【愛の◯◯】米丸ルイさんは入りびたる

 

米丸(よねまる)ルイさん。大学の同期の女子。

昨年までは顔見知り程度の間柄だったのだが、今年の年明け辺りから『CM研』のサークル室に来る回数が増えてきて、年度が変わってからはほとんど『入りびたり』状態となっている。

今日も、

「羽田(はねだ)くん99%寝不足なんでしょ!? わたしには分かるんだよ」

と、『CM研』ルームにて、元気の良過ぎる大声を、ぼくの後ろから……。

「米丸さん。きみ、『CM研』の会員でもなんでもないよね? 部外者が毎日のようにサークル部屋に入りびたるのは、どうなのかなあ、と……」

「なんで寝不足なのかどうか答えてくんないの!? 羽田くんって、ヒトの話が聴けないの!?」

ヒトの話が聴けないのはどっちだってハナシだっ。

我慢の限界のぼくは米丸さん方面に振り向き、睨みつける。

……前から思っていたが、米丸さん、ぼくの高校時代の同級生だった野々村(ののむら)ゆかりさんの面影が、ほんのりと……。

野々村さんはいったい今どこで何をしているのだろうか。本ブログにおける最後の登場から約3年。ぼくと同様に大学4年生になっているはずなのだが……。

……じゃ、なくってっ!!!

「米丸さん!? 『CM研』の入会届書いてくれなきゃ、この部屋出禁(できん)にするよ!?」

叫んだぼく。

しかし叫びも虚しく、米丸ルイさんはヘラヘラ笑いをぼくに見せつけてくるばかり。

やがて開かれた彼女の口から、

「入会届なんて、どこにあるの? 用意してんの?」

「そっそりゃー、してるさっ、用意ぐらい」

だがしかし、睡眠時間が6時間未満だったのが祟(たた)ってか、入会届を収納していた場所が思い出せない。マズいヤバい。

米丸ルイさんがヘラヘラ笑いのままに腕組みし始めて、

「入会届仕込んだ場所、わすれたんだぁ~~」

『仕込んだ』って表現、なに。

ホントに、もう……。

『ぼくの前に現れる女子、厄介な女子ばっかりだ』って言いたくなっちゃうよっ。

言わないけど!!!