「お兄ちゃん、昨日は葉山さんにタジタジだったみたいじゃん」
「るせーっ」
「完全に葉山さん、お兄ちゃんの『お姉さん』だったんだってね」
「誕生日が2ヶ月早いってだけで、マウント取ってきやがった。あいつはほんとーにどーしよーもない」
「お兄ちゃんはそうやってグチるけど」
「なんだよ」
「彼女、本気で『お姉さん』になってみたいのかもよ?」
「どーいう意味だ」
「ほら、彼女、ひとりっ子でしょ。きょうだいがいなくて、寂しいときもあるんじゃないの」
「だからって、おれを弟代わりにしなくたって……。むしろ、おれの『妹』だ、あいつは」
「エエエーッ」
「ど、ドン引きすんな」
「出たーっ、お兄ちゃんのキモチワルイ発言」
「キモくねえから」
「キモいよ。葉山さんを自分勝手に妹扱い!? なんでそんなにキモくなれるの、お兄ちゃんは」
「あすか……。おまえには、兄を敬(うやま)う気持ちが少しは無いんか」
「無い」
「そんな態度続けるのなら、優しくしてやらんぞっ」
「プイッ」
「あすか!!」
× × ×
「もうちょっと待ってよね、お兄ちゃんを大事にしてあげるのは」
「は? なんだそれ」
「明日が、お兄ちゃんの誕生日じゃん? 明日になったらさ、全力で大事にしてあげるから」
「……」
「ねっ」
「……」
「誕生日は、お兄ちゃんリスペクトの日」
「……」
「ちょっとっ、『……』を使いすぎないでよ」
「……」
「『……』って、三点リーダって言うんだけど、お兄ちゃん三点リーダ使いすぎだから」
「……ふんっ」
「三点リーダに頼る人間は文章力が低いって、有識者はみんな言ってるんだよ!?」
「うるせえよ。有識者がなんだ、そういう点で文句があるのなら、このブログの管理人に言ってくれ」
「逃げた」
「逃げてない」
「このブログが小説らしい体裁(ていさい)になるのには、まだまだ時間が掛かりそうだね」
「別に……小説を目指さなくても、いいだろ」
「お兄ちゃん、管理人さんの肩を持ってる!」
「……」
「はい、またもや三点リーダ」