【愛の◯◯】バードペディア・ミヤジ

 

「ミヤジ、きょうは短縮版だよ」

「へー。何文字ぐらいになるんだ? あすか」

「800字程度」

「へーっ」

 

「わたし、近頃思うんだけど」

「どんなことを?」

「短縮版のとき、文字数を測ることのできるメーターみたいなものがあればいいよね…って」

「そんなものは流通してないんじゃないのか。や、じゃないのか、じゃなくて、流通してる『わけがない』……」

「あのねミヤジ」

「なんだよ?」

「極端に言っちゃえば、このブログはなんでもありなんだよ

 

「……」

 

「あれー? なんかムスッとしてない?? ミヤジ」

「や、ムスッとはしてないけど。

 いろいろと、思うところは…あったりも」

「なになに? あんたが思ってること、教えてよ」

 

「……それは秘密だ」

 

「なんで?!

 あんたとわたしの仲でしょ?!

 彼氏彼女の仲でしょ!??!」

 

「秘密にするのには、ちゃんとした理由が」

「理由!??!」

「理由ってのは……、

 このブログが、なんでもありだからだ

 

× × ×

 

「お~~い。

 あすかぁ~~。

 そろそろ、スネるのをやめてくれたって良かろう??

 僕も若干、無神経だったけどさ。

 部屋の隅(スミ)っこで、膝(ヒザ)抱えて縮こまってないで――」

 

「……。

 ミヤジってさ、」

 

「ん」

 

「最近……野鳥観察キャラ成分が、薄まってきてるよね」

 

「なんじゃいな、そりゃ」

 

なんじゃいな、じゃ、ないよっ!!!

 

「ウオオッ、急に振り向かれた」

 

「ミヤジっ」

「なにさ」

「12月が見頃(みごろ)の鳥を教えてよっ」

「なんで」

「あんたの脳内には、野鳥図鑑がインプットされてんでしょ!?」

「…なーんで、有る事無い事言っちゃうかな」

「だって、だってっ。

 バードペディアでしょ、あんたは…」

 

「…急ごしらえのオリジナル用語は、あんまよろしくないと思うぞ。あすか」