【愛の◯◯】海の日の空を見上げながらーー

けっきょく、笹島飯店で、おれはラーメンとチャーハンと餃子一人前、あすかはラーメンと餃子一人前を食べ、代金はもちろんおれが全額支払った。

 

にしても、ハルのやつ、アカ子さんをここに連れてきたのかw

ハルもやるなあ……。

笹島飯店の親父さんのクルマが、アカ子さん*1とこのメーカーのクルマだっていう、おまけつき。

 

で、問題は、この帰り道で、おれの横をしょぼしょぼ歩いているコイツ、妹のあすかだ。

 

なんにも言わないんだもんなー。

言うわけないか。

 

アカ子さんが邸(うち)にドラ焼きを持ってきたとき、挙動不審だったから、伏線は勝手に張られてたのかも。

 

「お兄ちゃん、」

「なんだぁ、あすか」

「えっとね、

 このブログ、今回の更新で400記事なんだって。

 ほんとうはきょうはもう更新しないつもりだったんだけど、海の日だしキリがいいからって、今日中に400記事到達させたいからって、」

 

ーー言ってることの意味はまったくわからないが、たぶん、あだち充のマンガで登場人物がほざくセリフのようなことが言いたいんだろう。

 

ーーメタフィクションめ。 

 

「ふうん、創造主さまは本来、この【帰路】を描写する気はなかったけど、キリ番更新だから、と?」

「うん。

 そうだけど、管理人さんのことはどうでもいいの。

 

 

 ーー餃子のお金が余計で、ごめんね、お兄ちゃん」

「どういう話の逸らし方かなそれは、妹よw」

「ーー、

 (空を見上げ、)お兄ちゃんに知られちゃったわたしの秘密、またひとつ、増えちゃった

「(同じく空を見上げ、)もうそれは、秘密じゃなくなってるよ。」

 

 

気づくと、あすかは、

おれの右手をちょこん、と握りながら、帰り道を歩いている。

どうしたっていうんだろう。

女心との空じゃねえか。

 

「あすか、大人っぽくなったか? おまえ」

「はい!?」

 

そんな言葉のやり取りを重ねつつ、

ふたりして、海の日の東京の空を見上げながら、

おれたち兄妹は、帰り道を歩き続けたのだった。 

 

 

*1:社長令嬢