【愛の◯◯】俺は妹を絶対に不幸にしたくない

愛の両親と利比古が、海外に戻る日になり、

愛が空港まで見送りに行った。 

 

おれ「行っちゃったなあ。でも利比古は、じきにこの邸(やしき)に住みに帰ってくるんだもんな、楽しみだよな、な、あすか?」

 

なにかを企むようなあすかの顔

 

おれ「(^_^;)と、利比古と住むようになっても、イジワルすんなよ?」

あすか「……」

おれ「なぜそこで黙る。

 利比古がおまえの前でだけ無遠慮になるのがそんなに気になるのか?」

 

あすか「(焦り気味に)どうしてわかったの……

 

おれ「わかるよ、そりゃあ。

 無遠慮、ってのは言いすぎだったかもしれんけど、さ。

 ( ´ー`)・・・おまえ、利比古よりもお姉さんなんだからさ、うまく接してやれよ、今度会うときは。」

 

あすか「(・o・)……、

 

 

 わたしが、お、おね、おね、おねえさん!?」

 

おれ「いや、あたりまえだろ、年上なんだからw」

 

あすか「そうか!!!!!!! おねえさん!!!!!!! わたしこの邸(いえ)でおねえさんになるんだ!!!!!! 年下ができるんだ!!!!!! 年下年下

 

おれ「(^_^;)だ、だいじょうぶか?」

 

 

 

× × ×

そして愛が空港から帰ってきた。

戸部邸がまた、平常営業になる。

 

 

 

愛「あれっ、あすかちゃん、疲れちゃったの?」

おれ「『おまえは利比古より年上なんだぞ』みたいなこと言ったら、勝手に騒ぎ出して、『髪伸ばす』だの『スカート丈伸ばす』だの『クールに振る舞う』だの『利比古くんに泣き顔は見せない』だの、あることないこと言いまくってーー」

愛「なにそれw」

おれ「そんでもって自分の部屋に戻ったと思ったら、テレビを観に降りてきて、おれと一緒にテレビ観てたら、睡魔が襲ってきたみたいだ」

愛「因果関係はよくわかんないけど、利比古がいたから、気が張っていたのかもね」

おれ「どうせ利比古戻ってくるけどなw」

愛「嵐が起こりそうねw」

 

あすかは、おれの左肩にもたれてスースー寝ている。

愛は、じぶんの右肩を、あすかの左肩にそれとなく寄せた。

 

おれと愛で、あすかの両サイドから添い寝をしてあげるような体勢になった。 

 

おれ「あすかがーー爆睡してるから、言えるんだけども」

愛「なに?」

おれ「おまえと同じで、やっぱりおれも、自分の妹がかわいいんよ」

愛「照れくさいセリフ禁止」

おれ「なんだかんだで片親だろ。あすかは、父さんの記憶あんまりないし」

愛「・・・・・・」

おれ「松任谷由実の曲で、『守ってあげたい』みたいな曲あっただろ」

愛「それそのまんまタイトルが『守ってあげたい』だよ」

 

おれ「・・・・・・あすかを、不幸にさせたくない」

愛「本気で?」

おれ「本気で。

(あすかの肩に頭を乗せて)約束は守ってるほうだろ、おれ?」

愛「アツマくんならーー、できるよ、ぜったい」