【愛の〇〇】湿気のイタズラ

ゆうがた

戸部邸

「ただいまかえりましたー」

 

早めに部活を切り上げて帰った。

 

明日美子さんが、雑誌を読みながら寝転んでいる。

 

「あー愛ちゃん、おかえんなさい」

「まだだれも帰ってませんか?」

「うん、きょうは流くん早く帰るって言ってたよ」

「あらすてき」

 

自分の部屋へ

 

すごく蒸し暑かったわけで。

ベタベタしてて、気分がいいものではない。

 

あっ! そうだ

 

× × ×

「明日美子さん、浴場使いますね? シャワー浴びたいんで」

「OKよ」

 

浴場

脱衣所

 

上の制服を急いで脱ぎ、

いちおう、畳んでおく。

 

「ふーっ」

「なんだか、制服が貼りついてる感じがしたな」

「ちょっち、脱ぎにくかった」

 

「さて、スカートも、」

 

ガラッ

 

えっ……?!

脱衣所の、

とびらが、

あ、

い、

た。

 

「愛……ちゃん?

 

 !?!?!?

 

「ながる……さん…」

 

 

しまった。

とびらの札を、

『使用中』にするの、

わ す れ た

 

「……おかえりなさい。」

「……ただいま。」

 

× × ×

 

そりゃ、そうだよね。

こんな湿気だし、

流さんも、汗、流したかったんだよね。

 

 

 

 

 

(>_<;)着替えてるとこみられた……!

 

「ごめん」と一言だけ言って、

流さんはダッシュで逃げていった。

 

わたしはそっと札を『使用中』にして、

軽く深呼吸した。

備え付けの鏡で自分の上半身を見た。

ブラジャーしかつけてない上半身。

鏡を通して、みるみるうちに自分の顔が赤くなっていくのがわかった。

 

しばらく着替えを再開できず、脱衣所の壁にもたれかかっていた。

 

……ノンワイヤーの、子供っぽいブラだった。

しかも白地…。

はずかしいはずかしいはずかしい

 

流さんは、

なんにも悪くないから、

余計に恥ずかしい。

 

 

 

 

 

 

シャワーを浴びた

脱衣所を出た

居間に行った

流さんがいた

 

「∑('∨'💧)ギクッ」

 

「(気持ち下目づかいで)あの、流さん……、

 『あんまり見てないから』とか、言わないでいいですからねw」

 

「∑('∨'💧)ェッ」