朝
「やぁあすかちゃん、これから学校かい?」
「あ、流さんだ、おはようございます。
そうですよ、行ってきます♪」
「……」
「? なんですか(キョトーン)」
「いや、あすかちゃん……元気だなあ、と思って」
「あたりまえじゃないですか。2学期になってからずっと元気いっぱいですよ」
「そうだねw だけど、今朝はーーいつにもまして、元気がみなぎってると思うんだ。
晴れ晴れとした顔になってる」
× × ×
高校
の
教室
「あすか、なんか良いことでもあった?」
「え、どして?w」
「とっても良いことがあったような顔してる」
× × ×
@スポーツ新聞部
「あすかちゃんあすかちゃん」
「桜子さん。どうしたんですか」
「なんか良いことあったでしょ」
「え~!? なんにもないですって」
「でもとても嬉しそうな顔だよ」
× × ×
@バンドの練習
奈美(ボーカル・ギター)「すごいじゃんあすか!!
そのコード、押さえられるようになったんだね」
「えへへ」
レイ(ベース)「成長したんだねえ」
「感慨深そうね、レイw」
ちひろ(ドラムス)「…おとなっぽくなった気がする」
「(@_@;)!?!?!? ちひろ!?
ど、どこが具体的に、おとなっぽく???」
ちひろ「(遠慮気味に)…顔つきが」
奈美「なんかスッキリした感じだよね。
未練を断ち切った感じ」
「Σ(@_@;)」
今日だけはーー、
奈美が、鋭かった。
『晴れ晴れとしてる』『とっても良いことがあったみたい』『とても嬉しそう』『おとなっぽくなった』
…きょう、いろいろなことを言われた、けれど、
それは……、
月曜の夜、邸(うち)に泊まりにきたアカ子さんと、
わたしの部屋で、夜通し話しこんだことと、
関係があるのかもしれない。