【愛の◯◯】お年玉増額チャレンジを無茶振ってくるお母さん

 

はい!

あすかです!!

おはようございます!!!

さてさてさて。

本格的な寒波が到来しておりますが。

冷え込むとともに、年越しが迫っているというわけなんであります。

皆さん――。

皆さんの2022年は、どうでしたか?

わたし?

わたしの2022年は、ですねぇ……。

 

ムフフ。

 

× × ×

 

リビングのソファにごろーん、となって、本を読んでいた。

読み進めていたら、最後のページまで来てしまった。

するする読めちゃったな…と思っていると、どこからともなく、お母さんの姿が。

「おはよう、あすか」

「…。お母さんは、いついかなる時も『おはよう』なんだね」

「あーら。

『いま何時だと思ってんの!!』

 って問い詰める勢い? あすか」

「と、問い詰めるわけないじゃん。お母さんに怒ったりなんかしないよっ」

「そう。それはよかったわ」

「……」

「もう少し反抗期チックになってくれても、嬉しいんだけど」

「…大学生だよ? わたし」

お母さんはテーブルに置かれた本を見て、

「あらぁ。これ、わたしが編集した本じゃないの」

と言う。

「…そうみたいだね。『あとがき』の謝辞(しゃじ)のところで、お母さんの名前が出てた」

「読み終わったの?」

「読み終わったよ」

元・出版関係者のお母さんは、ニコニコと、

「感想が欲しいわ」

と言ってくる。

「ん……」とわたしがためらっていると、

「感想を言ってくれたら、お年玉、1万円増やしてあげるわよ♫」

と、お母さん……。

「あのねえお母さん」

「なぁに」

「軽々しく『1万円』とか言っちゃダメだと思うよ?」

「うそぉ」

「うそぉ、じゃないって。金銭感覚疑われちゃうよ?? そんなことばかり言ってると」

「厳しいわね」

「……」

「じゃあ、こうしようかしら」

「……?」

ミヤジくんと交際していて、どんな感じか。

 もし、あなたがここで話してくれるのなら――」