【愛の◯◯】月曜からてんやわんや

ども!! 茅野(かやの)ルミナです。

もうすぐ大学4年生、

とうとう最終学年。

でも、新年度って、いったいいつ始まるのかしら??

 

それはそれとして、

きょうも、シャキーンと早起きして、

顔を洗って、

朝ごはん食べて、

歯を磨いて、

服を着替えて、

髪を梳(と)かして、

髪を結んで、

勉強道具をカバンに入れて、

山田家ーーギンの家ーーに。

 

 

× × ×

 

ギンのへや

 

「机貸してね」

「なんで自分の部屋で勉強やらないのw」

「ギンの机のほうが集中できるから」

「サラッとすごいこと言うねぇ」

「どこもすごくないでしょ」

「その机、あげようか?」

「冗談ゆーんじゃないのっ。あんたも勉強しなよ」

「じゃあ机をはんぶんこして勉強するか?w」

「えっなにそれどーゆーいみ」

「だから椅子並べて隣同士で」

「き、気色悪いこと言わないでよ、あたしたち何歳だと思ってるの、小学生じゃないんだよ?!」

「じょーだんだよ、じょーだんww」

「(-_-;)」

 

「おれは、ルミナがいないときに勉強するよ」

「信用ならない。そう言っといてどうせ勉強しない」

 

「……ま、そっとしといてくれ」

 

やけに意味深な口調じゃないの。

 

やめてよ。

 

ドッキリするから。

 

 

 

「なあルミナ」

「ひとがせっかく教科書を読み始めようと思ってたときに💢」

「昼飯、食べてくだろ?

 母さんに、『チキンライス作ってくれ』って言いに行こうか?」

 

「…………」

 

「なぜ押し黙る」

 

「ごめん、きょうはちょっとチキンライス以外の気分」

 

「気難しいやっちゃ」

 

 

・ギンの顔を見るあたし

 

 

「そんなジト目でおれの顔見てどうした」

「ーーオンナはめんどくさい、って思った?」

「いや思ってないけど」

「思ったでしょ。」

「思ってない」

「ーーごめんね。」

「はぁあ???」

 

 

・立ち上がるあたし

 

 

「ギンがよく読んでる雑誌あったじゃん」

「『開放弦』?」

「それそれ、それ見せて」

 

× × ×

 

「………、

 なんでインタビュー記事がどれもこれも脱線ばっかりなの?」

「それが日常茶飯事な雑誌なんだよ、読者もそれを期待してるんだよ。

 わかってやれ」

「アホみたい」

「狙ってやってるんだよきっと」

「…ひょっとして編集長の方針なの? 編集長がおかしいんじゃないの」

「そういえば編集長、変わらないなあ。

 変わらないってことは、上から信頼されてるんだろうなあ」

「逆でしょ。見捨てられてるんでしょ」

「どっちだろw」

 

 

「(雑誌を閉じて)読んで損した。

 

 

 

 

 あっ!

 

「!?!? い、いきなりどうしたんだよルミナ」

「あたし、サークル部屋に置きっぱにしてあったもの、思い出した」

「置きっぱ? 持って帰るの忘れてたってことか」

「うんうん。

 ね、あんた知らない、学生会館、閉まってないかどうか」

「そこのPCで調べればいいだろ」

「そうね。ギンよりPCのほうがかしこいもんね。

 

 

 

 ーーよかった。大人の事情で開館してる」

「きょう、取りに行くのか?」

「え~~っめんどくさいよ」

「じゃ、あした?」

「そうする」

「開館してるのなら、あしたおれも行ってみようかな」

「あんたのサークル部屋に?」

「大学の近くのディスク◯ニオンで買ったCDが置きっぱになってたんだ」

「あんたも置きっぱにしてたもんがあったんじゃないの。

 

 ねぇ、

 まさかーー鳴海来ないよね」

「それは、行ってみないとわからないよ」

「せっかく顔を合わせずにすんで清々してたとこなのに」

「どこまで毛嫌いしてるんだよ」

「だって…何考えてるかわからないんだもん、アイツ」

「へぇ。」

「万が一、鳴海が来たら、助けてね、ギン」

「だめ」

「ど、どうして」

「ーーそろそろ、ルミナも鳴海さんと向き合わなきゃ」

「む、向き合うも、なにもーー。

 

 そういえば、アイツ、何年生なの?

 というか何歳??

 いつ卒業なの??」

「知らないよ」

「いつもつるんでるあんたがなんで知らないのよ」

「知らないよw」

 

 

 

 

 

ーーま、

楽観視してよっと。

 

鳴海はたぶん来ないよ。 

急な用事もないでしょ、どうせ。