「徳山さん、きょうは短縮版だよ」
「え……どういうこと!? 小野田さん」
「できれば、900字を、少しだけオーバーするぐらいで」
「だ、だからっ、突然なにを言い出すのよっ」
「徳山さん」
「……なに」
「今回は、わたしについてきてよ☆」
「……今回、って??」
× × ×
「軽く自己紹介すると、わたしは浪人生の小野田。で、今回のわたしのお相手が、高校時代の同級生で予備校も同じになった、徳山すなみさん」
「…自己紹介と言いつつ、他己紹介もしてくれたわね」
「身長165センチ」
「どこから仕入れたのよ…そのデータ」
「体重は――」
「ばばばバカッ」
「――まったくもう。小野田さん、飲食店に来てるのよ。羽目を外しすぎないで」
「――そう言うけど、徳山さんだって、ずいぶん外してない?? 羽目」
「……なにを言うの」
「体重を言おうとしたとたんに、テンパったり」
「そ、それは、テンパらないほうがおかしいでしょ。世界一デリケートな情報なんだから」
「それほどまでに気にしてるかー、じぶんの体重」
「……」
「スタイルいいのにね」
「……あなたよりは」
「さてと。
例によって――フレッシュネスなハンバーガーを提供する、某飲食店に来てるわけだけど」
「小野田さんは、なぜ、そんなに回りくどくお店のことを説明するわけ?」
「え? このブログいちおうフィクションだし」
「なっ……」
「体裁だよ、て・い・さ・い」
「……呆れるわ」
「ホラ、早いとこバーガー食べちゃいなよ。話したいことは沢山なんだから」
「うるさいわね」
「おぉー、ツンデレフェイス」
「無神経……。」
× × ×
「ねーねー、わたしこの前、あすかさんを目撃しちゃったのー」
「それ、どこで?」
「神楽坂。」
「…そう」
「あすかさん、着実に、大学生っぽくなってたな」
「…羨ましかったりするわけ? 小野田さん。一足先に大学生になった、あすかさんが――」
「ぜんぜん☆」
「……」
「あのね」
「……」
「目撃したときね、あすかさん、スカートだったんだけど」
「…それが?」
「現在(いま)、徳山さんが履いてるスカートより、1.5段階ぐらい、オトナっぽかったよ」
「…その、1.5段階なる、微妙な表現は…なに!?」
「徳山さんは……、スカートの偏差値も、上げるといいよね」
「わけがわからないわ小野田さん」