でどう書くか、わかる?」

「(・_・;)……わかる

 

惚気』。 

 

「末永く幸せな関係をキープしていきたいんでしょ?」

「(´Д`;)き、きがはやいよっ!!

「あんたに必要なのは適度な距離感よ」

「距離感……」

 

「(・∀・;)…でもさ。

 先月、アツマくんの誕生日で。

 

 わたし、アツマくんの受験が一段落したら、ふたりでどこかに出かけたいな~と思っていて。

 それで、誕生日に、アツマくんにもそのことを伝えてあって」

 

 

bakhtin19880823.hatenadiary.jp

 ↑参考記事

 

 

「ーーどんな言い方した?w」

「(冷や汗をかいて)ぐっ……、

 た、た、た、

 『誕生日プレゼントが、デート』だって」

 

「wwwwwwwww」

 

「(・3・;)さ、さやかにはこんなこと言う人いないくせに」

「(冷静に)どこに行くか決めたの?」

「(-_-;)まだ。」

じゃあ、さきにわたしとデートしよう

 

 

 

 

 

(゚.゚;) ポカーン

 

「(゚.゚;) 『コミック百◯姫』でも読んだの? あんた」

「なに、その如何にもいかがわしい雑誌」

「うちのお邸(やしき)に、◯迅社っていう出版社から送られてきた

 

 

 

「・・・・・・、

 

 (;´Д`)ハァ!?

 

 

 

 

 

・どういうコネクションが戸部邸に?!

・あ、このブログFictionですから!!!!!

 

【愛の◯◯】兄/弟/メイドさん

昼休憩

学校のベランダ

 

「うん……うん……あっ、そう!

 よかったねぇ。

 うん……、おめでとう。

 

 ……そんなことないよ。

 どういたしましてっ。」

 

「愛ちゃん、電話?」

「そうだよ、アカちゃん」

「だれと話してたの?」

「アツマくん。」

 

「愛が昼休憩に電話してるなんてねぇ」

「さやか。」

「アツマさんとのホットライン

「(-_-;)・・・・・・さやかのいじわる」

 

「大学の合格発表?」

「あ、そうか! アツマさん、受験生だったものね」

「そう。

 

 受かったって」

「(^o^)ほんと!? よかったわね~!!」

「(^_^;)第一志望じゃないけどね。

 ――ま、浪人は回避しました、と」

「それが何よりじゃない。アツマさん、本番に強いタイプなのね」

「さやかの言う通りだと思う。

 というか、見るからにそうよ、アツマくんは。(遠い目)」

「なに遠い目してんのw」

「愛ちゃん、うっとりしてるみたいな眼

Σ(^o^;)

 

「ま、2年以上もいっしょに暮らしてたら」

「(^o^;)『たら』?」

「通じ合うものができる」

「ちょっと、さやかちゃん、いやらしいよぉ」

「(突っぱねて)どこが?

「(^o^;)まーまーふたりともw

 

 ――でもさやかのお兄さんにはかなわないよ」

「Σ(゚Д゚)エッ」

「さやかのお兄さんが大学に合格したときとか、どうだった?」

「小学生だったから、あんまし覚えてないけど。

 盛大にお祝いしたと思う……親戚も呼んで」

 

「愛ちゃん、弟さんがいるのよね」

「利比古(としひこ)くんだっけ」

利比古がどうかした!?

「な、なにその急なリアクション」

「(´∀`)愛ちゃん、利比古くんと毎日メールしてるくらい、仲がいいのよね」

マジ?w

「恥ずかしいことでもなんでもないわよ。毎晩国際郵便してるようなもの。文明の利器も悪いものじゃないわね。

 たとえばきのうは――

「(´∀`;)ストップストップ」

「えっ、どうして」

「愛ちゃん、利比古くんのことについて語りだすと、昼休憩どころか、授業もすっぽかしちゃうでしょ」

wwwwwwww

「(-_-;)もー、笑うなさやかー」

 

「……愛ちゃんには弟さん、さやかちゃんにはお兄さんがいる。

 (´・_・`)だけどわたしは…一人っ子」

「そっか、アカちゃん一人っ子か。

 

 さみしい?」

「(´・_・`)ちょっとだけ、ね」

「でもアカちゃんの家、メイドさんがいるよね」

「(゜o゜; え!? 初耳なんだけど」

 

「(^_^;)ええ。たしかにいるわよ。

 

 写真……見る?」

「見る。

 

 ……わー、若い!! スタイルいい!!

「(;^_^)なにはしゃいでんの、さやかは…w」

 

「ハタチだっけ?」

「そう。学校に通いながら家の手伝いをしてくれてたから、つきあいは長いわね」

脚長ーい!! スタイルいい!!

「(;-_-)……168センチだっけ」

「身長? ピタリ賞。よく覚えてるね、愛ちゃん」

このブログあんまり高身長キャラ出てこないから

( ゚д゚ )??????????

ファッションモデルみたーい!!