【愛の◯◯】修羅の笹島飯店

こんにちは。

戸部あすか、高校1年です。

兄がいつもお世話になっております…。

 

リビングでごろごろ

 

ソファに横になり、リモコンを片手に持ち、チャンネルをばんばん変える。

 

「(´・_・`)海の日だけど、面白い番組ないや」

 

『おーっす!』

 

「アッ愚兄! おりてきたなおりてきたな」

「( ;`o´)ぐ愚兄とはなんだ愚兄とは」

「(´・_・`)……冗談だよ」

「なんか元気ないじゃないか」

「(´・_・`)……そんなことないよ」

 

ぐ〜っ

 

(;´Д`)ヤバい、お腹鳴っちゃった!

 

お?

 お腹空いたんだな、お腹空いたんだろあすか!?w

 

(;´Д`)否定できない……!

 

「よーし、きょうはお兄さんおごってやる」

「どこ行くつもり」

「あそこ」

「特定してよ😡💢」

 

 

 

× × ×

 

「笹島飯店」

 

「あ。

 マオさんの実家の笹島飯店だ」

「良いだろ? 安くて早くて旨いし」

「吉牛みたいな言い方しないでよ、失礼だよ」

 

グーッグーッ

 

「なんだあすかおまえそんなにお腹空いてるのか。

 ちょうどよかったじゃないか、目の前に笹島飯店あって」

「( º言º)…ご都合主義💢」

「いいだろそのかわりおれのおごりなんだから、な?」

「( º言º)…ご都合主義を肯定しないで」

「ばかだなぁ空腹はご都合主義じゃねえだろ?」

「(-_-;)は、はやくはいろう、きょうだい2人でお店の前突っ立ってるのもヘンだし」

 

× × ×

 

『ちーっす』

 

ご主人「あー! アツマくんじゃないかい!! 妹さんも!! 

 久しぶりじゃない?」

兄「そうですねえ」

ご主人「アツマくん大学生?」

兄「そうですよ! 

 (わたしを指さして)こいつおれと同じ高校に入ったんですよ」

ご主人「知ってる!! マオからきいた」

兄「情報早いw」

 

注文を取りに来たマオさん「どうも、いらっしゃいませ…

兄「マオさんなんかカタくなってないか!?

 もっとリラックスしてよ」

 

(ちらっ、とわたしの顔を見るマオさん)

 

わたし「?」

 

マオさん「それもそうですね。

 あと『さん』はつけないでいいですよアツマさん」

兄「んーー、

 じゃあマオ、注文いいかな

わたし「こらっ! カッコつけるなっ」

マオさん「カッコいい…大人のおにいさんみたい

わたし「ス¨カ¨ーン!!∑(゚Д゚; )

 

ご主人「そういえばアツマくん、ハルくんって知ってるかぁ!?」

わたし「ス¨カ¨ーン!!∑(゚Д゚; )

 

兄「知ってますよ、高校の後輩だし。サッカー部で。

 ……というかあすか、なんでおまえ青ざめてるの?」

 

ご主人「そのハルくんがこの前この店にーー」

マオさん「(お盆を床に叩きつけて)父さん!!!!!!

 

ご主人「(本気でこわがって)どうした、反抗期か、マオ!?」

マオさん「そのはなしは、ちょっときょうはナシにしようね?

 でないと家出するよ

 

あっ。

わたし、感づいちゃった。 

 

わたし「いいんですよマオさん…。

 ハルさんが、とっても美人な女の子を連れてお店に来たんでしょう、

 来たんですよね

 

 

ーーーし~んーーー

 

 

マオさん「えっと…注文を」

わたし「わたしラーメン

兄「餃子はいいのか?」

マオさん「そ、そう、餃子! うちは一人前6個だから、きょうだいではんぶんこすればいいんじゃない?」

わたし「いらない

兄「なんだよ、おまえ餃子好きだろ」

わたし「ラーメン2つとチャーハン

兄「(^_^;)勝手におれのも注文すんなよ…まあいいけどw」

 

× × ×

 

マオさん「お水、いりますか?」

鈍感な兄「あーたのむ」

センシティブなわたし「おねがいします…」

 

マオさん「(恐縮した感じで)……」

センシティブなわたし「……」

 

鈍感な兄「にしてもハルが連れてきた女の子って誰だろ。

 ハルとつながりがある同級生の娘っていえばーー」

センシティブなわたし「お、おねえさんじゃない!?

鈍感な兄「愛!? ま、まさか、」

マオさん「(慌てて)違います違いますアツマさん!! ハルはそこまでゲスいやつじゃないですから、横取りとかしませんから」

鈍感な兄「(^_^;)だよな。

 だとすれば、やっぱり『あの娘』しか考えられない」

わたし「餃子!!!

 

兄とマオさん『ひ、ひえええええ

 

わたし「(必死に)ぎょーざ食べよーね、おにーちゃん??